武庫川ダム(兵庫県西宮・宝塚市)建設の可否が焦点となっている武庫川(兵庫県)水系の河川整備計画原案が26日、兵庫県から専門家などでつくる武庫川流域委員会に提示された。ダム建設は原案に盛り込まれず、今後計画が国の同意を得て策定されれば、同ダムは国の工事実施基本計画から消えることになり、事実上の“断念”となる。
武庫川ダムは県が計画している治水ダム。昭和60年に国の建設認可を受け、平成5年に事業着手した。貯水容量は約1千万立方メートルで、建設事業費約300億円のうち半分を国が補助する予定だったが、民主党政権にかわり、前原誠司国交相が昨年、ダムに頼らない新しい治水基準での検証対象の一つとして挙げたため、建設の可否に注目が集まっていた。
原案では、昨年3月に策定した基本方針で武庫川水系の目標流量を4690トンと定めたのに基づき、今後20年間で戦後最大の洪水と同規模の洪水に耐えうる流量(3510トン)を確保すると目標を設定。昨年8月の佐用町豪雨などを受けて治水対策を喫緊の課題としながらも、新規ダムを建設する場合は地元との合意形成のほか、建設開始から完成まで十数年かかることから、今回の計画では河床掘削や堤防強化などの別の対策を選択し、新ダムについては必要性や実現可能性の検討を続けるとした。
ただ、今回の計画と基本方針の目標流量には180トンの差があるため、県では「目標達成にはダムも含めたより良い整備方法を検討し、必要に応じて計画の修正も行う」としている。
(2010年1月27日 08:28)
以上産経新聞より引用
以下朝日新聞より引用
武庫川ダム計画中止へ 総合治水へ転換 兵庫県 ( 1/2ページ)
2010年1月27日
兵庫県は26日、県東部で計画してきた治水ダム「武庫川ダム」の建設を見送る河川整備計画原案を発表した。今後20年間の武庫川の整備計画を示したもので、事実上、県がダム中止の方向性を打ち出したといえる。都市部に残された自然豊かな渓谷が破壊されるなどと反対運動が高まったことから、2000年に計画はいったん白紙に戻り、県が事業化の是非を再検討していた。
昨年末、前原誠司国土交通相は道府県主体の58の「補助ダム」について、事業の見直しを求めていた。県によると武庫川ダムにはこれまでに調査費など約15億円を投じたが、ダムの本体工事に着手すればさらに約285億円がかかるという。
県の原案は、改正河川法に基づき、流域住民の意見を反映させるために04年に県が設けた「武庫川流域委員会」の提言に沿った形で出された。県は「環境保全に配慮してもダム建設への合意形成には時間がかかり、早期に治水の効果を発揮できない」と説明。今後、流域住民や河川工学の専門家らでつくる同流域委が計画案の是非を審議し、新年度中にも正式にダム中止が決まる見通し。
武庫川は兵庫県篠山市を源流とする2級河川。流域人口は1級河川を含めた国内の全水系の中で10番目に多い約100万人となっている。下流は市街地より河床が高い天井川になっているが、県はダムに代わる治水策として流域全体で洪水に備える総合治水を進める方針。
総合治水は、短時間に大量の雨水が川に流れ込むのを抑制するため、既存の利水ダムを活用したり、遊水地を設けたり、公園や学校の運動場などにも雨水をためるなどする。河床の掘削など河川改修にも着手。宅地になっている洪水の危険地域の土地利用策も検討していく。 武庫川ダムなど道府県が事業主体の補助ダムについて、国は必要性の見直しを強制する権限はないが、前原国交相は「できるだけダムに頼らない治水」に政策転換するよう、関係の道府県知事へ要請していた。(山下龍一)
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〈武庫川ダム〉 兵庫県が宝塚、西宮市境の武庫川渓谷に計画したダム。当初は多目的ダムだったが、水需要が減ったことから、洪水時だけに水をためる穴あき式の治水ダムに計画転換した。貯水量約950万立方メートル。事業費の約半分を国からの補助金でまかなう補助ダムで、県によるとこれまでに調査費など約15億円を投じた。ダムの本体工事に着手すれば、さらに約285億円がかかる。
以上引用
なんかあっけなく・・・ダムがなくなった???
確かに時間と費用がかかる・・・。
さらに昨今ではゲリラ豪雨も起こっている。
中間でゲリラ豪雨が起こったら・・・ダムは役に立たないのかも・・・。
であれば川底の改修や堤防対策・・。さらに遊水・貯水対策などのほうがいいのかもしれない・・。