2025年問題に向けて、課題多し〜地域包括ケアシステムの構築に向けての調査<厚生文教委員会> | いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。2013年市議会議員初当選。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。2022年11月27日市長選挙75%の得票、当選!市長となる。

小金井市議会の厚生文教委員会としては、所管調査として「2025年問題に向けての地域包括ケアシステム構築に関する諸問題の調査」を立てて、特に議案や陳情がなくてもこの調査を進めていく段取りにしています。今とても重要なテーマといえます。

<2025年問題とは?>
いわゆる団塊の世代が全て後期高齢者(75歳以上)を迎え、その総数が多いことから、医療や介護面での財政負担が懸念されている問題です。国が主導し介護保険制度を改定して、各自治体で在宅医療と介護予防を中心とした「地域包括ケアシステム」の構築が大きな課題となっています。

↓ 高齢化率の推移


昨日の委員会では、私のほうから第6期小金井市介護保険・高齢者保健福祉総合計画をもとに、大きく以下の3点について質疑させて頂きました。



①第6期小金井市介護保険・高齢者保健福祉総合計画(3カ年計画)の成果指標が明確でない点について
②医療と介護の連携の推進について
③地域包括支援センターの体制強化などについて質疑。

↓ 第6期小金井市介護保険・高齢者保健福祉総合計画(3カ年計画)


小金井市の65歳以上人口に占める要支援・要介護の認定者の割合(=要介護認定率)はH24年度では19.2%です。そこで東京都のデータ集から調べて、東京都平均では同年度17.5%であることを知りました。いわば、小金井市は都平均値よりも認定率が高い状態が続いています。第6期小金井市介護保険・高齢者保健福祉総合計画では、将来推計値としてH37年に認定率=24.1%となることが示唆されていますが、それはあくまで推計で算出された数字です。

結局、今策定され動いている計画を経て取り組んだ成果で認定率がどう変化するかの目標設定がないわけです。



担当部局からは、平成37年度時点の推計値よりも下回ることがいわば目標のようなもの、という答弁もあったものの、10年後しか成果が分からないようでは軌道修正ができません。この計画は3年毎の計画であり、当然その都度の施策を経た成果の指標がないと、取り組んだことに対して適切な評価のしようがない、と感じています。ロールモデルが必要ですよね。もし思うような成果が出ていないと判断すれば大きく軌道修正も必要です。

確かに、仮に要支援または要介護の認定を受けていても、サービスを利用していなければサービス提供にかかる負担も少ないし、小金井市は比較的重症度の高い介護認定者の割合は低いということでした。



とはいえ、仮に認定率ではなくとも、計画には何かの評価指標がないと実施したことの良し悪しが判断できませんので、引き続き研究し提案していこうと思います。


<医療と介護の連携について>

2025年問題を考える際に、最も重要といえるファクターの一つであるのが、この医療と介護の連携であると言っても過言ではないと思います。議事録検索をすると、3月の定例会では福祉保健部長はこれについての質疑の中で
「介護保険制度改正の中で、在宅医療と介護の連携に関しては、地域支援事業に位置付けられました。国から示されている内容はかなり厳しいものがございますが、医療関係者、介護関係者などの関係機関と連携し、できるところから着手していきたいと考えているところでございます。」
という見解も述べられている状況から鑑みても、様々ハードルが高いことだと認識している様がわかります。また、計画の第5章「計画の推進」のP.108にも「医師会や歯科医師会、薬剤師会の関係機関と連携していくこともますます重要になっており、情報の共有化を図ります」とも書かれています。

「在宅医療・介護連携の推進」をみると、連携会議を今年度は3回実施すると書いてありますが、答弁によるとこの会議は5月29に第1回の会合が開かれたものの、意見交換を行った程度で、次回は9月に開催するとのことでした。年3回なのに悠長な印象です・・・。

医療と介護の連携にあたってですが、そもそも、小金井市には大きな総合病院が存在しません。恐らくそれが大きな課題の一つではないかと思っています。で、今小金井市は小平市にある公立昭和病院には出資し構成市の一つとなっています。昨年も、今年も行われた構成市議員見学会に私は参加させて頂き、その施設の充実度、救急救命の体制、現状、課題などもヒアリングさせて頂きました。
「小金井市には中核となる病院がなく、構成市となっている公立昭和病院との今後の連携が課題」

今年のその見学会の中で他市の議員からも実は簡単に質疑があったのを覚えています。いわゆる今後の介護と医療の連携におけるネットワーク化などについてでした。病院側の回答としてはまだ具体的な話はない、ということで今後の検討課題という主旨のやりとりだったと思います。

もう一つ視点を変えてみると、東京都で定めている二次保健医療圏でみると、
小金井市は「北多摩南部保健医療圏」に属します。



圏域の構成市は、小金井市のほか、武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、狛江市、この6市です。公立昭和病院は市の北西部からはアクセスが良く、重要な拠点の一つです。ただ、市の南部や東側エリアではこの二次保健医療圏の武蔵野や三鷹、府中の病院のほうがアクセスが良いという事情があります。

Q.市としては、この医療と介護の連携にあたっての大きな総合病院との連携という大きな課題について、どういうデザインを描いておられるのか。また、その辺の検討状況について教えてください。


これに対しては、今後の検討課題ということでした。ただし、例えば認知症の分野に関して三鷹市の杏林大学病院との連携を図っている、ということで部分的に連携は進んでいるとの答弁も。

しかし、医療と介護の連携を考えた際には、まずは確かに小金井市内の開業医を中心とした地域ごとの医療連携が重要です。とはいえ、24時間365日の体制づくりや、今後の2025年問題の際のボリュームを考えた際には大規模な総合病院との連携は欠かせません。今から大病院を市内に建設する訳にはいきませんから、近隣他市との連携が重要となってくるのです。

この他にも、地域包括支援センターの役割や体制強化、また圏域の設定などについても少し質疑させて頂きました。



第6期計画は3カ年の計画でまだ初年度ですが、他の議員の質疑を聴いていても、「これから」「他市事例の調査中」といった具合で先行きが不透明な印象が拭えません。引き続き、調査・研究をしていきます。




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