2024年10月~12月には以下の映画を観ました。
評価は★5つが満点。☆は0.5点。
1. 「沈黙,愛」(2018年 韓国) ★★
監督:チャン・ジウ
キャスト:パク・シネ / チェ・ミンスク
●寸評
謎解きの道具立ては大がかりだが,ほとんどリアリティがない。
2. 「ある閉ざされた雪の山荘で」(2024年 日本) ★☆
監督:飯塚健
キャスト:重岡大毅 / 中条あやみ
●寸評
謎解きの面白さもなければ人間洞察の深さも感じられない映画。三層構造というのもずいぶん薄っぺらい。
3.「福田村事件」(2023年 日本) ★★★
監督:森達也
キャスト:井浦新 / 永山瑛太 / 東出昌大 / 田中麗奈
●寸評
期待したほどの映画ではなかった。啓蒙的な意味はあるとは思うが,人物造形が善悪を基準として類型化されすぎていて,映画としての深みに欠けると思われた。事件が起こるまでの描写が長すぎるし,そこで描かれている福田村の閉鎖性があの事件の背景であると言うのであればそれも類型化された捉え方でしかない。
4. 「君たちはどう生きるか」(2023年 日本) ★★★
監督:宮崎駿
●寸評
タイトルの「君たちはどう生きるか」に対して「私はこう生きた」という宮崎駿の告白映画。感想としては「そうですか」としか言いようがない。
5. 「評決のとき」(1996年 アメリカ) ★★★
監督:ジョエル・シュマッカー
キャスト:マシュー・マコノヒー / サンドラ・ブロック
●寸評
アメリカ南部,ミシシッピ州における黒人差別問題を扱った映画。このテーマを扱うことはいいのだが,裁判にも差別問題にもあまり説得力が感じられなかった。
6. 「告発の行方」(1998年 アメリカ) ★★☆
監督:ジョナサン・キャプラン
キャスト:ジョディ・フォスター / ケリー・マクギリス
●寸評
ひと言で言うと「正義は勝つ」という内容の映画。
7. 「インサイダーズ・内部者たち」(2016年 韓国)★★★☆
監督:ウ・ミンホ
キャスト:イ・ビョンホン / チョ・スンウ / ペク・ユンシク
●寸評
韓国の政界,財界,メディアの癒着とそれに対して復讐をする男(たち)を描いた映画。ラストに二転,三転のどんでん返しがあるが,評判ほどの見事さではない。
8. 「アンテベラム」(2020年 アメリカ)★★★
監督:ジェラルド・ブッシュ / クリストファー・レンツ
キャスト:ジャネール・モネイ
●寸評
映画のテーマは冒頭のフォークナーの言葉に集約されている。そのこと自体は確かにその通りなのだが,エンタメ作品として仕上げるのなら,どんでん返しにもう少し工夫を。
9. 「野火」(1959年 日本)★★★☆
監督:市川崑
キャスト:船越英二 / ミッキー・カーチス / 滝沢修
●寸評
戦争の悲惨さはそれなりに伝わってくるが,全体としてやや焦点がぼけている気がする。大岡昇平の原作は未読だが,原作を読んで比べてみたい。
10. 「昼下がりの情事」(1957年 アメリカ)★★★★
監督:ビリ-・ワイルダー
キャスト:オードリー・ヘップバーン / ゲイリー・クーパー
●寸評
プレイボーイの裕福なビジネスマンと恋に背伸びをしている少女とのラブコメディー。いくつもの軽妙な会話と洒脱なシーンはさすがにビリー・ワイルダーといったところ。ラストシーン,オードリー・ヘップバーンのいじらしさに少しホロっとさせられる。
11. 「マグノリア」(1999年 アメリカ) ★★★
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
キャスト:ジェレミー・ブラックマン / トム・クルーズ / メリンダ・ディロン
●寸評
LAに住む関わりのない人たちのある1日を描いた映画で,ラストに向けてそれらの人たちがつながってくるのだが,その繋がり方ってあり?と思わせる点で,あまりおもしろくなかった。大量のカエルが空から降ってくるエンディングは?の一言。観る人によって評価が極端に分かれる映画だと思われる。
12. 「ディアハンター」(1978年 アメリカ) ★★★★
監督:マイケル・チミノ
キャスト:ロバート・デ・ニーロ / クリストファー・オーケン / メリル・ストリープ●寸評
公開当時劇場で観てから4回目の鑑賞。最初観たときにはこの映画の世界観に反発を覚えたが,その後,私の中で評価が変わった。ベトナム戦争に赴いた3人の陽気な若者たちが,戦地での過酷な体験によって心身ともに傷つく姿を描いた反戦映画。ロシアン・ルーレットのシーンは有名。冒頭からの1時間に及ぶペンシルヴェニアでの結婚式のシーンはやや冗長な感じがしたが,見終わった後の感想としては戦地との対比を描くのに必要だったと納得。そのシーンで出てくるベトナム帰りのグリーンベレーの男のセリフが生きている。
13. 「白ゆき姫殺人事件」 (2014年 日本) ★★★
監督:中村義洋
伽首都:井上真央 / 綾野剛 / 菜々緒 / 蓮佛美沙子
●寸評
“美人OL殺人事件”が起こる。無責任なテレビ報道とSNSによって同僚の地味なOLが容疑者に仕立てられるが,真犯人は被害者の後輩OLだった。この映画は容疑者と疑われたOLと知り合いであるいろいろな人の「証言」によって冤罪が作られるが,そのOLが犯人でないことは途中でほぼ分かってしまう点にミステリーとしての面白さが半減。かといって,メディア批判も中途半端。"
14. 「PERFECT DAYS」(2023年 日本) ★★★★☆
監督:ヴィム・ヴェンダース
キャスト:役所広司
●寸評
一見,淡々としているように見える主人公・平山の日々の生活の繰り返しを極力セリフを押さえて役所広司の表情と仕草で表現する中で,彼の現在の心境と,そこに至るまでの過去を観客に伝える演出と演技力は秀逸。本年観た映画の最高の作品。
気がつけば10月2日に映画の感想を書いて以来ほぼ3カ月になる。いくつかの作品については途中まで書いたのだが,結局,うまく表現することができずに挫折。それで,思ったことは私には映画の批評を書く能力が不足しているのだろうということ。というわけで,映画の感想文は前回の「Winny」で終了することにいたしました。来年からは観た映画の報告ということで,今回のように月に1回程度の割合で寸評を書いていくことにいたします。
ご訪問くださった皆様,よいお年をお迎えください。