色々と思惑はありつつ、去年から今年にかけて、ポートフォリオをできる限りシンプルにという方向性を前提としつつ、新NISA制度への資金移動などの過程でポートフォリオを再構築しています。

その中に日本株の高配当系のETF2本を入れていますよ、という話はこのブログでもたびたび書いています。

 

この「日本株」「高配当」というキーワードで、最近ちょっと新たに検討したテーマがあったので(そして一応自分の中での結論は出たので)、その思考の記録を残しておきます。

 

きっかけは、SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)という投資信託が昨年末に出てきたんですが……

 

 

交付目録書の表紙をキャプチャ

 

概要は以下のような感じですね。

・日本の株式に投資し、中長期的に信託財産の着実な成長を めざして運用

・配当利回りに着目し、高水準のインカムゲインと 中長期的な値上がり益の獲得によるトータル・リターンを追求

・年4回(1月、4月、7月、10月)決算を行い分配

・信託期間は無期限

・信託報酬は年0.099%(税抜き年0.090%)、購入時手数料・信託財産留保額なし

 

昨年12月に設定された新しい投資信託ですが、3/22現在で純資産総額は600億円を越えており、なかなかな人気ファンドと言ってよい感じですね。

 

 

みんかぶの売れ筋ランキング、直近3ヶ月間に絞ったランキングで見ると……

 

 

16位に入っています。

 

上位には、新しいNISAでの売れ筋の低コストのインデックスファンドや有名どころのアクティブファンドが並んでいますし、さらに下位には、たわらノーロード先進国株式といった古手のインデックスファンドが並んでいたりしますので、そんな中でもなかなかな健闘ぶりですね。

現状、SBI証券でしか取り扱いが無いようですから、その中でこの順位は立派ではないでしょうか。

 

 

今、NISA口座で購入・保有している高配当ETFは【1489】NF・日経高配当50と【2529】NF・株主還元70の2本で、信託報酬率(年率・税込)はどちらも0.308%です。

 

すごく高コストというわけでもないですし、実際に自分で50社なり70社なりに分散しつつリバランスしたり銘柄の入れ換えなどの管理をするということを考えれば十分割に合う(支払う価値のある)コストだとは思いますが、昨今の低コストインデックスファンドの低い信託報酬率(0.1%を下回る年率)と見比べると若干コスト高の感は否めないです。

 

という中で、この投資信託の情報を見かけて、調べてみると悪くないんじゃないかなと思ったし、なんなら今持っているETFよりもこっちの方が……と浮気心がむくむくっと(^^;)

 

ただ、ETFと投資信託(分配金があるタイプ)のルール上の違いから、「あ、やっぱり無いな」と判断しました。

 

その理由は当該投資信託の目論見書に記載されています。

分配金に関する説明の箇所ですが……

 

 

これ、先日書いた「米国株式これ1本」という投資信託に関する記事でも同じ図が出てきていましたが、分配金は投資信託の純資産から支払われていますよというイメージ図。

この支払われている分配金について、高配当株式を対象とした投資信託なのだから、配当金を単純に分配するだけなのかと思いがちですが……

 

 

実際にそういった運用をするかどうかは現時点ではわかりませんが、元本の一部を取り崩す、いわゆるたこ足配当がルール上は可能ということになります。

 

 

マネーコンサルタントの頼藤太希さんの記事ですが、この記事中(それ以外にもデメリットはありますが)デメリットとして「うまくいかないときは、普通分配金を出せなくなってしまいます。それでも分配金を出さなければならない場合に、投資信託は元本を取り崩して分配金を出すことがある」「元本が少なくなってしまうので、その後の値上がりの恩恵が受けにくくなってしまいます。」という点を挙げられていますね。

 

一方、ETFの場合の分配金はどうなっているかというと……

 

 

このコラムには以下のように記載されています。

 

・ETFは税法により、決算期間中に発生した利子や配当などの収益から信託報酬などの費用を控除した全額を分配することになっています

・仕組みとして分配可能な収益は全額分配されることになり、ファンド内で再投資されることはありません

・決算期間中に発生した利子や配当など(インカムゲイン)が分配金として支払われますが、ETFが組入れた株などの売却益(キャピタルゲイン)は分配金となることはありません

 

ということで、キャピタルゲイン自体を減らすようにして分配金を支払うことは無いということですね。

 

以上のことから、資産形成期に元本を取り崩してまで分配金が支払われる(可能性がある)ファンドは不適格でしょうから、少なくとも資産形成期と位置付けている退職までの期間についてはETFの方が適していると考えます。

 

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一方で、退職後に分配金や配当金とともに、現預金とリスク資産を取り崩していく期間ではどうでしょうか。

高配当という切り口の投資信託が(インデックスより)高いパフォーマンスを出せるなら、元本を取り崩しつつ分配金という形で受け取るという選択肢はアリだと思います。

 

ただ、この「高いパフォーマンス」を安定的に出せないのであれば、インデックスの投資信託を定額・定率で取り崩していけば良いわけで、あえてこの投資信託を保有する意味は今の僕には見いだせないかなぁと思います。

 

そもそも高配当ETFを保有する目的は以下の記事でも書いた通りです。

 

 

この記事中書いた「投資信託の取り崩しをするにあたって、投資信託をすべて取り崩したとしても、それとは別にETFから配当金・分配金を得ることができるというのは、取り崩しをすることに対する不安をいくばくか低減できるだろうし、実際にすべてを取り崩した後でも老後資金への継続的な補充が期待できる。」という一文がそれですね。

 

要は、分配金を得つつも元本が取り崩されていずれ無くなってしまうということは無い、というところに価値があると考えているわけですね。

だとすれば、取り崩し期にあってもキャピタル部分に手を付けないというETFの仕組みこそが適しているというのが解かなと思うわけです。

 

もっとも、取り崩し期に入るまでにはあと10年以上ある予定ですから、その間の資産形成の状況や、例えば冒頭の投資信託の(分配金の内容も含めて)運用実績によっては老後資金の一つの形として選択肢に入る可能性はあるのかもしれません(※)。

 

※ 選択肢に入るパターン=死ぬまでに取り崩し切れないほど資産形成ができた+この投資信託がすこぶるパフォーマンスが良い、とかですかねぇ。ただ、その場合=取り崩し切れない資産が形成できたということなら、インデックス+現預金で良いって話になっちゃいますね(;^_^A

 

まあ、シンプルに今保有しているETFについて信託報酬を下げてくれればそれが一番良いんですけどね( *´艸`)

 

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