ダンサーさんトレーニング | PHYSICAL TRAINER KAZUHIRO OFFICIAL BLOG

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プロアスリートから一般の方のフィジカルトレーニング方法、栄養管理、身体のメンテナンス法など、
トレーニングに関する様々な情報を配信してまいります!

毎週水曜日は朝一から千葉・習志野で

トレーニングサポートをさせて頂いているプロダンサーさんとトレーニングを行なっています。


今日は、そのトレーニングの一部をご紹介させて頂きます

「ダンサー」ですから、トレーニングと言っても、例えばプロレスラーやラグビー選手の様な

重たいウェイトを使用してマッチョな体にするような事は殆ど行いません。

大前提は。。。

・「体軸をぶれずに安定させ、且つ関節可動域を大きく使いしなやかに動ける体作り」
そして
・「正しいキネティクチェーン(運動連鎖)を行える動きの習得」
です

トレーニング内容はその日によって、ダンサーさんのコンディションを考慮し決めて行くのですが、

毎回特に重要視しているのは、

「体幹(コア)の強化」と「各関節(特に脊柱・股関節・肩甲帯)の柔軟性アップ」です。

ここ数年「体幹トレーニング」と言うものが一般の方々にも浸透している位メジャーなものになっていますが、

「体幹を強化」しただけでは、高いパフォーマンスを発揮するにはまだ足りなく、

更に全身の各関節が適度に柔軟性を持ち、正しいキネティクチェーンが行われる事が
大変重要だと言うのが私の持論です 


特にダンサーさんには、重いものを持ち上げたり、強い力で打撃を行うようなパワーはそれ程必要では無い為、

「全身を、軸をぶらさずにしなやかに動かす」と言うスキルが非常に重要になってきます。




今日はその中で、

「全身のバランス強化と脊柱の回旋運動の強化(柔軟性アップ=可動域アップ)」

を目的としたトレーニングを一つご紹介させて頂きます。



このトレーニングは、ピラティスの「シーティッドツイスト」
と言うエクササイズを
私が独自にアレンジしたものです。

両膝立ちでバランスボールの上に乗り、
両腕を肩の高さで横に伸ばし(30°前 )

上半身を左右に回旋させます

<POINT!>
不安定なバランスボール上でもしっかりと全身を安定させ
体軸がぶれない様に上半身を回すのですが...

まずボール上でバランスを保つには、下半身の筋群をしっかりと使う事が重要なのですが
その大前提として「体幹:特に腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群など」の深層筋を収縮させる事が大事で、この部分が機能していないと、幾ら下半身が頑張っても上半身が不安定になってしまうだけでなく、上記の体幹の深層部が機能する事によって下半身への負担も軽減されます。
※腹筋下部と骨盤底筋郡は大腿部内転筋群とも連動していると言われてます。

更に...

上半身を回旋と言う動作は実際には脊柱が回旋運動を行なっているのですが、
脊柱=頚椎・胸椎・腰椎・仙椎・尾椎のうち
主に胸椎と腰椎を回旋しています。

但し...

その胸椎と腰椎の回旋可動域を考えて見ますと
文献にもよりますが、
胸椎 : 35°位
腰椎 :  5°位

と言われてます。

 実際には「腰椎は」殆ど回旋してません。
逆に、腰椎は骨盤と共に安定させ、その上・下にある胸椎と股関節がより効率良く動く(機能)する為に働く部分になります。
そしてその「腰椎・骨盤」が安定出来る為にその周りにある「腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群など」の体幹の深層筋の正しい機能が重要になってきます。 

これは脊柱の回旋運動がその動きの中にある、野球・ゴルフ・フィギアスケートなどでも同じで
良くゴルフなどで「腰を回せー!」と言う指導法を聞きますが、
これは実際には腰椎自体は殆ど回旋しておらず、
骨盤自体は、股関節の上で回っており(股関節の外・内旋運動)

また、上半身においては、
骨盤と腰椎は安定し、その上にある胸椎が主に回旋して上半身は回っています。

 

上記のトレーニングは非常に強度の高いものになります。
実際に行う際には、必ず専門の指導者の元で実施して下さい。

ある機能解剖学の理論の一つに
「Joint By Joint Approach」
と言う考え方があります。

人間の体は
足関節 Mobility
膝関節 Stability
股関節 Mobility
 腰椎  Stability
  胸椎  Mobility
 肩甲骨 Stability
肩甲上関節 Mobility
 肘関節   Stability
  手関節   Mobility

※Mobility = 可動性
※Stability = 安定性
(この理論の詳細はまたご紹介させて頂きます)

と言うものですが、
この理論から言ってもやはり
「腰椎・骨盤」=安定性の関節
「股関節・胸椎」=可動性の関節
と言えます。

上記の理論は私が世の中に人々に広めている「PHI Pilates」の考え方の一つでもあります。

人の体は本当に奥深いですが、
「強化する部分」と「柔軟性をアップさせる部分」を
正しく考えてトレーニングし
且つ正しいキネティックチェーン=使い方を身に付ける事が
選手のパフォーマンスアップや一般の方々の怪我をしにくい体作りの条件の一つだと言えると思います。




大分長くなってしまいましたが、
また次回他のトレーニング方法もご紹介させて頂きます。