関心領域。 | 旅食遊。祈恋。

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※ネタバレあり。



これがね〜💦

見ようかどーしよーか迷ってて、自分でも見ないほうがいいと思ったのよ。


どーせはっきりした結末もなくふわっと終わるんでしょ?


でも、気になるのよ(笑)

タイトルがいいのかなぁ?
中身よりも何よりも。

ただ見に行ったらお馴染みA24という文字が出てきたからしょ〜がないかな〜、と思って(^^;💦
A24と相性が悪い、という人も一定数いるみたいなんだけど、私は相性いいんですよ。




やはりと言うか何と言うか。
ストーリーらしいストーリーはないんだよね。
アウシュビッツの所長ルドルフ・ヘス一家がアウシュビッツの隣に住んでいる、ということだけ。

一切説明なし。

私は映画見る前に考察動画を1本だけ見たけどこれが役に立った。


まずヘスが誕生日にプレゼントされたボートに乗って子供たちと出かけるんだけど、川中で骨みたいのを拾って慌てて家に戻り子供たちをゴシゴシ洗うシーン。

これは収容所で焼いたあとの灰を川に流しているから骨も流れてくるらしいんだけど、

それってお前がやらせたことやん(^^;💦

と思わず突っ込んでしまう。
ひどいことしている自覚がないんだなぁ。
それともそういう時代だったと言うことか?



それは妻のヘートヴィヒも同じで、ユダヤ人から取り上げたものがリヤカーで運ばれてくるんだけど、毛皮のコートを嬉々として着て、ポケットから出てきた口紅つけたりしてるの。

そのあとの「歯磨き粉の中からダイヤを見つけた」というのがよくわからなかったけど、
つまりユダヤ人も持ち物を没収されるということにだんだん気づき始めていろんなところに貴重品を隠したのだそう。

「歯磨き粉の中を隈なく調べてやった」
というヘートヴィヒのセリフが胸糞で、しかも、
「あとはあなたたちに全部あげるわ」
とママ友に言っているのがまたムカつく。



それから夜に外へ行ってリンゴを置いている少女。

これはアウシュビッツでユダヤ人がひどい目に遭っているということを聞きつけたポーランド人の少女が彼らのためにリンゴを置いた、という史実がもとになっているそうだ。

この役の少女はアレキサンドリアが実際使った自転車に乗り、実際身につけていた服を着ているそう。
ここのシーンは暗視カメラが使われているそうで、少女やリンゴが光っていて素人目にはなんか違和感ある。
監督の思惑としては真っ暗闇であるということを示すと共に、少女とリンゴを希望として表現したかったそうだ。

でもまぁ、後日そのリンゴがユダヤ人の間で奪い合いになりみんな処刑されてしまったと思う。たぶん。

アウシュビッツの中は一切映らないのでわからないけど。


 

ヘスは淡々と仕事をこなしているようだし、ヘートヴィヒは優雅な生活に固執する日々。
次男は塀の中の兵士の怒声をマネしたり、長男は次男を温室に閉じ込めてニヤニヤ笑っていたり。
みんな歪な成長を遂げている。

ヘートヴィヒの執着がすごい。
自分が「アウシュビッツの女王」と呼ばれていることを誇らしく語り、夫の転勤が決まった時は「一人で行って」と突き放す。
17歳の時から裕福な生活を夢見ていたそうだ。

もともと貧しい家庭で育ったのかも。
喋り方が下品だし、歩き方もガニ股みたいで品がない。



とは言えこの映画はヘス一家を糾弾する話ではない。

塀の向こうからは兵士の怒号やユダヤ人の悲鳴、銃声などが絶えず聞こえるが、家族は誰も気にしていないのが怖いんだよね。

一人だけここを去っていった人物がいるが、それがヘートヴィッヒの母親。
夜も燃えさかる焼却炉を見て思い悩んでいたようだったが、ある日いなくなっていた。
ヘートヴィッヒに置き手紙を残しているが、それは視聴者には明かされていない。

だからと言ってヘートヴィッヒの母親が清廉潔白かというとそんなことはない。
以前家にいたユダヤ人の使用人が捕まったあと家のものが競売にかけられた時、
「カーテンが欲しかったのにほかの人に取られてしまった」
と平然と話していたからだ。




私はアウシュビッツに行ったことがあるんだけど、正直虐殺の悲惨さを感じることができなかった。

建物はレンガ造りの普通の建物で特に特徴はない。
ガス室とか焼却炉にも入ったが、重苦しい空気を感じるということもなかった。
一棟、人体実験が行われていたという建物が怪しい気がしたが、そこは閉鎖されていて入れなかったしね。

それで思ったのは、外人は原爆ドームを見ても何も感じないのではないか?
と言うこと。
私たちはあの建物の向こうに黒焦げのタヒ体と血の川を見ているけど。

外人は黒焦げのタヒ体の山を知らないから。

当時の大統領アイゼンハワーがヒロシマとナガサキの惨状を見て3発目落とすの止めた、という噂もあるらしいしな。




ジョナサン・グレイザーは映画監督としては製作数も少なくあまり有名ではないが、ジャミロクワイのMVで有名なのだそう。

またこの作品はアカデミー賞音響賞を受賞しているが、音楽と言えるものはない。
全編に渡って兵士の怒鳴り声、囚人の悲鳴、銃声が遠くに聞こえる。
そのほかは予告編を観てもらえればわかるけど、不気味な音が流れているだけ。

音楽担当のミカ・レヴィはかなりの曲を作ったそうだけど、監督は敢えて使わなかったそうだ。

そしてヘートヴィヒ役のサンドラ・ヒュラー。

この人は『落下の解剖学』にも出演していて、こちらもアカデミー賞主演女優賞にノミネートされている。
ナチス関連の映画には出演したくないと最初は断っていたが、脚本を読んで出演を決めたそう。

カメラワークの話もしたいですが長くなるのでこの辺で。


エンタメではないので見る人を選ぶと思いますが、アカデミー賞国際長編映画賞を取った作品なので見るかどーか迷ってる人は勇気を持って行ってみては?(笑)





『関心領域』予告編。👇👇👇

ジャミロクワイ。”Vertual Insanity" 👇👇👇