前回、イライラを放置すると、心が疲れてしまう、イライラの心の状態について書きました。

 

イライラは、心だけでなく体にも大きな負担をかけます。 

 

怒りを感じた瞬間、体の中ではストレスホルモンであるアドレナリンやコルチゾールが放出され、 血圧や脈拍が一気に上がります。 

これは一時的な防御反応としては必要なもの。 

でも、慢性的になると、体をじわじわと蝕んでいきます。 

 

 

 

 

イライラが続くと起こる身体の変化 

・高血圧・動脈硬化・心疾患リスクの上昇  

常に血圧が高い状態が続くと、血管の内側が傷つきやすくなります。 

 

・免疫力の低下  

コルチゾールが多く分泌され続けると、免疫細胞の働きが弱まり、風邪や感染症にかかりやすくなります。 

 

・消化器のトラブル  

胃酸過多・便秘・過敏性腸症候群などが起こりやすくなります。  

イライラしていると「胃が痛い」「お腹が張る」というのは、体の正直な反応です。 

 

自律神経の乱れによる不眠や頭痛、肩こり  眠っても疲れが取れない、朝からだるい、という方は要注意です。 

 

 

 

 

体は「心の鏡」 

私が診察室で患者さんとお話していると、「最近、体調が優れない」という方の多くが、実は心のストレスを抱えています。 

「怒り」は外に出すか、静かに受け止めない限り、体の中に残ります。 

そして、それが少しずつ“症状”という形で現れてくるのです。 

 

 

 

体が発しているメッセージに気づく 

体の不調は、「もう無理をしないで」という心の声でもあります。 

だからこそ、「我慢強い人ほど注意が必要」です。 

 

どうか、ご自身の体にやさしく耳を傾けてくださいね。 

イライラは、体からの“休息のサイン”でもあるのです。 

 

 

次回は、イライラが人間関係にどんな影響を与えるのか、 そして、それをどうやって癒していけばいいのかをお伝えします。

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。