モータル・カジノ。
とある非合法組織が経営する、世界有数の地下カジノである。一晩に小国の国家予算にも匹敵する金額が動くこのカジノには、世界各国の首脳や大企業の社長に雇われたプロの賭師達が集まる。
ーホワイトハウス
合衆国大統領・アルフレート=ミシェイル「今夜も頼むよ、ギャンブルマスター・ポールくん」
ポール「お任せください。今夜もあなたのポケットマネーを倍にして差し上げますよ」
ーバチカン市国
法皇「…おい、今夜のプレイヤーはどうなってる」
教徒「はっ、今夜は歴代最強の男です。入ってこい」
賭師「リチャード・オオシミズです。以後お見知りおきを」
法皇「…腕は確かなんだろうな?」
教徒「はい、この男は天才です。イタリアで経営されていたカジノがこの男一人によって全滅しました」
リチャード「お陰さまでマフィアから命を狙われてまして。守っていただく代わりにしっかり稼ぎますよ」
法皇「ふむ…期待できそうだ、な…」
その夜、某国モータル・カジノにて…
ポール「…ブラックの10」
ころころ…すぽん
「おめでとうございます。また当たりです」
ポール「ふっふっふ、今夜は何だか調子がいいなぁ」
至高のイカサマ師・ポール=アンダーソン
リチャード「ほら、フォーカードだ」
侍「なんということでござる!!!お主、さてはイカサマでござるな!?もう一度、もう一度でござるぅ!」
リチャード「人聞きの悪いことを言うな、もうお前は一文無し。失せろ」
侍「ござるううううっ!」
究極の詐欺師・リチャード・オオシミズ
無精髭「レッドの23」
ころころころ…すぽん
「おめでとうございます、また当たりです」
ポール「おや、あなたも調子が良さそうですね。どうです、ひとつ勝負をしてみませんか。次に予想を当てた方に所持金の半額を支払うというルールでいかがです?ちょうど同じ位のお金をもっているようですし。」
無精髭「ああ、構わんよ」
ポール「それではお先にどうぞ」
無精髭「レッドの9」
ポール「私はブラックの21で」ニヤリ
ころころころころ…すぽん
ポール「おや、ブラックの21ですねぇ!いやぁ、なんだか今日は調子がいい。それでは約束通りお願いします」
無精髭「こりゃ参ったなぁ、ほらよ」
ポール「ありがとうございます。おや?あなたのその腕輪、もしやあの『メビウスの腕輪』では?」
無精髭「よく知ってるな。その通りだよ」
ポール(はめたものに究極の強運を与えるという伝説の腕輪にこんなところで出会うとは…ああ欲しい。そうだ、こいつもギャンブラー。再戦を挑めばのってくるはず…!!)
ポール「そうだ、もしよろしければもう一度勝負しませんか?今度は全所持金を賭けて。ただまあ所持金に差があるのであなたが負けた場合はその腕輪もいただくことになりますが」
無精髭「構わんよ」
ポール「それではまたお先にどうぞ」
無精髭「レッドの14」
ポール「レッドの8です」ニヤリ
至高のイカサマ師・ポール=アンダーソン。体内に埋め込んだ無数のコイルで電磁石を作り、磁場を操作することでルーレットを好きなところで止める。そして今回もコイルを操作していた…
(能力発動!)
ころころ…すぽん
ポール「………レッドの14?」
無精髭「俺の勝ちだな」
ポール「馬鹿な、この俺が負けるわけ…コイルが作動しなかった!?インチキだ!どんな手を使った?どうやったんだぁぁあ゛ぁぁぁぁあぁあ゛゜゜」
無精髭「何も。ただ運が良かっただけさ。さあ、約束通り頂こうか、全財産」
ポール「ぢぐしょおおおおっ」
無精髭(油断させるために一度負けてやったことにすら気づかないとはな…)
リチャード「いい様だな、ポール」
ポール「リチャード、貴様…」
リチャード「まあお前はイカサマを使っていたようだったからな、負けて当然さ」
ポール「くそっ…」
リチャード「ところで無精髭さん、私ともその腕輪を賭けて勝負していただけませんか?もちろん私が負けた場合は全資産をお支払いいたします」
無精髭「いやだといったら?」
リチャード「その場合は余生をベッドでお過ごしになるはめになるでしょう」
無精髭「くっくっ、面白い。のるよ」
リチャード「ではポーカーで勝負です」ニヤリ
ーGAME STARTー
ディーラーはカードをきる。シュッシュッシュッシュッ…
無精髭(能力発動!)
