グリム童話11 おやゆび豆助の旅 | 怠け者のつぶやき

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ある仕立て屋に、息子が一人いたが、その息子は生まれつき大変小さく、親指ほどの背丈しかなかった。名前はおやゆび豆助と名付けられた。
 豆助は旅に出たいと親に言うと、父は剣の代わりに針を、母は食事を作ってくれた。所が豆助は食事が気になり鍋を除くと、湯気に乗せられて煙突から外に出てしまった。
 地上に降りてから、豆助はある親方に雇われたが、食事があまり良くなかったので、木を言うと、おかみさんにつまみ出されて追い出されてしまった。
 それから豆助は、次に大きな森に差し掛かると、賊の群れに遭遇した。賊は王様の宝物を盗み出す相談をしていたが、豆助を見かけると、使えると考えた賊は豆助を誘った。豆助はこれを受けた。

 豆助は宝の倉にやってくると、なんとか入れる隙間を見つけた。中に入ると、1ターラー銀貨を窓から放り投げる。途中歩哨がやってきたが、隠れた豆助を見つける事はできなかった。しかし銀貨が少なくなっている事には気付いた。
 歩哨が出て行ったので、また豆助が銀貨を放り投げていると、その音を聞いた歩哨が戻ってきた。しかしまた豆助を見つけられないため、豆助は歩哨をからかった。そして歩哨達の目を盗みながら銀貨を全て放り投げしまい、最後の1枚には自分も乗って外へ飛んで行った。
 仕事が終わると賊から親分になってくれないかと言われたが、豆助はそれを断った。そして自分の取り分として、1クロイツァーの銅貨を望んだ。豆助にはそれ以上は持てなかった。

 その後豆助は2、3の親方の所で雇われたが、どれも性に合わず、とどのつまりある宿屋の使用人として働いた。豆助は女中がこっそりやった事を、本人には分からないところで見て、告げ口をするので嫌われていた。女中たちは、いたずらで豆助を草と一緒に食べさせてしまった。
 奇跡的に豆助は傷一つ付かなかったが、真っ暗な牛の胃の中にいる事になった。すると外から、牛の乳を搾る音が聞こえてきた。その後、主人がこの牛を殺すという声が聞こえた。豆助は助けを呼んだ。主人に声は聞こえたが、豆助がどこからこの声がするかわからなかったので、そのまま牛を殺してしまった。
 牛を細かく切ったものの、豆助は運よく刃先が触れなかった。しかし今度はソーセージにする肉と一緒にされてしまった。

 燻製にされて冬を越し、テーブルに出された所でようやく出られた豆助は、また旅に出る事にした。すると今度はキツネに捕まった。豆助は食べられない様にキツネを説得すると、キツネは豆助の父の鶏を全部ほしいと言った。

 父は豆助を見ると、ありったけの鶏をキツネにくれてやった。豆助は「その代わりに、立派なお金を持ってきた」と言ってクロイツァー銅貨を父に渡した。それは鶏を上げた分と比べてあまりに小額であったが、息子が帰ってきた事を喜んだ。

感想
 豆助はあまり良い性格とは言えない。人をからかったりする性格で、こっそり見ては告げ口をする。仕事は性に合わずすぐに辞めてしまう。でも父母からしたら大切な息子であり、何をもってしても守りたいものだったのでしょう。牛の腹の中に入ってからは運が良すぎだとは思いますが。