
節分の思い出
節分になると思いだすことがあります。もうかなり前の話。保育園に勤める女性劇団員からの依頼。
「うちの保育所の子供達さぁ~私達が鬼役だってわかってるからナメてんだよねぇ~。馬ノ助さん真面目に鬼役を演ってくれない?」
女性劇団員からの最低条件は、「リアルさ」
まずは衣装替え。まさか保育園で着替える訳にいきません。保育園の近所まで行き、近所の見知らぬ家に行き、状況を説明し、車庫をお借りして衣装に着替えました。(説明に苦労したけど)
着替えたらもう「鬼」です。その車庫から保育園まで歩いて10分程度。道行く車が奇異な目で通り過ぎていきます。
いよいよ保育園到着。「リアル」を求めるため、園内の運動場の雪上で転がり雪まみれになります。
そして土足のまま、保育園に上がり込みます。靴を脱いで入る鬼なんていませんからね。
いきなり子供達を発見したりしません。便所に行ったり、台所へ行ったり、それとなくジワジワと恐怖を与える作戦です。
だんだん子供達が騒ぎだします。「え?何?あれ、先生じゃないの?」
いよいよガキどもが集まっている部屋を攻め込みます。打ち合わせ通りに女性劇団員の髪をわしづかみにし、引きずりまわします。「きゃ~助けて~!先生、鬼にやられちゃう~!誰か助けて~!」
あの時の子供達も大きくなったんだろうなぁ。トラウマになってなきゃいいけどね。