ディーラー「どうぞ」
リチャード「私はノーチェンジで」
無精髭「俺もだ」
リチャード「ほう、あなたもですか…では勝負といきましょう」
リチャード…フォーカード
無精髭…ロイヤルストレートフラッシュ
リチャード「ロ、ロ、ロ、ロイヤルストレートフラッシュだとおおおっ!?!?」
「ざわざわ…ざわざわ…」
無精髭「あいにくと強運でね。」
リチャード「ふざけるなっ!イカサマだ!イカサマに決まってる!おいディーラー、お前裏切ったのか!?」
ディーラー「いえ、私は何もしておりません」
無精髭「おいおい、ディーラーはあんたを裏切っちゃいないよ。その証拠にちゃんとあらかじめ用意されていたフォーカードがあんたの方にいっただろ?俺のは正真正銘偶然さ。さあ金をもらおうか」
リチャード「おのれええええっ、おい、お前達!」
教徒A「どうやらあなたは楯突いてはいけない人に楯突いてしまったようですねぇ…」
教徒B「フハハ!神から賜ったこの力ああああっ!見せてくれるわああああああっ!」
教徒C「異教徒は滅殺する異教徒は滅殺する異教徒は滅殺する異教徒は滅殺する…」
ポール「俺もどさくさにまぎれて参戦しよう」
リチャード「どうだあ!命が惜しければその腕輪を寄越せえっ!」
モータル・カジノ。ここでは乱闘はもちろん、武器の持ち込みも制限されていない。運営側は相討ちになるのを狙い、止めもしない。まさに「死ぬ運命の賭博場」である。
無精髭「…最初から分かってたぜ。アンタらが襲ってくるのも、」
ズバッズバッズバッズバッズバッ!!!!
侍「……賭け斬っ!」
無精髭「このタイミングで助けが入ることもな」
リチャード達「ぐああああああっ」
侍「分かっていたんでござるか」
無精髭「ああ。俺は『確率』の能力者でね。僅かにでも可能性があればその確率を1にできるのさ。つまり自問自答で大抵のことは分かる。アンタは能力者か?…答えはyesだ」
侍「拙者に能力を教えてしまっていいのでござるか?お主も数学最強トーナメントに出場するのでござろう?」
無精髭「まあな。だがまあ、助けてもらった礼さ。」
侍「そうか、お主は気持ちよい男だな!是非トーナメントであたりたいものでござる」
無精髭「哀川賽だ」
孤高の賭博師・哀川賽(確率)
侍「拙者は松下五衛門でござる」
計算侍・松下五衛門(数列)
哀川「そうか、ではトーナメントで会おう」
松下「うむ」
ーホワイトハウス
カジノの様子が写されたモニターを眺める男がいた。
アルフレート大統領「ポールの糞野郎!全額スリやがって!あの哀川という男…許せん…っ!」
シュタッ
エージェント「お呼びでしょうか大統領」
アルフレート大統領「日本で数学最強トーナメントなるものが行われるらしい。あの男を参加させろ。皆殺しだ」
エージェント「!?、まさか、あの男を?」
アルフレート大統領「うむ…」
ー某国
民兵「ははははははっ、蜂の巣になりやがれええええっ!」
男「・・・」
男は銃を乱射する兵士の後ろに一瞬で回り込んだ。
民兵「おろ?消えた?」
男「・・・」ピト
男は指を民兵の背中に当てた。
民兵「いつの間に後ろに…!?があ…hkuneapwgkgwptgamgjtkgq」
民兵の体は背中の一点を中心に渦を巻くようによじれ、そして「それ」がヒトではなくなるのに時間はかからなかった。
ぷるるる…ぷるる…
男「・・・」ガチャ
エージェント「大統領から直々の依頼だ。日本で行われるある大会に出てもらう」
男「・・・・報酬は?」
エージェント「望み通り」
男「引き受けた」
つづく…