私が徒手療法を学び始めた頃に、先生によく言われた言葉に「正常を知らないと異常が分からない」という言葉がありました。

徒手療法は感覚的な要素が多く、また人の身体のパーツを全て「正常、異常」と区別出来る訳ではありませんが、全く指標が無い事には感覚を重視するといっても個人の勘まかせになりかねません。
そこで上肢帯のアライメントチェックの際の指標について簡単にまとめてみました。


参考文献の通りに「正常」と文内では表現していますが、ご覧になる先生方は「平均的なアライメント」という感覚で臨床の中では活用していただければ良いかなと思います。

「正常」「異常」というのは立場によっては変わる事もありますので

今回の内容は「運動機能障害症候群のマネジメント:医歯薬出版株式会社」を参考にしております。
より詳しく知りたい方はご購読される事をお勧め致します。



<正常なアライメント>
・両肩は、前面または後面から見た時、胸椎の1番を通る水平軸からわずか下方に位置している


・側面像では、垂線が肩峰を二分する。


肩甲骨

<正常なアライメント>
・肩甲骨の内側縁は脊柱に並行で、胸郭の中心線から約7.5cmの位置にある。
・肩甲骨は胸郭上の胸椎2番~胸椎7番のあいだにある


・肩甲骨は胸郭に張り付いたような状態にあり、前額面にたいして前方に約30度回旋している。

上腕骨

<正常なアライメント>
・肩峰に対する上腕骨の前方への偏位は、骨頭の3分の1以下でなければならない



・上腕骨の回旋中間位は、手のひらを体側につけた状態で肘前面のしわが前方に、肘頭は後方に向いているはずである、肘頭が後方を向かずに、手のひらが後方を向く場合がある、この様な状態は手屈筋群が短縮している場合に多くみられる。





・側方、前方、または後方から観察すると、上腕骨の近位端と遠位端は同じ垂直面上にあるはずである。



垂直面上に無い例


*上腕骨のアライメントを診る際には肩甲骨のアライメントが正常であるか?確認するように注意書きがあります(肩甲骨が内旋しているなら、上腕骨が正しい位置にあっても内旋して見えるから)

また、個人的には肩甲骨のアライメントは胸郭アライメント、胸郭アライメントは脊柱のアライメントに影響を受けると考えますので

簡単な脊柱、胸郭アライメントチェック(矢状面)も記しておきます。

・頭ー背中ーお尻が壁面につく
・胸骨柄ーth3を結んだ線が床に平行
・th3-th10を結んだ線が床と垂直
・第10肋骨弓ーASISを結んだ線が床と垂直
・腰部は手のひら一枚分の隙間
・ASIS-恥骨を結んだ線が床と垂直



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これらのアライメントから大きく外れているなら要注意です。
このような平均的なアライメントを記憶に留めながら施術を行う事は時には助けになる事があります。

私ごとですが、最近頸部の伸展時の違和感が取れないという方を診ていて、なかなか症状が改善しなかったのですが。
肩甲骨のアライメントを拝見すると、肩甲骨上角のみ(肩峰は挙上せず)が極端に挙上していました。

肩峰も挙上している場合は僧帽筋の短縮も考えられますが、肩甲骨上角のみが挙上していたので肩甲挙筋の短縮の疑いが強かったので
健康挙筋にポイントを絞り、しっかりと緩めると症状が大きく改善しました。

トレーナー、施術家、どちらの方も経験が増えるにしたがい感覚にゆだねる部分が増えてくると思います。
それは良い事でもありますが、基本となる知識、解剖学、生理学、バイオメカニクスなどをしっかりと知っている事が前提で感覚にゆだねる事が大切だと思います。

脳科学者の池谷裕二さんは著書の中で“直感は無意識の脳の基底核が大きく関わっているが、ひらめきは基底核の働きに加えて言語や知識を司る大脳新皮質の能力がなくては起こらないだろう”といった事を書いています。

無意識的な感覚だけでなく、それを知識と組み合わせることで広く人々の役に立つ新しいアイディアやひらめきが生まれるのではないかと思っています。
この度、治療院やスポーツの現場でみられる「外傷」に対する適切な処置と固定法を研究、シェアする場としてテーピングを用いた固定の練習会を開催致します

手首テープ

この練習会はあくまで練習会です。外傷セミナーではなく、皆さんで情報をシェアし研究して行く事を目的とした「イベント」として参加して頂きたいと思います

私たちが現場で行う応急処置やサポートは、安全で有効なものでなくてはなりません

テーピングに関してはまだ、明確なエビデンスはありませんが、先生として、またトレーナーとして信頼を得るためには、「個人の勘」や「一か八か」ではなく、基本的な解剖学や医学的な根拠に基づいた処置でなくてはいけないと考えています

そして何よりも大切な事が「経験」です

理論やノウハウは知っているが、実際に患者さんと向き合うと思うように処置出来ない。うまく固定が出来ない。指導が穴だらけになってしまう

「経験」は現場で積む事が一番ですが、患者さんへの診療は一発勝負です。一か八かでやる事は時としてトラブルにも繋がります!

今回の練習会を通し、「考えながらひたすら巻く」事で「自信」をつける事。そして臨床で活躍されている先生方の「生きた情報」をシェアする事で、少しでも臨床に近い情報を共有する事がこの練習会の目的です

○外傷の処置に対する理解を深めたい
○外傷の処置の練習がしたい
○テーピングに興味がある
○色々な先生の現場での話を聞いてみたい


経験のある方も無い方も大歓迎です。いろいろな先生から意見や情報を聞ける実りのある練習会になると思います
単独でのご参加も大歓迎です。皆さん奮ってご参加ください

9割実技!巻いて巻いて巻きまくる!臨床テーピング研究会 in TC研究会

日時 平成27年8月23日(日)14時~16時
場所 おくがわ整体院 東京都新宿区西新宿ハイブリッジビル2A
http://www.total-conditioning.com/access.html
会費 2000円

定員 12名

お申込みフォーム https://pro.form-mailer.jp/fms/57a035b078265

TC研究会スタッフ
永吉健志郎先生
柔道整復師
ながよし整骨院 院長

安田瞬先生
柔道整復師
やがわ整骨院 副院長

<具体的内容>
テーマ『肘関節』
①初心スピーチ
②方向別テーピング
屈曲、伸展、外反、内反、方向のテーピングの共有
③症例別テーピング
こうこうの症状の患者様に対してどうテーピング皆さんはしているのか?をシェアしていく
④質疑応答
脛骨大腿関節は矢上面の屈曲と伸展と
わずかに屈曲させた時の水平面の内旋と外旋がある。

前額面での運動は他動的にのみ可能であり
その可動域は6~7°に制限させる。


一般に健康な膝関節であれば
屈曲130°~140°
過伸展5°~10°であり

水平面での回旋は膝関節屈曲角度の増加とともに増加する
90°屈曲した膝関節では、40°~50°程度の回旋できる。
最大伸展位では、この回旋は実質上欠如する。


上記の体軸回旋とは異なる、終末伸展回旋と呼ばれる回旋がある。
これは、完全伸展位での膝関節のロッキングには、約10°の外旋が必要であるというものである。


135°の膝屈曲角度では、膝蓋骨は上極部付近で大腿骨に接する

膝関節が90°屈曲に向かい伸展すると、膝蓋骨の接触領域は下方へ移動し始める

屈曲90°~60°の間で膝蓋大腿関節では、最大接触面積となる
最終20°伸展までの間、膝蓋骨上の主な接触点は下極へ移動する

完全膝関節伸展では膝蓋骨は顆間溝より完全に浮く