緊急性のない委託を全会一致の決議を無視して進める市長(東センター委託問題)〜昨日は厚生文教委員会 | いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。2013年市議会議員初当選。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。2022年11月27日市長選挙75%の得票、当選!市長となる。

昨日は厚生文教委員会でした。19:30頃にようやく終了しました(その後も協議会や事務的な打ち合わせ、事務作業などあり結局退庁したのは21時を回ってましたが)。

時間以上にその内容に疲れ果て、もう虚脱感という状態ですが・・・。


▼福祉会館関連の陳情書の採決

11日の福祉会館についての連合審査を終えた陳情書10本の委員会討論・採決からはじまりました。特に異論はなく、全てを委員会採決にかけるという流れでした。

「3号 福祉会館内随所に耐震診断の結果及び避難経路の掲示を求める陳情書」
「4号 福祉会館の使用停止と仮移転を求める陳情書」
「10号 福祉会館を早急に仮移転することを求める陳情書」
以上3件は全会一致で委員会採択です。


「9号 新福祉会館建設計画の見直しを求める陳情書」
「11・19・26号 新・福祉会館の安全性の確保を求める陳情書」
「13号 新福祉会館建設計画の凍結を求める陳情書」
「18号 厚生文教委員会の所管事項に関連して、新福祉会館計画市民検討委員会設置を求める陳情書」
以上6件は反対多数で残念ながら不採択となっています。

その6本は採決態度が全て同一なんですよね。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 
<賛成③>森戸(共産党)、田頭(ネット)、白井(こがおも)
<反対④>中根・中山(自民)、小林(公明)、岸田(民主)、で反対多数の不採択に。

内容をみていくと、「仮移転を求める陳情書」については、既に市が仮移転をする方針が決まっているからその関連陳情は全会一致で採択となり、その他の陳情書、特に市民検討委員会を設置するとか、建設場所を再考するような陳情書は上記のように賛成・反対が明確に別れた形になっています。


▼認可と認可外の保護者負担の格差解消について

今回はじめて審査された「小金井市認可外保育室等入所児童保護者助成金の交付に関する条例」は、継続審査となりました。閉会中の委員会(8月下旬)で再度審査されます。この条例は認可保育所と認可外保育室等の間での保護者負担があまりにも差があり過ぎるため、保護者から陳情書2件が提出され、いずれも全会一致で採択されているものの、市が動きがないことから議員提案されたものです。認可保育所と認証保育所では、第一子での比較では認証保育所に通う児童の保護者は大体倍くらいの保育料を支払う計算となります、また、第2子以降は認可保育所では負担軽減が適用されますが認証ではその措置がないことから、2人の子ども分のその保育料で比較計算すると3倍近い負担となることがわかっています。


▼東センター委託問題



今日の厚生文教委員会で最も時間がかかったのは、例の東センター委託問題です。これは既に新年度予算に組み込まれていることから新たな議決は不要のため、あくまで「行政報告」という形で貫井北センターを受託しているNPO法人に8月から東センターをも委託するという件の経過報告がなされました。

<最近投稿したこの問題について整理したblog>
東センターの委託問題は、稲葉市政の無計画行政&非効率行政の典型的な事例。

市は3月定例会で議会が付帯決議で示した条件を「全てクリアした」「あとは議会の理解を」と述べてますが、中身が伴っていないことが明らかです。例えば、公民館運営審議会から市の公民館の中長期計画がないことを「問題事項」として指摘されているにも関わらず、取り掛からずに「今後の課題」という整理に終わっています。理事者は「全て解決した」と言いますが、全く解決しておりません。何を理由に「解決した」とおっしゃっているのでしょうか。



「公民館・図書館の将来ビジョンがあって、その実現のために運営主体に民間活力を活かしていく」ということを示される材料は現段階では存在しません。現状、その将来像自体が全く描かれていません。公民館は5館構想(20年前の基本計画より)という考え方がありましたが、今は事実上6館で運営されています。「緑分館が開館するまで」→「北町センターが開館するまで」とされた本町分館は結局未だに残されたままです。ちなみに、公民館本館の「センター化の検討」も示されていましたし、有料化の検討も含め、やるべきことは沢山あるはずですがいまだずれも放置状態となっています。

