本の蔵には、王様が書き溜めている本の他にも、
たくさんの本があります。
本が好きな王様は、
ここに来ると、いろんな本が読みたくなります。
「これは、岐伯が前に勧めてくれた本だな。」(王様と痿1)
王様が指さすと、岐伯は言いました。
「はい、そうです。
『下経』は主に、病の変化が書いてある本です。
『上経』という本もあって、
そちらは、天と気の法則が書かれています。
この『金匱』という本には、
病の人が、死ぬか生きるか、が書いてあります。」
本棚をながめていた王様は、
岐伯に聞きました。
「この『揆度』と『奇恒』いうのは、前に聞いたことがあるぞ、
たしか、
揆度は、顔を見て病の重さを見分ける方法(王様と本作り3)
奇恒は、脈を触って、正の病か奇の病かを見分ける方法(王様と本作り4)
だったな。」
岐伯はうなずいて言いました。
「さすが王様、よく覚えておられます。
ですが、これらの本の内容は違います。
この『揆度』という本には、脈の診かたが書かれています。
揆は、脈の診かたとその理論、
度は、季節と病の関係について、です。
この『奇恒』という本には、奇病と恒病について書かれています。
奇病とは、季節に合わずに死ぬ病、
恒病とは、季節に合って死ぬ病です。」
岐伯は、『奇恒』の本を取り出しました。
「王様、
次は、奇病について、お話しいたしましょう。」
(王様と色んな病 終)
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読んでくださり、ありがとうございました。