第2章 都市のサラリーマンという生き方 | 怠け者のつぶやき

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今まで勉強してこなかった怠け者が
今更だけど本でも読もうか、ってことで色々と
本を読んだりニュースを気にしたりしてつぶやいてます。

 第一次世界大戦と関東大震災の後に日本は大衆化が進んでいく。都心は壊滅的なダメージを負ったため、郊外と都心を結ぶ私鉄が発達していく。私鉄は沿線に住宅を建て、さらに利用客を増やすために遊園地や行楽地等の開発を進めて行った。これによって現在にもつながるベッドタウンから仕事場へ向かうサラリーマンという生き方が始まる。また都内では丸の内のビル街を中心に復興が始まり、女性が働く事が増えて行った。

そして様々な大衆化が始まって行く。その中でも特筆すべき物は、ラジオと小説である。関東大震災後、新聞が復旧すると淘汰が起こりながらも発行部数を伸ばしていく。夕刊では小説が載せられるようになり、四コマ漫画も掲載されていく。菊池寛は当時小説を読む事はないとされていた女給にも読まれるようにしたい、と言う事で文藝春秋を創刊する。当時は小説家のゴシップ等も掲載されていた事もあり、小説は誰もが読む様になる。さらに岩波文庫や新潮文庫など今にも繋がる文庫本の発売や、安く小説が購入できる円本等も発売され、大衆化が進んでいく。ラジオは常に国から規制が掛った状態であったが、それでも流れるスポーツや音楽は人々に多く聞かれていた。

大衆化が進み、都市に人が流れた流動性の高い社会は、個人の意見が拡散していくか、統一を図るかどちらかに動いて行くこととなる。そこで拡散して行ったのが米英を中心とした欧米であり、統一をして行ったのが、ドイツや日本であった。日本は天皇を中心とした家族主義が主流であったため、このようになる事が一番容易であった。