昨日、義母の事について書きましたが、

何が正しいか、間違っているかと
結論が出ることではないけど考えるきっかけになりました。


NHKスペシャルの取材班がまとめた
『老後破産-長寿という悪夢-』という本があります。


100歳まで生きることは素晴らしい?
長く生きることは本当にいいこと?


お恥ずかしい話ですが、実は
義父は脳出血で寝たきりとなり、会話もできません。
胃瘻で命を長らえている状態です。

突然倒れたので、財産がどれくらいあるのか、通帳の管理なども
お墓を買ったと言っていたがどこにあるのかも全く分からない状態です。

数年前から義父の施設の費用、入院費を主人(息子)が払っています。
年間数百万を負担しています。


自分たちの老後のお金はどうする?
いくら貯めていたら安心なのか?先が見えない状態です。
命の選択は難しい問題


そのため、
外来に来られる75歳以上の患者様には
ちゃんと遺書、終活、エンディングノートを書いておいてと伝えています。


 

延命措置をするのかしないのか、それを家族にもちゃんと意思表示をしておいてねと。

迷惑をかけることが悪いと思っている人が多いですが
私は迷惑をかけるのが悪いとは思いません。
お互い様ですし、もちつもたれつなので。


生き様、死に様を自分で選ぶ

生きているうちに、できることをやっておく
決めてないから周りが困るのです。


外来に来られる患者様に
「お迎え来んかな」「早よ、死にたい」「もう充分生きた」と言われる方がいらっしゃいます。

もちろん本気で言っていないと思いますが、そういう方には、

「早く死にたいなら、倒れた時に救急車呼んじゃダメよ。
救急車呼んで病院に搬送されたら、身体中管だらけになって、助けられてしまうから。
また生かされてしまうよ。


家の中で死んでもいいじゃない。家族に看取ってもらったらいいじゃない。
昔はそうだったでしょ。後で警察がくるけど。」

半分冗談で半分本気。


時々、警察から連絡があります。
「お宅に通院されていた○○さんが自宅で亡くなられていました。病名を教えてください」と。


早く死にたい、迎えが来て欲しいというなら用意をしておく必要があります。


元気なうちに死に様を自分で選択する。

準備をしておいてください。

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
愛媛県松山市在住

30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。