【CDについて】
作曲:チャイコフスキー
曲名:序曲「1812年」op49 (15:56)
イタリア奇想曲 op45 (15:14)
組曲「くるみ割り人形」op71a (22:12)
スラヴ行進曲 op31 (10:46)
演奏:デュトワ指揮、モントリオール交響楽団
録音:1985年10月 モントリオール L'Eglise de St Eustache
CD:417 300-2(レーベル:DECCA)
【曲に関して】
1812年は、博覧会で演奏される目的で作曲が始められましたが、チャイコフスキー自身はさほど乗り気ではなく、出来のいい作品とも思っていなかったようです。初演までは時間がかかったようですが、解りやすい内容でもあり、徐々に人気曲となっていきました。最後のカノン砲や鐘の挿入が有名で、デジタル初期は、その部分の録音を大々的に売りにした音源もありました。この録音もシンセサイザーを使ったということで、画期的であったようです。
【演奏についての感想】
この記事が投稿される頃は新年になっているので、何か新年らしい曲をと考えるのですが、クラシック音楽と新年というのか、なかなか結びつかなくて…。ウィンナワルツというのもねぇ、と思いながら、楽しげな音楽なら良かろうと、チャイコフスキーの管弦楽曲集にしてみました(笑)。なんで?という感じもしますが、最近入手したCDの中では、これが一番似合っていそうでした。😅
このCDは、なんと言ってもデュトワ=モントリオールの輝かしい音や、しなやかな肌触りが聴きものです。デュトワはたくさんのこういった名曲集を残していますが、どれも美しいのは保証つきで、安心して音の世界に浸ることができます。かつては、大巨匠たちもこういった軽めの曲の録音を残していましたが、最近はあまり新録音を聴かないような気もします。リスナーの求めるものが高尚になったのか、あるいは私自身がそちらの方に目が向いていないだけかもしれません。
1812年のこの録音は、シンセサイザーを使って話題になりました。そのラストはズシンという迫力はありますが、デュトワの演奏にもあった形で穏やかに響く感じもします。鐘の音もキラキラ鳴り響きます。ただこの歳になると、こういった効果音はなくてもいいかなと思ったりします。花のワルツはやっぱりいいですねぇ。名曲でデュトワの演奏もとても美しい。デュトワはこののち、くるみ割り人形の全曲版も録音しています。スラヴ行進曲は、ゆったり目のテンポでじっくり聴けて、なかなか良かったです。軽い感想になってしまいましたが、チャイコフスキーの曲を典雅に味わうことができるという趣向で、大変いい演奏だと思いました。
【録音に関して】
デュトワ=モントリオールの音を楽しむことのできる、素晴らしい録音です。これらの曲がエレガントに聴こえます。
【まとめ】
スタンダードな曲を最高に美しい演奏で聴くというコンセプト。時々こういう曲を、初心に戻った感じで楽しみたいと思います。
購入:2023/12/14、鑑賞:2023/12/25