場外離着陸場
ある病院の計画でヘリポートの検討を始めました。
いや、正確に言うと「飛行場外離着陸場」の検討を始めましたと書くべきでしょう。
一般的にはヘリポートという呼び名が判り易いですが、これらは厳密に言うと
「公共用ヘリポート」「非公共用ヘリポート」「場外離着陸場」「緊急発着場」といった名称で法律的に区別されています。
このうち公共用ヘリポート、非公共用ヘリポートは飛行場並みの厳しい法的条件が必要となるため、費用も時間も膨大なものになります。
周辺環境への配慮も徹底したものが求められるため、環境アセスメントを行なわねばなりません。
多くの病院で用いられているのが「場外離着陸場」です。
とはいえこれも簡単に出来るものではありません。
周辺状況のリサーチ、離着陸に必要な経路の検討、緊急時の不時着スペースの確保、そして多くのケースが建物の屋上に設けられるのですが、構造的荷重が非常に大きくなり、部材全般の見直しが必要となります。
勿論近隣に対しての説明も必要です。場合によっては防音サッシやエアコンの提供も考えねばなりません。
検討すべき問題は山積みです。
先日離着陸場の勉強のため都内にある運航会社を訪ねてヒアリングし、実際の機体を間近に見て来ました。
実現するかどうかは判りませんが、関係者全員の知恵を集めて取り組むことが必要です。
病院の病室
病院の病室を設計するのに注意する点は
まず、1床あたりの広さが、内法で6.4m2 必要だということです。
既存の病棟のみ、経過処置で多床室のみ4.3m2が認められていますが、
全面改修では、認められません。
3床室や5床室などは 厳禁です。
またうなぎの寝床も厳禁です。
対面型の4床室を基本に、有償の1床室や2床室の比率を病院と話しあいましょう。
多床室の便所は、廊下側に設置、1床室のみ個室内設置がよいでしょう。
便所も、車椅子や、看護や介護に対応できるように、ゆったりととりましょう。
多床室では、ストレッチャーが通れるように最低で1mの幅の通り道のスペースが必要です。
扉幅は有効で1m, 本当は1.1m 必要です。
某大学病院では、扉の有効幅が10cm 足りないので、せっかく作った病室の扉を
すべて作り変えていました。1mの有効幅の扉には1.15m幅の扉が必要です。
ベッドの大きさは、幅1.0、長さ2.2m あります。
上記のことも、知らないで病院の顧問をされていた,某1級建築士には、あいた口が
ふさがりませんでした。いやはや大変な人が、建築士にいるものですね。
都志デザイン
馬場 正三 www.toshidesign.com
保育所の着工
千葉に計画中であった保育園が9月から着工しました。
建物の配置を確認し、周囲の土を掘って基礎の配筋を行なっています。
建物の規模が低層であること、地盤が比較的良好なことにより、杭を用いず直接基礎で構造設計することが出来ました。工期も若干短くなりますし、費用も勿論抑えることが出来ます。
工事は予定通り順調に進んでいますが、やはり土を掘削していくと地中に残された様々なコンクリートガラや不要配管、廃棄物などが出てきます。
これらは産業廃棄物として処理しなければならないのですが、当然費用が発生します。しかし掘ってみないことには判らないので事前に予算の組みようもありません。
施主にとっても施工者にとっても頭の痛いところです。
以前関わった別の計画では、やはり地中に昔建っていた建物の巨大な基礎が埋まっていました。
重機で粉砕せねば運び出せない大きさですが、相当な時間と騒音がかかってしまい近所にも迷惑です。
巨大なコンクリートの塊に特殊な薬液注入し、その薬液が膨張して内部から爆裂させて塊を砕く方法が採用されました。
そんな面倒な事例も多々あるのです。
完成までまだまだ先が長いです。
工事の安全を祈りながら、良い建物にしていきたいと思います。
特養の居室詳細
特養の個室の20分の一の模型を造りました。
10.65m2で便所付きの個室というのがなかなか難問でした。
入り口扉を1.1m もとっています。
非常時や、日常のベッドの出し入れを考えると1mではきついようです。
病院では、ストレッチャーしか使わないので。1m幅のとびらでよかったのですが、
便所との収まり、経済性を考えると、木製2枚引きとしています。
トイレの扉は、L型にひらき、介助がしやすいように、内法の奥行きも1.7mあります。
窓と並行にベッドを配置すると、スパンは最小で2.85m 必要でした。
外部便所ですべていければよかったのですが、行政の基準で、便所なしの居室が6に対し
便所付きが4床としています。
バルコニーは、避難経路とせずに、室外機置き場としています。
経済的理由です。
広いバルコニーは、いいのだけれども、あまりにも高価です。
その代わり、快適なテラスを設置しています。
皆様の特養の居室はいかがでしょうか、
都志デザイン
特養の設立認可
特養の施設は、県の認可がなければ、設立できません。
新築、改築、補助金の有無にかかわらず、審査を受けることになります。
その際、設立についての、審査書類を提出して、委員会での審査を受けます。
審査書類には、事業費や法人の運営に関わるものと、施設に関わるものがあります。
運営についても、施設についても、安全重視の考えが基本になるのですが、
今回、施設計画について、以下の点が問題になりました。
1. 充分な廊下幅がとれているか?廊下幅は、1.8mか2.7m か?
火災時に、ベッドを廊下に出して、避難させられるか、という点、
火災時に、ベッドを外に出すのは、非現実的ではないか、
実際は、毛布やふとんを敷いて、その上に入居者をおいて、引きずるか、おぶる、という方式のよう。
バルコニーまで出してしまえば、なんとか命の危険は避けられるので、バルコニーは狭くても必要
のようです。
あなたの特養は、いかがでしょうか?
2. ユニット型の個室でのプライバシーは?
ワンルームマンションスタイルの、一列の個室群は、安全重視の観点から、優れているという主張、
でも、せっかくの、ユニット型の個室で、家庭の雰囲気をだすのには、変化のある間取りが、
いいとお思うのですが、どうでしょうか、
居住性か 非常時対応か、 どちらが優先でしょうか?
これは、東京都のユニット型の特養の標準間取り、 中廊下でも、幅1.8m となっている。
アルコーブの緩和基準を認めている。
中央が共同生活室
変化のある間取りは 楽しく、過ごしやすいとお思うのですが、死角が多いのは、倒れた人の発見が
遅れるという、
まるで監獄ですね。
プライバシーか、 非常時のことか、
そして、最終的には、どこにお金をかけるかということ、
が問われます。
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