東信会『絆』通信
がん予防
医療法人社団東信会
世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院
新宿スカイビル健診テラス
東信よしだ内科・リウマチ科
世田谷リウマチ膠原病クリニック 祖師谷
吉田智彦
「けんしん」とは
①健診:健康であることの確認
•将来の疾患のリスクを階層化してレベルに応じた保健指導を行うことで行動変容を促す
•労働安全衛生法:
職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進する
•健診については第66条で規定
事業者の実施義務、労働者側の努力義務
②検診:特定の疾患を発見する目的で行われるもの。がん検診
対策型:集団全体の死亡率を下げるために行われる。市区町村が住民を対象に健康増進事業として行う。
任意型:個人が自分の死亡リスクを下げるために受ける。人間ドック健診。
がんと生活習慣
•日本で生涯に一度はがんに罹患する人の割合は2人に1人
•高齢者ほどかかりやすいイメージではあるが、生活習慣病としての側面も大きい
•がん対策基本法(平成18年)
喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境についての正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うようにしましょう
発がんに関わるリスク・予防要因①
•喫煙
固形がん(口腔、咽頭、鼻腔・副鼻腔、喉頭、肺、消化管、肝臓、すい臓、腎臓、膀胱、子宮頸部、卵巣)、骨髄性白血病
•受動喫煙
肺
•アルコール摂取
口腔、咽頭、喉頭、消化管、肝臓、乳房
発がんに関わるリスク・予防要因②食物
がん予防法
•禁煙、受動喫煙の予防
非喫煙者に対して喫煙者のがん全体のリスクは1.5~2倍
受動喫煙について、夫が喫煙者である場合、妻の肺がんリスクは1.3倍(非喫煙女性3万人の対象研究)
心筋梗塞、肺炎の予防にもなる
•禁煙支援
禁煙補助薬:自力での禁煙に比べて禁煙率が3,4倍高い
バレニクリンが保険適用になった
ニコチンガムに続き、ニコチンパッチもOTCで購入できる
電子タバコには議論が残る
•節酒
一日当たりアルコール量23gまで
(日本酒一合、ビール中瓶一本、焼酎・泡盛2/3合、ウイスキーダブル一杯、ワインボトル1/3本)
男性で一日約46g以上の飲酒で発がんリスク1.4倍、69g以上で1.6倍に上昇
一方、ある程度の量の飲酒は心筋梗塞、脳梗塞のリスクを下げる
•塩蔵食品、食塩の接種は最小限
食塩の目安は一日当たり男性7.5g、女性6.5g
塩辛、練ウニなど高塩分食品は週に一日まで
2019年調査では20歳以上の平均として、男性10.9g、女性9.3g
目標値達成しているのは3割弱と推定
•野菜や果物を積極的に
一日400g以上を目標(小鉢で5皿、果物1皿くらい)
日本人20歳以上の平均値は約370g(2019)
•日常生活を活動的に
歩行・それと同等以上の強度の身体活動を一日60分
息がはずみ、汗をかく程度の運動は一週間に60分
65歳以上では仰臥位や座位以外ではどんな運動でもよいので一日40分以上
•体形は適正な範囲に(<BMI25)
肥満とがんの関係は日本ではそれほど強い関連はないとされる
•感染対策(肝炎ウイルス、ピロリ菌などの検診)
参考文献健診・人間ドックハンドブック