シベリウス:交響曲第3,7番 コリン・デイヴィス ロンドンso (2003) | クラシックCD 感想をひとこと

クラシックCD 感想をひとこと

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3月はシベリウスの交響曲を聴いてみましょう ②

シベリウスの交響曲、今週は第3番を聴いてみたいと思います。これも普段あまり聴かない曲です。シベリウスの交響曲の中でも、演奏頻度が少ない方ではないかと思うのですが、どうなんでしょうか?

買ったCDはちゃんと聴こうシリーズ ㉕

【CDについて】

作曲:シベリウス

曲名:交響曲第3番ハ長調 op52 (30:52)

   交響曲第7番ハ長調 op105 (22:52)

演奏:コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団

録音:2003年10月1-2日(第3番),2003年9月24-25日(第7番)

   ロンドン Barbican(ライヴ)

CD:LSO0051(レーベル:LSO LIVE)

 

【3月のお題:今日の初登場曲は?】

交響曲第3番

すでに名声を得ていたシベリウスですが、享楽的な生活に陥ってしまい、健康を害してしまいます。創作活動も停滞してしまう状況に、シベリウスは1904年、ヘルシンキ郊外のヤルヴェンパーに移り住みました。自然に囲まれて創作意欲を取り戻したシベリウスは、ロイヤル・フィルハーモニー協会の委嘱による新作交響曲に着手します。しかし様々な仕事の依頼で、作曲は中断を重ね、完成したのは予定の半年遅れの1907年秋でした。この曲は、シベリウスの新居が妻の名前をとって「アイノラ」と名付けられたことから、「アイノラ」と呼ばれることもあるそうです。

曲は3楽章形式ですが、最終楽章がスケルツォとフィナーレの性格を併せ持っており、この手法は最終的に第7番の単一楽章へと発展していきました。また、第2番までの派手な後期ロマン派様式から、後期の純粋な密度の高い作風の過渡期にあたり、転換期の曲と認識されています。

 

【演奏についての感想】

まず、交響曲第3番から。低音の弦でリズミカルに刻まれる主題が登場し、さらにチェロの旋律の主題が登場して、展開していきました。楽章全体を通しで、弦で刻まれるリズムが印象的でした。波のように盛り上がったり、静かに引いていったりと繰り返しながらの展開でした。後半に入るとかなり元気のいい雰囲気になってきます。第二楽章は一転静かな展開です。フルートで主題が提示される変奏曲。素朴で美しいメロディがいろいろな楽器で演奏されます。変奏と言ってもメロディ自体はあまり変わらない感じですが、オーケストラの色彩が次々変化している感じです。第三楽章は今まで登場したメロディが次々と出て来て、全体が構成されます。そして後半に入ると、新たな主題が出て来て高揚していくという感じです。

 

いろいろ盛りだくさんの音楽で、細かく聴いていくとなかなか楽しめました。コリン・デイヴィスの演奏も、細部までよく表現されているもので、派手に何かを聴かせるといった風ではなく、コリン・デイヴィスらしいく、真摯で実直にこの曲を表現していると思いました。しっかりシベリウスをまとめた感じですかね?第二楽章などとても美しく、伴奏の弦の雰囲気なども良かったと思います。コリン・デイヴィスはシベリウスを得意にしている指揮者の一人ですね。

 

第7番は、先週聴いたマゼールとは違って、普通のテンポの演奏です。短い間にいろいろな楽想が詰まっている曲を、堂々と構築された演奏で聴かせてくれる録音だと思います。これがライヴ?という感じがするほど、整っていますね…。録音技術も進歩したものです。最近は北欧系のオーケストラや指揮者が幅を効かせていて、伝統的なオーケストラの演奏がいまいち盛り上がらない感じのあるシベリウスですが、立派な表現というのはあるものだと思いました。

 

【録音に関して】

ものすごくクリアか?と言われると、完全ではないかもしれませんが、細部までよく聴こえて、かつ全体の雰囲気が良くまとまっているいい録音だと思います。ライヴ録音とは思えないようなクリアな音です。

 

【まとめ】

シベリウス、この際全部久しぶりに聴いてみようと、順番に進行中です(笑)。ここから奥深い世界に入っていきますね。(と言っても、最初から第7番を聴いてしまっているのですが…。

 

購入:不明、鑑賞:2024/02/27

 

とりあえずシベリウスで書いた記事を少しリンクしておきます。