村田さんの声で気を取り直した僕はとにかく"蹴ろう"‼️
そう思って左ミドルを連打しました。
そうするとバンバン澤田選手の右腕に当たって徐々にこっちにペースが戻ってきました。
やっぱり心の通じたセコンドって大事だしセコンドの声を冷静に聞くって本当に試合の勝敗を左右するなって改めて思いました。
戻ってきたペースを確かなものにする為にさらに蹴り続けましたが澤田選手も心が折れない💦
ずっと圧力かけ続けてきます･･･
とにかくこの辺りは心の削り合い、体力の削り合いでした。
本当に本当に苦しい時間でした。
3Rが終わった時点で僕ははっきり【負けてる】
そう思いました。
タイトルマッチは5R。
NJKFはここで採点の途中経過が出ます。
負けてると思ってた僕にここで光が差します。
途中経過1人目･･･
30-29 澤田
やはりと思いました。
2人目･･･
30-29 大輔
え？僕に入ってる？
3人目･･･
30-28 大輔！
2ポイントも差を付けて僕が勝ってる！
正直驚きましたがジャッジの皆さんには僕が勝ってるように見えてるんだ･･･よしやるぞ！
と･･･折れかけた心と切れかけたスタミナを戻す努力をしました。
そして4R目･･･
僕も物凄く疲れてましたが僕以上に澤田選手の疲れが目立つ様になってきました。
練習量、そしてキツいことは絶対相手よりやってきたと自負してた僕はここで勝負をかけます‼️
1Rからずっと振っていた三日月蹴りをしつこく蹴り続けここでやっと効いた！と手応えのある一発が入りそのまま膝を刺して澤田選手ついに体を丸めました‼️
そこからはもう、必死、無我夢中でした。
肘、膝をとにかく必死に振り続けました‼️
そして遂に･･･
｢ダウーン‼️｣
レフェリーがダウン宣告‼️
ここで澤田選手からスタンディングダウンを奪いました。
その後再開してからの記憶は必死すぎてあまりありません。
そして最終5R･･･
ポイントでは勝ってるので正直もう流そうと思ってました･･･
でも開始と同時に誰かに行け～‼️と煽られ結局倒しに行ってました💦笑
その声の犯人は未だに分からずじまいです(笑)
とにかく最後まで前に出続けました。
澤田選手も必死でした。
向こうの地元の埼玉、向こうのジムの主催興行‼️
必然的に"澤田コール"が起こりました。
でも全国から来てくれてたTRASHの応援団は全然負けてなかったんです‼️
相手の澤田コールに･･･
｢だ～いすけ‼️だ～いすけ‼️｣
と"大輔コール"で対抗してくれました･･･
もうどっちがホームか分からないくらいの声援をもらいました‼️
その声に後押しされて最後の最後まで戦い抜きました。
そして試合終了のゴング‼️
コーナーに帰ると僕は倒れ込んでしまいました。
もう立てられないくらい全てを出し切りました。
そして判定結果･･･
1人目･･･
49-46 赤 大輔‼️
あと一人僕に付けてくれればチャンピオン･･･
2人目･･･
50-46 赤 大輔‼️
そのコールがあった瞬間僕の勝利が決まりました。
チャンピオンです‼️
（ちなみに3人目は50-47で僕でした）
もうその瞬間･･･一瞬腰が抜けました。。
それと同時に涙が溢れ出てきました。
27歳でキックボクシングを始めて29歳でプロデビュー。
最初は全然勝てませんでした。
何度も何度も辞めようと思いました。
実際キックボクシングから離れた事もありました。
その度に色々試行錯誤して考え練習して少しずつ少しずつ前へ進んで行きました。
とにかくキックボクシングが下手くそで弱くてセンス無くて覚えも悪くて本当に良い所が無かった。
そんな僕に出来ることは1つしかなかった。
練習
それだけしか出来なかった。
練習だけは他の誰よりもやったし他の誰よりも長くやった。
前のジムでは半笑い顔で｢凄いね～笑｣｢ストイックだね～笑｣｢何を目指してるの～笑｣と言われた事も1度や2度ではありませんでした。
それでも僕はやり続けました。
ずっとそんな目の中で1人練習し続けました。
1人叫び声を上げながら蹴り続けました。
一緒に練習してた奴もいましたがみんな練習についてこれず辞めて行きました。
そんな中、最後まで付いてきてくれたのが村田さんでした。
最後まで一緒に夜中まで練習してくれたのが村田さんでした。
その人の一声で今回の試合は自分を取り戻せました。
全てがこの日の為の"必然"だったと思わざるを得ません。
・
・
・
話しを戻して･･･
判定結果で僕の勝利を告げられチャンピオンに。
いよいよベルトを巻いて貰う瞬間がやってきました。
僕はNJKFの理事長を目の前にして･･･
｢うぉ～～～‼️｣と泣き叫びしてました💦
そして念願だった日本一の団体NJKFのチャンピオンベルトを腰に巻いてもらいました。
第7代 NJKF スーパーフェザー級チャンピオンです。
似合わない。
笑
まだまだこのベルトに見合う選手には到底なれてないので当然ですね💦
その後は応援に来てくれた人達にリングに上がってもらい･･･
後はとにかく泣きました。
そしてチャンピオンになったら絶対やりたかった応援に来てくれた人達とのリングでの記念撮影。
この瞬間の為だけに頑張ってきたんじゃないかと思うほど最高の至福の瞬間でした。
今回、間違いなくこのみんなの声、応援が無かったら負けてました。
心が折れそうな度にみんなが大きな声で応援してくれました‼️
本当に大きな声で･･･
その度に持ち直せて5R戦い抜いてチャンピオンになれました。
自分の為、ベルトを誰かに自慢したい･･･
昔の僕はそう思ってました。
多分昔の僕だったら負けてました。
でもこの日の僕は･･･
応援に来てくれた人の為、広島で僕の勝利の報告を待ってる人の為、TRASHのKidsの為、ずっと練習に付き合ってくれてた仲間たちの為に戦えました。
ベルトも自慢したい気持ちなんか1mmもありませんでした。
ただただみんなに"見せてあげたい"
その気持ちだけで戦ってました。
だからこそ勝てたんだと思います。
たくさんのありがとう。
感謝しかなかった･･･
（続く）
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