続,移調楽器 -吹奏楽の楽器たち- | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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昨日は移調楽器の記譜について書きましたが,きょうは,

ビギナーにもよく分かる,吹奏楽で使われる移調楽器のまとめです。

 

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家,吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 

 

 

吹奏楽の楽器たち

 

昨日のブログでも書きましたが,吹奏楽に使われる楽器,

打楽器やハープは別として,移調楽器ではない楽器のほうが少ないんですね。

フルート,オーボエ,ファゴット,トロンボーン,ユーフォニアム,テューバ,だけ。

それ以外は,みんな移調楽器なんですね。

その楽器の楽譜をそのままピアノで弾いたら,違う音が出てくる楽器。

ちなみにコントラバスは実音よりオクターブ高く記譜する移調楽器,

ピッコロは実音よりオクターブ低く記譜する移調楽器です。

 

 

さて,ここに『ハ長調』の音階があります。

 

 

これ,各移調楽器の楽譜で書いたらどうなるのでしょうか。

 

 

inBの楽器たち

 

inBの楽譜は調号にシャープが2つ増えます(フラットが2つ減ります)

 

・B♭クラリネット(並クラ),ソプラノサックス,トランペット

実音より1音高く書かれます。

B♭クラリネットとソプラノサックスとトランペットは,これが,ハ長調の音階。

 

 

ちなみに吹奏楽ではほぼ使われませんが,オーケストラではAクラリネットも普通に使われます。

またCのクラリネットもありますし,昔はもっといろいろあったのですよね。

トランペットも,吹奏楽だとB管ばかりですが,いろいろな調性の楽器があります。

 

 

・バスクラリネット,テナーサックス

バスクラとテナーサックスの楽譜は,実音より1オクターブと1音高く書かれます。

最初に書いたハ長調の音階は,こうなります。

 

 

・コントラバスクラリネット

コントラバスクラリネットの楽譜は,実音より2オクターブと1音高く書かれます。

ちなみに,めったに使われませんが,バスサックスも同じです。

最初に書いたハ長調の音階は…,こんなことになっちゃいます!

 

 

曲の中でいかに低い音を出しているか,ということがわかりますよね。

 

 

inEsの楽器たち

 

inEsの楽譜は調号にシャープが3つ増えます(フラットが3つ減ります)


・Esクラリネット

Esクラの楽譜は,実音より短3度低く書かれます。

最初に書いたハ長調の音階は,こうなります。

 

 

・アルトサックス,アルトクラリネット

アルトサックス,アルトクラの楽譜は,実音より長6度高く書かれます。

最初に書いたハ長調の音階は,こうなります。

 

 

・バリトンサックス

バリトンサックスは,実音より1オクターブと長6度高く書かれます。

最初に書いたハ長調の音階は,こうなります。

 

 

って,出ませんよね(*_*)

ちなみに,音符のならび方は実音のヘ音譜表と同じになりますね。わかりますか?

 

 

inFの楽器たち

 

inFの楽譜は調号にシャープが1つ増えます(フラットが1つ減ります)

 

・フレンチホルン,イングリッシュホルン(コールアングレ)

実音より完全5度高く書かれます。

最初に書いたハ長調の音階は,こうなります。

 

 

フレンチホルンとイングリッシュホルンのほかに,吹奏楽ではまず使われませんが,

バセットホルンという楽器もF管です。

ホルンと名のつく楽器ってF管が多いんですね。たまたま,ですか?

 

 

そのほかの楽器たち

 

昨日のブログでも書いたように,吹奏楽で使われる低音金管楽器,

トロンボーン,ユーフォニアム,テューバは,楽器はB管ですが,楽譜は実音で書かれます。

でもアメリカなどだと,ヘ音記号のinBで書かれることもあるみたいですね。

これ,読めませんよ(*_*)

 

テューバは,C,Es,Fの楽器もありますし,

吹奏楽ではまず使われませんがアルトトロンボーンは現在はEs管です。

もちろん基本的にはみんな実音記譜です。

 

そして書いたように,コントラバスは(コントラファゴットも)実音よりオクターブ高く記譜する移調楽器,

ピッコロは実音よりオクターブ低く記譜する移調楽器です。

ちなみにグロッケンは,実音より2オクターブ低く記譜する移調楽器です。

 

 

自分の楽譜に書いてある音は実際は何の音なのか,知っておくのって大切ですよ。