3月はシベリウスの交響曲を聴いてみましょう ④
シベリウスの交響曲、第7番は先に聴いているので、最後は第6番を聴くことになりました。ずいぶん久しぶりなので、どんな曲だったかなと、かなり忘れていますね…。CDは定番のベルグルンドです。というか、それしか持っていません(笑)。
買ったCDはちゃんと聴こうシリーズ ㉘
【CDについて】
作曲:シベリウス
曲名:①交響曲第6番二短調 op104 (31:22)
②交響詩「ルオンノタル」op70 (9:50)
③交響詩「ポヒョラの娘」op49 (13:47)
演奏:ベルグルンド指揮 ボーンマス交響楽団 ヴァリャッカ(s)②
録音:①1973年11月24日、ロンドン Kingsway Hall
②1975年6月3日、ロンドン Abbey Road Studio No.1
③1974年9月9日、サザンプトン Guildhall
CD:TOCE-16017(レーベル:EMI、発売:EMIミュージックジャパン)
【3月のお題:今日の初登場曲は?】
交響曲第6番
シベリウスは1914年に交響曲第5番~第7番の3曲を同時に着想したと言われています。まず、生誕50年のための第5番が先行して作曲されますが、他の2曲については第一次大戦の中で作曲は停滞してしまいました。その中でフィンランドが独立。終戦後再び作曲が進められ、最終的に完成したのは1923年となりました。
ルオンノタル
ソプラノ独唱付きの交響詩。フィンランドの神話に基づき、詞は「カレワラ」から採られています。ルオンノタルは大自然の精霊であり、海の母ということです。作曲時期としては、交響曲第4番の後という時期になります。ソプラノ独唱付きである上に、歌唱はかなりの難曲ということで、録音は比較的少ないと思います。
ポヒョラの娘
ポヒョラの娘は、1906年に作曲された叙事詩「カレワラ」の物語に基づく交響詩で、主要登場人物である英雄ヴァイナモイネンとポヒョラの娘の物語が描かれます。英雄ヴァイナモイネンは、虹に腰掛けているポヒョラの娘を見つけ、娘に同行するように誘いますが、娘はその条件として提示する試練を果たすことと答え、英雄はトライしますが果たせず、結局諦めて旅を続けるというお話でした。
【演奏についての感想】
シベリウスの交響曲第6番。ここまでシベリウスの交響曲を連続して聴いてきたあとでの第6番の印象は、明るい曲だなぁということでした。内省的な第4番や、祝祭的ではありますが、控えめな明るさの第5番という印象を持ったので、ここにきてちょっと振り切れたような感じもしました。直前には大戦による長い休止期間と、恩人の死があり、祖国独立と宗教的敬虔さが反映されているのかなと思いましたが、そのあたりはよくわかりません。シベリウスらしい旋律もふんだんに出てきますし、シベリウスの交響曲としての完成した形ではないかと思いました。
演奏はベルグルンドで、シベリウスの演奏の第一人者。ベルグルンドは、ボーンマス響、ヘルシンキフィル、ヨーロッパ室内管と三度の全集を残しており、どれもが出色の出来ということです。その中でこのボーンマス響の全集は、今ではのちの二つの全集の影に隠れてしまっている感もありますが、清冽ながらも内容の濃いロマンティックな表現がされていると思います。それだけにとても聴きやすくて面白いのですが、もしかしたら現在求められるシベリウス観からすると、少し違うのかな?と思いました。
カプリングの管弦楽曲も楽しめました。「ルオンノタル」は初めて聴きました。Wikiに、ポヒョラの娘はヒッチコックのサイコの音楽に影響を与えたと書いてありましたが、なるほどこれか…という感じでした。実はボーンマス響の録音は、私は全集でも持っているのですが、それにはこの2曲が含まれていないので、なんとなくこのCDは存在意義を発揮しています。あと、ベルグルンドがベルリン放送響と録音した第6番のCD(ETERNA)もありましたので、いつか聴き比べてみたいと思いました。
【録音に関して】
柔らかい音で、なかなかいい録音だと思いました。この時期のEMIにしては…(笑)。
【まとめ】
今月は、シベリウスの交響曲の第2番以外を聴きました。普段聴いてこなかったので、大変新鮮でしたが、どれも面白かったですけど、印象に残ったのは第4番と第6番ですかねぇ…。この2曲あたりから、もっと聴いて奥深くに分け入ってみたいと思います(笑)。
購入:不明、鑑賞:2024/03/20
シベリウスの交響曲の記事をリンクしておきます。全集です(笑)。