楽譜のコピーってしますか? | フクロウのひとりごと

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楽譜のコピー,複製って,しますか?

それって違法だって,知っていますか?

 

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家,吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

 

Twitterで訊いてみました

 

まず、楽譜のコピーについて、Twitterで訊いてみました。

あなたは楽譜のコピーをしますか?

 

 

こんな結果になりました(有効投票数457票)。

 

楽譜のコピーをしないと答えた人が、約3割。一方で…

『みんなやっているから』コピーすると答えた人が1/3います。

悪いことだとはわかっているんです。でも、みんなやっているからいいじゃん…

これがいちばん多いんですよね。

『犯罪とは思っていない』が18%。

でもその中で、いけないことだと知らないっていう人がどれくらいいるのでしょう?

 

 

子どもたちでも…

 

こんなツイートもありました。

 

 

子どもたちもわかっているんです。ヤバい楽譜だ、って…

大人がやってしまうから、『みんなやっているからいいじゃん』になっちゃうんでよすね。

しかも、いちばん手本にならなければならない教師がやっているわけです。

 

子どもの行い、行動は、大人世界の反映だと思うんです。

たとえばいじめにしても、大人がやっているからでしょ。

それを棚に上げて、いくら『いじめをやめよう』なんて言ったってダメです。

誰かがおっしゃってましたが…、自分はダラダラ話をして時間をムダにしておきながら、子どもたちには

『時間を大切にしよう』って、一体どの口が言ってんだ、って話です。

 

学校現場が平気でコピー、それも他団体からのコピーを使うものだから、

それを見て育った子たちは、『あぁ別にいいんだ』って思うようになる。

なにやってんだ大人!? です。

 

 

楽譜の複製は万引と同じ

 

楽譜って、ただの紙ではありません。

その紙に書いてある内容は、多くの人のエネルギーと労力が費やされた、大きな価値のあるものです。

だから、その恩恵に与るには、それ相応の対価を支払う必要がある。

ところが、楽譜を複製するという行為は、その対価を支払わずに恩恵だけを受ける行為です。

お店から、お金を払わずに品物を持って帰ってきたら、万引ですよね。

だから、楽譜をコピー、複製して使う行為は、万引と同じなのです。わかりますよね。

 

お店に来る人が万引きばかりになったら、お店は潰れてしまいます。

それを避けるために、楽譜の値段はますます上がります。

楽譜も楽曲も、ますます減って手に入らなくなるのです。

これは楽譜だけではなくて、CDやDVDだって同じです。

 

 

コピーだけじゃなく

 

複製にあたるのは、なにもコピーばかりではありません。

たとえばデータにしてメールに添付すること、これ、れっきとした複製にあたります。

受け手はそこから印刷できてしまいますからね。

たとえば楽譜データをウェブにアップする行為、これ、無限に複製するようなものです。

誰でもダウンロードして印刷できてしまいます。

CDやDVDだって、YouTubeにアップすることは、無限コピーと同じですよね。

IT時代になって、複製の形がより増えて、複雑になっていますね。

 

 

 

お金がないから?

 

お金がないから、予算がないからという人もいます。だからコピーも仕方がないんだ、と…

でもそれって、『お金がないから万引していい』って言ってるのとおんなじなんですよ!

「貧乏な人は万引きしていいんだよ。貧乏なんだから許されるんだよ」って、子どもたちに教えますか?

そう言っているのとおんなじなんですよ。

 

正論を書いているのは重々承知しています。

でも、事実です。

少しは考えてほしいと思うことがあります。

あまりにも、著作権に対する理解がない、意識が低いと思うことがあるからです。

厳密にやれなんて全然言いません。でも、最低限ってあると思うのです。

 

 

どんな範囲なら許されるの?

 

私的使用や教育の目的(学校の授業はOK。部活はNG)での複製は許されるのですよね。

それを超えるもの、たとえば合奏のプルト増しコピーも、本来ならNGなのです。

プルト増し…たとえば1stバイオリンが10人います。楽譜は4枚しかありません。足りない分をコピー…

 

ただ、これをダメって言ってしまうと、きっと違反だらけになってしまいますよね。

編成がでかいオケはおんなじ楽譜を2セット買いますか?

このあたりは少し、現実をみてほしいとも思うのです。

 

合唱団のメンバーに人数分楽譜をコピー…、これはNGですね。1人1部買いましょう。

イベントなどでの、『みんなで大合奏』企画。そのために楽譜をコピー…

これも、本来であればNGですよね。でも、これも少し大目に見てほしいとも思います。

もちろん、終了後に楽譜を回収するのは当然のことです。

『ご自由にお持ち帰りください』では、あまりにも著作権意識が欠如しています!



創作者に対する敬意

 

たとえば何か品物を買ったら、お金を払いますよね。

それって、それを作ってくれた人への敬意と感謝の印だと思うのです。

恩恵を受けたら対価を払う。これってあたりまえのことなのに、

楽譜やCDなんかの知的創作物の世界では、これがあんまりあたりまえではないのです!

無知もあるでしょう。甘えもあるでしょう。あるいは集団心理もあるでしょう。

『だれも制限速度なんて守ってないじゃん』…

 

書いたように、ITの世の中になって、複製がより複雑になってきたけれど、

逆にこのネットの世界を逆手に取って、たとえばコピーの楽譜を見つけたら、

いろんな団体の蔵書印があるような楽譜に出会ったら、

写メに撮ってネットに上げる、ネット告発なんてのもアリかな、とも思いますよ。

なにしろ、極端に著作権意識が欠如した団体は、社会的信頼を失うんです。

 

 

さて、みなさんは楽譜のコピー、複製をしますか?

 

 

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