第1回イライラを放置すると、心が疲れてしまう

第2回イライラを抱えたままにすると、体が悲鳴をあげる

イライラの心と体の影響について触れてきました。

 

イライラが続くと、人との関係もぎくしゃくしていきます。 

家族にきつく当たってしまったり、 

仕事で感情的になって後悔したり……。 

誰もが経験したことがあると思います。 

 

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私自身、子育て中はいつもイライラしていました。

子どもは、私の顔色をうかがって、「お母さん怒ってる?」とききます。

「怒ってないわよ!プンプン」と言い返してしまって、私はハッとしました。

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優しさが伝わらなくなる瞬間 

本当は「わかってほしい」「大切にしたい」と思っているのに、 口から出る言葉はついトゲのあるものになってしまう。 

そして、「あの人は怒ってる」「怖い」と誤解され、 距離を取られてしまうこともあります。 

その結果、孤独感や虚しさが増し、 さらにイライラが募るという悪循環に陥ってしまうのです。

 

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夫は忙しく、出張も多くて、

子育てのことを相談しようにも「お前に任せた」と言って、話もきいてくれない。

私の心はいつも孤独でした。

いつの間にか、夫との間にも距離ができてしまっていました。

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怒りの奥にある“本当の感情”を見つめる 

心理学では、「怒り」は“第二の感情”と言われています。 

その奥には、悲しみ・不安・寂しさ・無力感など、 もっと繊細で vulnerable(もろい)感情が隠れています。 

 

「どうして私ばかり…」

 「ちゃんと見てほしい」 

そんな “心の声” を聞かずにいると、 イライラはどんどん大きくなってしまいます。 

 

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私は、本当は、本当は、夫に、

「話をきいてほしい」

「心に寄り添ってほしい」

「もっと優しくしてほしい」

そう思っていました。

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「怒る」という表現をとるのは、それ以外に気持ちを伝える方法を見失っているから。

怒りとは、届かない悲しみの裏返しなんです。

 

 

イライラは敵ではなく、あなたの中の「助けて」の声。 

その声を受け止めることが、癒しのはじまりです。

 

 

 

次回は、その怒りの奥に隠れている「本当の気持ち」を、どうやって見つけていけばよいのかをお話ししますね。

 

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。