いや、戦おうとすれば出来るけども、人間なんやから１５日の間には気の抜けた相撲を取ってしまうこともあるやろ。
これは八百長とかそういう意味ではなくて、人間のメンタルとして１５日間も緊張を維持出来るのか？ということや。
２０１１年の相撲八百長事件においてっ！
「あの人は全部ガチだった」と言われた横綱が大乃国康っ！
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第６２代横綱大乃国は９６横綱と呼ばれたこともあるほど、横綱としての成績は悪かった。
２３場所務めて１１５勝７９敗１０５休。
１０勝以上した場所が１０回しかない。
８勝７敗が２回、そして１５日出続けて負け越した最初の横綱（７勝８敗）。
同じ時代に千代の富士という名横綱がいたけども、大乃国（現：芝田山親方）は千代の富士の様々な記録に対して「あんなものは本物の記録じゃない」と言い放つ。
暗に千代の富士は八百長をしていたと言ってるのと同じだけども、じゃあ、実際に千代の富士と大乃国はどっちが強かったか？というと断然千代の富士。
それは対戦成績を見ればわかる。
しかし、千代の富士の連勝を止めたのは大乃国。
千代の富士は本当に強かったけど、取りこぼしを恐れて星のやり取りをしていたと言われてる。
つまりガチで１５日間もやってたら、あんな記録は作れなかったということ。
ガチだな
昔、北尾という問題児の横綱がおって、相撲を辞めてプロレスラーになった。
その時、煽り合いで北尾はテンタという相手にこう言うたんやな。
「この八百長野郎ー！」
するとそれを聞いていた観客が「こら！ 北尾！ そんなことを言うと大乃国を連れてくるぞ！」とやじった。
それくらい大乃国のガチ相撲は有名やった。
相撲八百長の仕切り役（相撲用語で盆中と言う）坂井によると、「盆にのってこない力士は出稽古でボコボコにしてやった」と言うてる。
実際に大乃国は稽古中に張り手を食らって失神したこともある。
それくらい稽古中からガチで来られたら、本番では息もあがってまうやろね。
しかし、貴乃花（２代目）もガチ相撲で有名やった。
基本的に二所ノ関一門は八百長をやらないと言われてる。
貴乃花の横綱での成績は４２９勝９９敗２０１休。
勝率は８割を超えてる。
大乃国の勝率が６割そこそこだったのに比べると、ガチでやってもそれくらいの成績は残せたのではないか？という疑問がある。
でも、貴乃花の全盛期の頃、上位力士の半分くらいが同部屋だったため、対戦相手が下位の力士と組まれることもシバシバ。
大乃国とではその置かれた状況が違う。
初代貴乃花も八百長はやらないことで有名だった。
だもんで、場所中は八百長をやる力士たちとは口も聞かんかったそうや。
しかし、その結果どうなったかというと、初代貴乃花は輪島と同じくらい期待されてて横綱になるのは確実と言われてたんやけど、大関になった辺りから急に勝てんくなる。
貴輪時代が来ると言われてたのが、後から来た北の湖に追い抜かれて北輪時代になってしまった。
初代貴乃花も八百長をやらなかったゆえ、稽古で潰されてしまったんとちゃうかな？
いや、横綱になる人は皆普通に相撲を取っても強いで。
千代の富士も実力的に言えば戦後３本の指に入る名横綱やったと思う。
しかし、６０日間もガチで相撲取ってたら力士としての寿命は短くなるんとちゃうかな？
ガチじゃない相撲って寄り切りや押し出しが多くなるんやな。
そのほうがわざとらしくなくなるから。
例えばやで？
こっちが勝ち越してて向こうが７勝７敗で千秋楽を迎えたとするやろ？
人情として「ここで勝ってしまったら相手に悪いな」と思うやろ？
その時点で気負けしてるわな。
７勝７敗で千秋楽を迎えた力士の勝率が８割を超すのは八百長をやってる証拠だと言う人がおるけど、やってるのは人間やから八百長のつもりはなくても負けてしまうこともあるやろ？
７勝７敗のほうは必死こいて来るだろうし。
昔はそういうのを「人情相撲」と言って、八百長とは区別してたんや。
落語のネタにもあるやろ？
「谷風の人情相撲」という奴や。→金原亭馬生
この落語のネタが本当かどうかは別にして、人間の中にはそういう心理が働くということや。
わかるやろ？
何でもガチでやればええというもんでもないと思うで？
中には高見盛のように不器用すぎて八百長が出来ないという力士もおったけどな。
高見盛って酔って自動販売機と相撲取ってたことがあるらしいで。
それを見ていた付き人によると「（高見盛は）右かいなを返していた」らしい。
ここまで来るとガチ過ぎるな。
ほなな。
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