さて、軽登山靴をゲットして勢いでセパレートタイプの雨具まで買ってしまったわたしたちが最初に目指した山は、たぶん箱根の金時山だったと思います。

箱根登山鉄道の終点、強羅からバスに乗って乙女峠の登山口へと。
歩き出して最初に驚いたのは、登山道を覆い尽くす高さ5cmくらいはあろう霜柱群です。
日の当たらない杉林の中、まだ気温も上がらない朝で、踏み跡もないまっさらな霜柱をザクザク踏んで歩く感触も軽登山靴ならでは。
やがて杉林を抜け今度は落葉樹の中、落ち葉を踏みしめて歩くのも気持ちがいいものです。
30分ほど登ると乙女峠に到着。突然、目の前が開けて初めて見る大きな富士山の姿は感動ものでした。
と、ここまではとても快適な山歩きだったんですけど、ここから先の尾根歩きが大変!すでに陽は高く昇り、むき出しの土の登山道はもう泥ッドロなのです。
靴裏の凸凹が泥をしっかりホールドしてくれて、滑ることはないけれど、雪だるま、いや泥だるま状にみるみる靴底が分厚く重たくなって行くんです。
何度も立ち止まっては泥を落とし、汗を拭いたり上着を脱いだりしながら歩いていくうちに岩の多い急登になってきたなぁ、と思ったら上の方から聞こえる賑やかな声。
遠足らしい小学生の集団が下山してきたんですね。

「山道ですれ違うときは登りの人が優先」というルールに従い、小学生はみんな立ち止まってわたしたちが登るのを待ってくれています。
「山道ですれ違うときは、こんにちは!」という素敵なルールに従い、全員が「こんにちは!」って言ってくれます。

所々岩につかまり急な山道を登りながら、わたしは5~6人に一回くらい挨拶を返すのがやっとでした。
こんにちはぁ…って、息切れたぁ。

頂上もかなり人が多かったけど、ベンチでゆっくりお弁当を食べられて満腹&満足。
しかし意外と風が冷たい山頂での大休止に体が冷えたのか、下山の時は膝が痛くなってしまい、後日サポーターと山用の股引を購入する羽目に。
なんとか金時神社まで下りてきて、バス通りを仙石まで歩いて戻りました。
今はどうか知りませんが、この道が狭くて歩道もなく大型トラックや観光バスがかなりのスピードで走っていて「ここでひき逃げ事故を目撃した方は…」
なんていう看板もあったりして、この山域で唯一命の危険(?)を感じた場所でした。

仙石からバスに乗る時も靴の泥は落としたつもりだったけど、車内の通路が泥で汚れてしまい、運転手さんから苦言を頂いてしまいました。
これからは換えの靴も持って行かなくちゃ!という具合に、山の荷物はだんだん増えていくのです。