あの場所で7。
彼は煙草を吸い終えると空を見上げた。曇り空である。彼は寒さに震えた。彼は痛む足を気遣った。靴を脱ごう。しさしぶりに靴を脱いだ。ゆっくり足を延ばす。しばらくすると走馬灯モドキが駆け抜けた。彼はあの場所へ戻った。あそこなら屋根がある。もう煙草とコーヒーを買ったら全財産を失う。あの場所で死んでしまおうか?全てを失った今、誰も困りはしないだろう。彼は人生に、自分に初めて怯えた。だから誰とも話したくなかったし、会いたくなかった。彼は早く死ねるように胸中題目をあげた。声にならなかったのだ。雨が…降ってきた。
あの場所で6。
今見ると小さな公園。彼は辿り着いたのだ。かつての同じマンションの仲間と消防車、三輪車、足漕ぎ車。三人で遊んだ公園。彼は『亀サン公園』と呼んでいた。亀、オットセイが今も尚並んでいた。彼は亀サンにまたがった。当時の写真を思い出しながら。その公園の水道の水を飲んだ。ガブガブ飲んだ。クビの襟に水がかかるのも忘れて。水を飲み終えると、彼はしばらくベンチに寝転んだ。身体が重い。凄く重い。ラブホのフリータイムに入るかな。彼は父の好きだった焼鳥屋でネギマ、皮、ツクネを買った。夕食だ。残り少ない煙草に火を付けた。
あの場所で5。
彼はトンネルと記憶を通り過ぎるとロータリーに出た。彼はビッグスーパーの中に入った。当時のでかい時計がまだあったのだ。彼はスーパー内を一周した。そしてエスカレーターを下り冷たいアイスクリームを買った。ゆっくり口に運ぶ。かつてのアソコはなかった。しかし、あの辺りだっただろう、腰を下ろした。辺りを見回すとかつての歯医者と道を挟んだ通りとその公園の反対側に小児科がある。今もある!彼は足に鞭打って歩きだす。家が建っているが、道なりと場所は変わっていない。蘇る。ああ、日が暮れる。彼は急いで向かった所がある。
あの場所で4。
彼は疲れていた。腹も膨れ、朝日につつまれ眠っていた。かつて電車が見たくて三輪車で駅まで走っていた。その当時の僕は無邪気だった。彼はハッとして起き上がった。足は痛むが陽は揚がり切ろうとしていた。あの時の道を歩こう。階段を静かに降り昔の味に近い物。ファンタグレープである。道を通り過ぎる度思い出す。当時の記憶。彼は来た道を振り返る。彼は悲しくなる。でもどうしても来たかったばしょだった。彼はトンネルを潜る。三輪車ではなく疲れ果てた両足で。彼は季節外れのアイスクリームを食べたかった。残りのお金を使ってだ。
あの場所で3。
彼は疲れていた。腹も膨れ、朝日につつまれ眠っていた。かつて電車が見たくて三輪車で駅まで走っていた。その当時の僕は無邪気だった。彼はハッとして起き上がった。足は痛むが陽は揚がり切ろうとしていた。あの時の道を歩こう。階段を静かに降り昔の味に近い物。ファンタグレープである。道を通り過ぎる度思い出す。当時の記憶。彼は来た道を振り返る。彼は悲しくなる。でもどうしても来たかったばしょだった。彼はトンネルを潜る。三 輪車ではなく疲れ果てた両足で。彼は季節外れのアイスクリームを食べたかった。残りのお金を使ってだ。
あの場所で2
あの場所。彼が祖母に与えられた三輪車を元気に転がした場所。そこに成長した彼が戻ったのだ。その場所は彼が住んでいたマンションの屋上。見晴らしがいいんだ。子供の頃は花火をよくした。書ききれないくらいだ。皆が居た。足が痛い。歩きすぎたな。腹が減った。松屋はないかな?彼は歩いた。あった!豚丼大盛り二杯。彼は夜を散歩しながら、あの場所へ帰った。煙草を蒸かし眠りに就く。コンクリを体温で暖めて。彼は目を覚ました。朝日である。あの場所で、産まれて初めて朝日を見たのだ。彼はかつてのビッグスーパーに行きたくなった。