11月1日に、大学入試改革にともない2020年度から実施される「大学入学共通テスト」での英語民間試験の活用を2024年度まで延期するとの発表があった。テレビの解説者が「英語民間試験が経済格差を助長することは萩生田文科大臣の発言があるまで誰も気づいていなかった」なんてとんでもないデマを言って、司会者も「私も知らなかったです」なんて言っているような状況から、世間的にはこれまで何がどう議論されてきたのか、ほとんど認知されていないんだろうなと思うので、いまさならがら、大学入試改革に関するこれまでの経緯がわかる、私がこれまでに書いたweb上の記事を以下にまとめておく。便利帳代わりに使ってほしい。

 

●2018/10/20 東大もちゃぶ台返し!? 大混乱の大学入試改革は、結局何をもたらすのか? これまでの経緯を振り返る

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20181020-00101152/

 

●2018/11/2 【大学入試改革】英語民間試験導入だけでなく、国語の問題にも疑問の声が

https://ameblo.jp/toshimasaota/entry-12416173251.html

 

●2019/4/23 センター試験の「後釜」に不安が募りすぎる理由「新テスト」に記述式を導入する意味は何だ?

https://toyokeizai.net/articles/-/277297

 

●2019/9/1 「新テスト」記述式問題採点をベネッセグループが落札。1民間企業に頼り切りの大学入試改革でいいのか?

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20190901-00140773/

 

●2019/9/2 大学入試改革で「読解力」が崩壊する!?

https://ameblo.jp/toshimasaota/entry-12518001191.html

 

●2019/10/26 大学入試改革を民間に丸投げする文科省の狙い 教育再生実行会議の面目を保つ役人魂の結晶

https://toyokeizai.net/articles/-/310889

 

●2019/11/1 大学入試改革「炎上」の裏に潜むもう1つの火種 英語のみならず数学と国語でも民間試験導入

https://toyokeizai.net/articles/-/310461

 

●2019/11/1 大炎上中の大学入試改革――最強の対策が中学受験であるという皮肉 そして中学受験では大学付属校を選ぶべき?

https://bunshun.jp/articles/-/15068

 

●2019/11/1 英語だけじゃない…大学入試改革の「国語記述式問題導入」の害悪 誰も幸せにしない「改革」

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68154

 

(11/9追記)

●教育再生実行会議」がお墨付きを与えた「アベノミクスのための大学入試改革」

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20191108-00150025/


2018年10月16日発売の『受験と進学の新常識』(新潮新書)では終章「大学入試改革の行方」で大学入試改革が大混乱を招くことを予言していた。奇しくも英語民間試験延期が発表されたその日である2019年11月1日に発売となった『大学入試改革後の中学受験』(祥伝社新書)では、第1章「2020年度大学入試改革のあらまし」と第2章「大学からも高校からも不協和音」の2章分をまるまる使って、2012年の民主党政権下の平野博文文科大臣からの諮問から、2013年の自民党政権下の教育再生実行会議による「第四次提言」を経て、現在に至までの大学入試改革の議論の流れを時系列で細かく追っている。さらに第6章では今後、この改革がどういう方向性に進んでいくのかという未来予測までしている。

 

大混乱の大学入試改革。「いま」しか見えていないと振り回されてしまう。全体の流れを把握して、どういう力学のもとでいまの状況があるのかを理解すれば、振り回されにくくなるはずだ。