これらは今後の「公民館のあり方」に集約される訳ですから、その整理も含めまずは中長期計画を定めることからはじめるべきでしょう。運営主体をどうこうというのはその後の「手段」の話です。

結局、優先してやるべきことを放置してきて、未だ公民館・図書館のあり方を描けずまま、小手先で緊急性のない東センターを委託することに職員及び市の労力を費やしていることになります。

これは行政執行上の効率性が悪く、色んな軋轢を生み余計な労力・コストがかかっているといえます。こんな無計画行政はありません。

職員のモチベーションを下げ、行政執行のパフォーマンスを下げているのは果たして誰でしょうか。


・・・しかし、今回の質疑で改めて経緯を確認したら、呆れる内容となっています。

<決議後2日間の動き>
・3月25日夜(定例会最終日)
全会一致での東センター予算関係予算の執行停止決議
・3月26日 10時~
公民館運営審議会で公民館長が「8月を目処としたい」と発言
・3月27日
NPO法人の「理事の会」で生涯学習部長や館長らが8月からの委託を打診・・・。

市として鋭意取組むのは理解できますが「8月からの委託ができる状態ではない」ということがわかったから予算執行停止決議を全会一致で可決したにも関わらず、翌日から市側は全く意に介さない態度・行動を取られていたわけです。

議会の全会一致の決議って、一体何なんでしょうか。


当該NPOについては、要するに組織ガバナンスが問題だと指摘されたにも関わらず、市の答弁によると以下の状態らしいです。

「スタートラインに立った」
「機運が高まっている」
「前向きになっている」
「変わりつつある」

変わりつつある?

以上を聴く限り、組織ガバナンスが改善されたという具体的なエビデンスは示されていません。「変わりつつある」ことは「変わった」ということと全く意味が違います。正直に答弁されている担当職員は敬意を表しますが、申し訳ないですがこんな精神論的材料で誰が納得いくんですか?

残念ながら精神論を並べているあたり、答弁が苦しいことを表わしているといえます。筋が通っていない答弁である限り、説明にはなってません。行政は説明ができない進め方をするべきではないんです。説明が理にかなっていれば反対する人は少なくなります。かくいう私はそれに該当します。これまで何度も述べてきましたが、私は民間委託自体を反対するものではありません。考え方の軸としては「民間でできないことを行政がやる」と思っているくらいです。今回の東センターも委託はしたほうがいいと思っています。

とはいえ、事実上の議会軽視(という無視状態)の扱いを受けながら、納得して認めてしまう会派・議員がいるから、結果的に市側を甘やかしてしまっているんですよね。自ら議会の存在意義を薄めてしまっている残念な判断です。

「市長がやると言ってるんだから」
「担当がこれだけ頑張ってきたんだから」
「NPOがやると言ってるんだから」
「公民館運営審議会、図書館協議会が了としたんだから」


・・・こういう議員の言葉も耳にしています。やると言った側へ責任を押し付け、議員としての責任放棄ではないでしょうか。我々は、執行が適切になされるかどうか(短期的・長期的の両面で)を審査し判断せねばなりません。

中身をみないといけないのではないでしょうか。

こういうやり方の反作用(悪影響)をも考慮しないといけないのではないでしょうか。

ここまでハレーションを起こしてまで無理やり進める緊急性がどこにあるんですか?



私は中身(問題が解決されてはいない)もそうだし、これまで様々書いてきたように、こういう仕事のプロセスが認められることの反作用(悪影響)は市に多大な損失を与えることになる、と思っています。

このような優先順位の低く効果が薄い取組でごまかし、プロセス無視の進め方が横行することで、本来優先順位の高い取組を遅らせることに繋がるとなぜ気づかないのか不思議でなりません。ひいては、中長期的視点では非効率であり、余計な労力を職員に課すことになってしまっています。

行き当たりばったりの行政はもう御免です。

こういう文化を変えなければなりません。


【ご意見・お問い合わせなどなど】
■Twitter= https://twitter.com/shirai106
■mail= kogaomo@gmail.com
■白井とおるホットライン= 080-7006-8964
■こがおもWebサイト= http://kogaomo.com/
■facebookページ= http://www.facebook.com/kogaomo
■facebook= http://www.facebook.com/shirai106
※facebookの「友達申請」は基本的にリアルにお会いした方を対象としておりますが、その限りではありません。まずはメッセージを頂ければ幸いです。ご了承ください。