楽譜のコピー問題その2 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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昨日の記事『楽譜のコピーってしますか?』,たくさんの反響いただきました。

少しだけまとめてみたいと思います。

 

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家,吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 

 

 

いけないことだと知ってはいる

 

みんな,楽譜のコピーはいけないことだとなんとなく知っているのです。

でも,なぜいけないのかを,ちゃんとは知らなかったり,

コピー以外にも複製にあたるものがあると知らなかったり…

いけないと知っていても,みんながやっているものだから麻痺してしまっている,

そういう状態なのですね。

 

そして,楽譜を買ったらぜひ蔵書印を押しましょう。

ぼくも持っていますよ。蔵書印。

 

 

メールやウェブも複製になる

 

昨日も書きましたが,もういちど書いておくと…

楽譜のデータをメールに添付して送ること,ウェブにアップすること,

これ,コピーと同じです。複製になります。

コピーっていうのは,スキャナーで取り込んで印刷することですよね。

取り込みと印刷が離れた場所になるだけで,おんなじことなのです。

ウェブにアップするのは,そこから誰でもいくらでもプリントできてしまうので,

つまりは無限コピーってことですね。

だから,ウェブやSNSにアップする楽譜は,PDのもののみ可能なのです。

 

 

電子楽譜

 

このごろは,楽譜の販売も紙の印刷物ではなく電子楽譜のものもありますね。

ぼくは買ったことがありませんが,データとしてはPDFなのでしょうね。

これも,メールに添付したり印刷して誰かにあげたりしたら違法でしょうね。

そのためにどういう対策がしてあるのかあまり知りませんが,

その団体の名前が楽譜の隅に入れ込んであったりするようですね。

とはいえ,ぼくはステージでは紙の楽譜を使いたいな。

 

 

 

出版社の問題

 

オーケストラの主要な曲は,たいていスコアが出版されています。

勉強しようと思ったらスコアのみを手に入れることができますね。

でも,吹奏楽の曲となると,そうではないものもまだあるようですね。

たとえば,振らなきゃならない曲があったら,スコアを手に入れる必要があります。

出版社がスコアのみを売ってくれていればそれを買いますが,そうでなければどうするか…

スコアのみを手に入れるためにフルセットの楽譜を買うのは,あまりに現実離れしていませんか?

だから,その団体からコピーしてもらうことになってしまいます。

これも,ほんとうはいけないのですよね。

でもこれ,はっきり言って出版社が悪いと思います。

バラ売りしてください。選曲するのにも,スコアくらい閲覧したい。

リードの曲とかは,ほとんどスコアのみを手に入れることができるようですね。

 

 

教育現場の責任

 

昨日も書いたことですが…

学校教育の現場でコピーが横行している現状はどうなのか?

子どもたちはそれを見て育つわけですよ。

よく考えていただきたいと思います。

指導する側に著作権意識がないのは問題だと思います。

 

って,ぼくは中学高校の頃,ほとんどコピーの楽譜って使ったことがないと思います。

そういう意味では,ちゃんとしていましたね。

中学の頃は,もらった楽譜を音楽ノートに写譜して使う決まりでした。

これはいいことだと思います。楽譜を書くという経験になる。

複製になるでしょうけど,自分の団体の楽譜を写譜するわけなので私的複製でしょ。

これをダメだというのなら,どうかと思いますね。

 

 

無形なものには価値を感じにくい?

 

形のあるもの,食べ物とか,乗り物とか,建物とか,そういうものの価値は認めるのに,

形のないもの,知的創作物,そういうものの価値って,とっても軽んじられがちです。

楽曲,楽譜って,その紙自体が価値の主体なのではなくて,

そこに印刷されている,いわば無形のものにこそ価値があるのですよね。

創作,演奏,そういう,形としては残らないものを,とっても軽んじていると思うのです。

楽譜や,文章や,演奏や,出版や,録音物,そういうものの価値をちゃんとわかって,

それに対して感謝を持ち,恩恵を受けたら対価を払うのが当たり前のことになるように。

そんなふうに思います。

 

モノを買う時にはお金を払うでしょ。

つまり,なにかをしてもらったら対価を払うのです。

それは,知的創作物に対しても,同じなのです。