学術論文と臨床の違い | とよしま鍼灸院 鍼灸ブログ

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石川県能美市で妊活さんなどへの鍼灸を行なっている、とよしま鍼灸院 院長のブログです。日々の活動などの緩い記事はこちらで書いています。

当院では高齢者の来院が比較的少ない鍼灸院です。

そんな中、高齢者の腰痛についての気づき。

 

高齢者の腰痛については、東洋医学的経穴に施術した群とトリガーポイントを施術した群との比較研究で、後者(トリガーポイント)を施術した方が効果は高いという結果がでています。

明治の伊藤先生の報告です。

 

これを踏まえての症例。

 

初鍼は1ヶ月前。

 

引っ越し作業や庭木を植えるなどをおこなったところ背中のスジが痛くなったということで来院されました。

何かの拍子にピリッと痛むとのこと。

 

なるほどTH12〜L2の左の筋膜に圧痛緊張が著明でした。

同部位に施術。

 

ところが数回行ったところ、『歩いていると腰がだるくなる』というふうに訴えが変化してきました。

 

そして上記部位への施術ではあまり効果がなくなったようです。

 

もう一度所見を取り直すと、腎虚の所見がたくさんでています。

細身、色黒、側湾、足の冷え、下腹部の軟弱。

 

したがって施術の方針を東洋医学的施術、腎虚として施術することを提案しました。

 

『腎虚』って言って理解してくれるかなあなんて思いながらお話しさせていただきました。

 

 

『実は・・・10年前に疲労時に陰部周囲に湿疹が出ることが多く、漢方薬局さんで腎虚といわれたことがあり、それと同じですね。』とすんなり理解していただけました。

 

施術の結果は少しずつ症状が軽減傾向に。

 

東洋医学的施術VSトリガーポイント施術=ケースバイケースで、学術論文の結果をそのまま臨床に当てはめることなんてできないってことです。

 

本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

とよしま鍼灸院 

 

石川県鍼灸マッサージ師会

 

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