『徒然草』  | 「とれいん・トレイン」

 

 

つれづれなるままに

日暮らし硯に向かひて

心にうつりゆく由なしごとを

そこはかとなく書き付くれば

あやしうこそもの狂ほしけれ 

 

 

 

有名なこの一節、

中学、若しくは高校時代の古典の時間に

耳にした方も多いことでしょう。

古典の時間は、

つれづれなるままに(?)眠くなってしまった経験が

おアリの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私も、そのうちの一人です(^^ゞ。

 

 

作者は吉田兼好。

鎌倉時代 末期から南北朝時代 にかけての、

官人 ・遁世者・歌人 随筆 家。

出家をしたことから、兼好法師と呼ばれ、

中学校の教科書ではすべて『兼好法師』と表されているそうです。

(中学校を卒業してから随分と時間が経っておりますため、

記憶は薄れ、かつ、未確認ではありますが・・・・。)

 

 

「つれづれなるままに~」で始まる通り、

どうしたらよいか、何かしなければならないけれど

何をすればよいか分からない、

その気分を紛らわすために書かかれた、

序段を含めて244段から成る、日本三大随筆 の一つです。

(ちなみにあとの二つは、

清少納言の『枕草子』鴨長明の『方丈記』です。)

 

 

内容は、

兼好法師の思索や雑感、逸話を通じて

いかに生きるかを探求するもので、

現代にも十分に通じるものであります。

 

 

例えば、

「つれづれなるままに、日暮らし・・・・」で始まるこの序段。

 

「一日中机に向って心によぎる気まぐれなことを、

なんのあてもなく書き付けてみる。すると、

しだいに現実感がなくなって、何だか不思議の世界に

引き込まれていくような気がする。

人から見れば狂気じみた異常な世界だろうが、

そこでこそ本当の自分と対面できるような気がしてならない。

人生の真実が見えてくるように思えてならない。

独りだけの自由な時間は、そんな世界の扉を開いてくれる。」と。

 

自分を見つめ直す再発見の道について語ったこの序段。

現代の書籍においても多く見られるものです。

 

 

そして、続く第1段。

「人間世界に生まれたからには、

誰しも様々な欲望にとりつかれているようだ。

その中でも一番ほしがるのは、

富と権力を約束する地位だろうと。」と。

人間の欲望を照らし出して、

そこから人間というものを捉えなおさないと、

この世の真実は分からないのだと考えを明らかにし、

出世の本道について述べています。

 

 

また、第233段には、

“社交の極意”が書かれています。

「人づきあいの“こつ”は、誠意を持って事にあたり、

相手に不快感を与えないこと。」と。

 

まさに、マナーですね!

 

 

マナーと言えば、第56段においは、

会話のマナーについて言及がなされています。

そこで大切なのは、個々のルールを云々するのではなく、

相手の気持ちを思いやること、

いくら学があっても、この思いやりがない人間はだめだと、

兼好法師は言い切っています。

 

 

他には、

「うそ」の分析(第73段)、

ペット飼育批判(第121段)、

京・関東の比較論(第141段)

飲酒論(第175段)、

さらには、女性の色香の威力(第8段)についてなど、

多岐に渡ります。

 

 

 

これらを原文のまま読むことは、

外国語を読むに匹敵する困難さがあります。

しかし、内容は現代人の私達にとって

理解し易いものばかりですので、

是非とも一読されることをお薦めします。

現代語訳版はたくさん出版されていますので、

ご自分にあった、『徒然草』を見つけてみてください。

そして、『つれづれ』の時間を確保できれば、

人生がより豊かになる・・・はずです♪