寝耳に水の「第2庁舎(レンタル庁舎)購入」~新庁舎建設は完全凍結? | いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。2013年市議会議員初当選。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。2022年11月27日市長選挙75%の得票、当選!市長となる。


長年の小金井市の懸案事項である「新庁舎建設事業」について、大きな動きがありました。

突如、先週後半になって市長が「第2庁舎を購入取得する」と言い出したのです。



しかも、既に9月定例会が始まっている最中、全く事前予告もなく追加送付議案として補正予算案を提出し、9月24日に議決をして欲しいというものでした。


▼「第2庁舎」とは?

市役所第2庁舎は、8階建ての建物です。市民窓口など、市民が関わる部署がまとめられた庁舎であり、色々な手続きはこの庁舎で受付しています。

このビルは、小金井市が新庁舎を建設できず、地主に建ててもらって賃借契約でちょうど20年に渡って借り続けている庁舎です。今年6月には調停まで持ち込んで賃料を減額した上で平成30年8月までの新たな契約を結んだばかりです。現在の賃借料は年間約2億2,300万円となり、契約を始めた当初から相場と比較しても「高額」と言われ続けて20年が経過しました。
それゆえ、「早くレンタル庁舎を解消して新庁舎建設を!」という掛け声の元、様々な経過を踏んで中町のジャノメ跡地(OKストア北東)を建設予定地として位置づけ、平成25年3月には新庁舎建設基本計画たるものを市民参加で作成してきた経緯があります。

ただし、その基本計画に沿っていくと今年度から基本設計に取り掛かり、平成30年度に開庁というシナリオでしたが、6月に入ってこの資材高騰・労務単価の上昇トレンドの中、財源確保がより困難となり「凍結も視野にあらゆる方策を検討する」という状態が約3か月続いていました。


▼突然の「第2庁舎購入」

そこに、新庁舎建設を一旦正式に凍結し、代わりに念願の「レンタル庁舎解消」を実現できる「第2庁舎を取得する」ための補正予算を今定例会中に提出し、9月24日までに議決して欲しいという話がありました。

なぜ、そんなに急ぐのかというと、取得に要するお金は約18億円であり、そのうち約15億円を市債を発行して借りることで充てるのですが、約15億円うち7億円の借り先の金利が「今なら1%安く借りれる」というのが理由のようです。


▼市の主張は「買ったほうが安くつく」

市の説明としては、新庁舎建設を凍結した場合、何もしなければレンタル庁舎に“高額な”賃借料を払い続けることになります。それよりも、今購入すれば、①保証金7億円がそのまま返ってくる ②金利が1%安く市債発行できる ③15年間の償還で計算すると合計約17億円の財政効果がある、というものです。


▼新庁舎建設はどうなるの?

市の説明によると、新庁舎建設は「あくまで凍結」とのことです。ただし、上記の試算も含め財政効果分を基金に積み、新庁舎建設の財源を確保するというので、15年以上先の話となります。


▼ありすぎる問題点

この一連の話を整理すると、大きく問題点は3つ挙げられます。


【問題点①】
市民への説明や周知を飛び越した無茶苦茶なスケジュール

・この庁舎問題は、20年以上続いてきた問題と言われています。ただ、先ほど書いたように市民参加で創り上げてきた新庁舎建設基本計画であり、その前に遡れば、1万人市民アンケートを経て蛇の目跡地が建設予定地になった経緯もあることから、基本計画に示されているスケジュールから逸脱するのであれば、計画策定に関わった検討委員会のメンバーをはじめ、市民全体への周知と説明が必要といえます。

・これまで全く議会には知らされていなかった。

・また、9月定例会が既に開催されており、そのような議案を突如提案してきて、賞味(営業日換算で)1週間しか時間を与えないことは綿密な検討や調査ができないといえる。


【問題点②】
新庁舎建設の「凍結」の結論に至る「財政確保が困難」の具体的な中身は示されていない点

小金井市はずっと危機的財政状況だと言われています。確かに経常収支比率(義務的経費の割合)が多摩26市で最悪(=最も財政運営が柔軟にできない)現状であります。今回、諸事情により「財政確保が困難」というならば、それを判断するための色々な試算が存在するはずです。ただ、その説明は一切されていません。


【問題点③】
第2庁舎の取得は公共施設の再編の問題にまで発展する点

第2庁舎は購入取得するなどはどこにも書かれていません。とすれば、公共施設再配置への市の方針である「総量抑制」や「縮減」とは真逆となります。第2庁舎を取得すると市内の「市保有公共施設床面積」が増えます。その後新庁舎を建設できたあと第2庁舎を「活用する」と言われても、具体的に絵があるとはいえません。かかるコストの比較をするなら、ここまで含めた試算でないと適切なコスト比較にはなりません。


▼今後の予定



本日は、この件で全員協議会を開催する予定でしたが、その前におこなっていた予算特別委員会が夕方までかかったことと、今後の議会の進め方について調整が入り、結局本日は資料の説明を聴いて終了となりました。

19日(金)→全員協議会の開催は確定しました。 その後、24日、25日、26日と続くことも想定されます。

いずれにしても、補正予算の議案は24日の前半最終本会議で上程されるようです。




資料がようやくアップされていますので、こちらの資料も併せてご確認ください。
資料「新庁舎建設事業の凍結及び第二庁舎の取得について」




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