「オルカンへの過度な期待は禁物」という趣旨の記事がfinaseeに9/23付でアップされていました。
特に昨今の情勢を鑑みて良い記事だなと思ったのでシェアします。
https://emaxis.am.mufg.jp/fund/253425.html
バートン・マルキール「ウォール街のランダムウォーカー」より
S&P500指数に1950年から2020年までの期間に投資をしていた場合、投資期間ごとの年平均リターンの散らばり方とその平均値のグラフになります。
例えば10年間という期間を切り取った場合、その年平均リターンの散らばりは概ね-1%~20%のどこかに入り、平均するとどの期間を切り取っても10%程度に収斂していくというのがリターンの過去の実績ということになります。
もちろん、MSCI ACWIはS&P500とは異なる指数ですが、MSCI ACWIの1987年以降の平均リターンである8.71%が10%に近似していることから、(現状はMSCI ACWIの過半は米国株式であることも考慮すれば)MSCI ACWIの平均リターンは8~10%程度に収斂していくと考えても良さそうです。
MSCI ACWIの約30年間の平均リターンが8~10%程度であるとすると、オルカン設定来の為替の影響を排除した騰落率(年率13.1%)はだいぶ高めであるように思われます。
つまり、オルカン設定来の期間を通じてドルベースで見たときの評価額(すなわち指数そのもの)も好調であったことに加え、特に近年は為替(円安)がポジティブに作用して高いリターンを出してきていたといえるかと思います。
冒頭の記事中では、近年の円安の効果を受けたオルカンの基準価額について「追い風参考記録」と評しています。
僕自身はこういう数字が上積みされた状況について(投資の場面に限らず)「下駄を履かせた」という言い方をよくするんですが、「追い風参考記録」にせよ「下駄を履かせた」にせよ、要は実力や身の丈以上に評価されているということですね。
オルカンの騰落率ですが、直近5年間の期間中の平均騰落率(年率)は(1+1.4398)^(1/5)≒1.195より+19.5%、3年間だと(1+0.9111)^(1/3)≒1.241より+24.1%となっています。
オルカン設定以降、為替の影響を排除したオルカンのドルベースでの年間の平均騰落率やウォール街のランダムウォーカーにて示されたリターンの図などから考えると、やはり直近数年間のオルカンについては指数そのものの上昇に為替の影響も加わり、結果として好調過ぎたリターンを出していたと認識しておくのが良さそうです。
ところで、数年単位くらいであれば為替によって(特に海外資産については)直接的に評価額が影響されますが、長期で考えれば為替は上がったり下がったりしながら落ち着くべきところに落ち着くものと考えています。
(その落ち着き先に比して現状が円高なのか円安なのかはわかりません)
したがって、今後の為替の影響は考えなくても良いというか…考えてもしょうがないことかなと思います。
ドルベースの指数についてもオルカン設定来の期間で言えば平均的なリターンよりは高い状態が続いていたと考えると、為替が円高に動く可能性も含め、オルカン(円ベースでの基準価額)がこの先も好調さを維持できるか低調となるのか、ということで言えば数年単位の時間軸では後者となる可能性が相応にあると考えた方が良いかなと思っています。
結論としては冒頭の記事の通り「過度な期待は禁物」ということになります。
オルカン設定来や特にここ数年程度の結果だけを見て、オルカンが将来(例えばこの先20年とか30年までとか、あるいはそれ以上の期間)にわたって同様のパフォーマンスを出し続けるかどうかの答えは、まずは「わからない」である一方、大きく下落する、あるいは低調なパフォーマンスの期間が相当ある、という可能性は相応にあると考えておくべきですね。
まあ、だからと言って昨今流行り(?)のNISA損切あるいは利益確定をする必要は無く、淡々と買う、あるいは保有するという長期投資のスタンスを崩さないことが大事だとも思います。






