【CDについて】
作曲:バルトーク
曲名:①管弦楽のための協奏曲 Sz116 (35:06)
②弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz106 (27:17)
演奏:ショルティ指揮 シカゴ交響楽団
録音:①1981年1月、②1989年11月 シカゴ Orchestra Hall
CD:POCL-5075(レーベル:LONDON、原盤:DECCA、発売:ポリドール)
【曲に関して】
1940年に戦禍を逃れてアメリカに移住したバルトークですが、環境に馴染めず生活は困窮し、体調を崩してしまいます。友人であったシゲティやライナーたちは、クーセヴィツキーにバルトークの作品を演奏するよう助けを求めましたが、それを理解したクーセヴィツキーはバルトークにオーケストラ曲を委嘱。その結果作曲されたのが、バルトークの代表作となった、管弦楽のための協奏曲でした。
【演奏についての感想】
バルトークの代表的な管弦楽曲のこの2曲は、よくセットで録音されています。このCDもご多聞に漏れずだと思っていたのですが、けっこう録音時期が離れているのに気づきました。元々は、「管弦楽のための協奏曲」は、「舞踏組曲」と、「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」は、「中国の不思議な役人」、「ディベルティメント」との組み合わせで出されたものなのですね。全く記憶にありませんでした。そうなると、オリジナルが欲しくなります…(笑)。
私はこの曲、特に「管弦楽のための協奏曲」の方は、長らくライナー=シカゴ響を愛聴していました。「弦楽器…」はそれ以前にストコフスキーのLPを聴いていましたが、それは高校生のころの話です。基本、ライナー盤で満足していましたので、あまり他の演奏は聴いていませんでした。今回、クリアな音で、絢爛であり迫力のあるショルティの演奏を聴いて、随分派手で、とてもわかりやすいのだな…と思いました。ライナーの方は少々ソリッドな印象があります。作曲後まだ12年経過の段階の録音なので、当時としてまだ「現代の曲」の録音なのでしょう。
ショルティ=シカゴ響の演奏は、オーケストラの実力全開と言った形の、美しくて迫力のある録音でした。「管弦楽のための協奏曲」の第四楽章のショスタコーヴィチのフレーズも、くっきりと目立っています。そして何より、「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」の第四楽章はものすごい迫力!と思いました。ショルティの初めての録音も作曲間もない50年代でしたが、作曲から40年近く経過したこの頃にあっては、すっかり定番となり、演奏も多様化していた時期と思います。ショルティの名録音の一つですね。
【録音に関して】
オーケストラの機能を捉え切った、素晴らしい録音です。
【まとめ】
さすがの迫力と思いつつ、やはりオリジナルのCDが気になるのでした(笑)。このCDは31円で落札したので惜しくはないのですが、せっかくなのでこれも大切にしておきましょう…。
購入:2024/01/09、鑑賞:2024/01/23
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