見た目をかっこよくすると音もよくなるの? | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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演奏するときの姿勢,見た目,それって,音や演奏にどんな影響があるのでしょうか。

見た目がかっこよくなれば,出てくる音も良くなるのでしょうか。

 

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家,吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 

 

まずは見た目から?

 

これは前に書いたかもしれませんけど…,以前,こんなことがありました。

 

ある高校,地区の合同バンドのオーディションを受けるから見てほしいという子が。

その子はユーフォニアムなのですが,目が悪く,そのせいでとっても猫背で吹いています。

「まず見た目から。かっこよく吹いてごらん。おんなじくらい吹けたら,かっこいい人が受かるでしょ」

と言って,楽器をかまえて見せました。で,「まねしてごらん」って。

それで吹いてもらったら,音も歴然と変わったのです! とっても伸びやかな響き。

音のことなんてなんにも言ってないのに…

 

身体の使い方って大切なんだな,と実感した出来事でした。

 

 

 

でも一方では…

 

かっこよくはかっこよくでも,こんなのもあります。

 

 

生徒さん,かわいそうですよね。

 

 

金管楽器でも…

 

トランペットやトロンボーンに,「ベルを上げなさい」という指導は,

未だにあちこちで多く行われていますね。

吹いているのを見れば,どんな指導を受けてきたのかわかりますよ。

 

ベルを上げたほうがその子の角度になるのならプラスになるでしょうけど,

ムリにベルを上げて,ほんとうのその子のポジションとは違うところで吹くことになれば,

必ず身体の緊張になり,音にとってマイナスになります。

ムリにベルを上げさせられて,発音の瞬間,無意識に頭を動かして修正する子もいました。

その瞬間に緊張ができるのです。

 

いくら見栄えが良くてかっこいい姿勢だったとしても,

それが自然な身体の使い方の理にかなわないものであったなら,

音にとってかえってマイナスなのです。

 

 

 

大切なことはなんだろう…

 

かっこいい姿勢,見栄えのいい姿勢は,いい音につながる?

必ずしも,そうとは言えないわけですよね。

その姿勢,身体の使い方が,自然で理にかなったものであれば,いい音になる。

でも,自然の摂理を無視して,短絡的にかっこよさを求めたものなら,かえってマイナスになる。

これは姿勢や身体の使い方に限らず,呼吸だってそうですね。

大切なことはやっぱり,観察なのです。

 

 

観察してほしいこと

 

金管楽器なら,マウスピースだけをくちびるに当ててみて,

フルートでも,きっとほかの楽器でも歌口だけを使ってかまえてみて,

そのときの位置や角度をよく観察してみてほしいのです。

楽器でかまえた時も,それとおんなじになっていますか?

首や身体は不自然に反っていませんか?

ムリに楽器を上げようとして背中や腰や首が反ってしまっている子,とっても多いのですよ。

それ,身体の緊張=音や演奏にマイナスになります。

 

楽器の角度なんか,ひとりひとり違って当たり前です。

自然な身体の使い方って,とっても大切なのです。

そして,固定しないこと。動ける状態でいること。

 

新入生を教えるこの時期だから特に,気をつけて欲しいのです。

上級生のみなさん,そして先生も,よくおぼえておいてくださいね。