第72回全日本鍼灸学会学術大会の抄録が公開されました。
抄録というのは通常参加登録済みの人や学会の会員のみとする場合が多いのですが、全て公開となっています。(普通は要パスワード)
あくまでも抄録なので触りだけですが、これを読むだけでも勉強になります。
ネット公開のない時代は送付された抄録を何度も読み返し、会場で要点を記入、ボロボロになったものを大事に保管していたものでした。
便利な世の中になりました。
今日は合間に少しずつ気になる演題をチェックしていこうと思います。
まず久しぶりにトリガーポイントというキーワードが目に止まりました。
演者の研究では、
①神経学的所見のない腰痛患者のトリガーポイントは筋の起止・停止付近に症状が再現されるポイントが認められることが多い
②圧迫して症状の再現が認められる場合、症状の再現が起る深度まで刺鍼する方が効果は高いとのこと。
ここからは私見です。
① 症状の軽い腰痛やあと少しがなかなか治らない腰痛など、演者の指摘通りの部位が施術ポイントになることが多いですね。
また多くは腰椎の椎間関節や関節包、神経根などのトラブルも複合しているケースがほとんどなので、その辺りを包括的に判断施術できるようになると効果が増します。
臨床経験が必要になるところです。
②深部筋にあることも多いですが、時には表面の筋膜に形成されていることもあり、何でもかんでも深ければ良いといいうことでもありません。
また深部に鍼を刺すことが必須なのではなく、スーパーライザーや超音波などで代用しても同等に近い効果が出ることも臨床の場では珍しくもありません。
上手に使い分ける、併用する、など柔軟に施術することが患者さんのためになると思っています。
超久しぶりにトリガーポイント鍼灸師の血が騒いだようです。
本日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。
抄録はこちら
鍼灸師の学会ってこんな感じか〜って知ってもらえたら嬉しいです。
ちなみにコロナ前はポスター発表なんかもあったので、演題はまだまだ多かったですよ。
明治国際医療大学の伊藤教授とお話しさせていただいた時も言われてましたが、トリガーポイント療法のみで良くなるのはほんの一部。様々な要因を考慮しないといけないので、いろんな勉強が必要なんですよね。