今回もイスカさんたちのお話しですよ照れ

 

真っ赤なイスカの雄。

(2023.11.2)

 

 

改めまして、県内の某クロマツ林に滞在してるイスカの群れ。なかなか出会えないイスカたちにもう夢中です!

しかも変った水飲みシーンも見られて大興奮ラブ!思わず何度も通っちゃってます。

 

今回はそんなイスカたちを、ちょっぴり深掘りしてのご紹介。

 

 

 

イスカの嘴

 

イスカは全長17センチ程のアトリ科の鳥。ユーラシア大陸中央部から北米にかけて広く分布しています。日本でも一部の山地で繁殖が確認されていますが、その多くは秋に大陸から渡ってくる冬鳥です。越冬場所は山地の針葉樹林などで、海辺のマツ林などで見られるものは移動中の個体であることが多いようです。

 

イスカは雄の鮮やかな赤色が目を引きますが、この鳥最大の特徴は、他の鳥が持たないイスカの仲間特有の嘴の形にあります。

 

 

(2023.10.28)

 

↑それがこれ

なんだか変った形のペンチのような…独特なデザインですよね~びっくり

絶対挟まれたくないガーン想像しただけで恐怖~タラー痛そうガーンタラーみたいな印象を受けますよね。(笑)

 

 

嘴は根元は太く、先端は鋭く尖り、上下に湾曲しています。そして、何より交差しちゃってるところが凄い。

なんだこりゃ?みたいな嘴ですよね。何でこんな奇妙な嘴をしているのでしょうか?

 

実はこの嘴の形は、彼等の食べ物に深く関係しています。彼等の主食は松の実。松ぼっくりの中にある松の実を取り出す為に、進化の過程でこんな嘴になちゃったんです。つまりこの嘴は「松の実取り出し用工具」なんですね~チュー

この上下に突き出た嘴を松ぼっくりの傘の間に突っ込んで、器用に開いてから中の実を取り出して食べちゃうんです。

 

口を開けるイスカ。舌が見えてます。

 

(2023.11.2)

 

イスカのこの嘴は古今東西、人の目を引くようで古来ヨーロッパではイエス・キリストが磔になった時、その釘を抜こうとしてこのような嘴になったという伝承があります。以来イスカはキリスト教文化圏では義人のイメージがあるとか。日本のことわざにも「イスカの嘴(はし)の食い違い」というのがあるそうです。これは物事に齟齬があり上手くいかないことの例えだそうです。その他、日本の建築関係にも「イスカ」と呼ばれる木材の切り方もあり、この鳥の嘴を模した形に切って継ぎ手などに使われるといいます。

 

この独特の交差した形故、イスカの「嘴」は昔から人間の文化や生活に影響を与えてきたんですね~。

(シミジミ~照れ照れ

 

ちなみにイスカの和名は漢字で書くと「交喙」で、英語では「Cross bill(クロスビル)」で、どちらも交差した嘴という意味です。納得爆  笑

 

さてこの嘴の交差ですが、実は雛の時は普通の形なのだそうです。それが孵化後およそ1~2週間程経つと交差してくると言われ、この時、下の嘴が左右どちらかに出るかは決まっていないそうです。つまり個体により左出と右出がいるということ。

ホントかな?

では実際、見てみましょ!(わくわくチュー

 

この子は…

 

(2023.11.3)

 

 

拡大~♪

おっ、左に出てます。

 

 

 

ではこの子は?

 

(2023.10.27)

 

また、また拡大~♪

えっと…右…ですね。

おお~右だあ!

ホントだ~。スゲ~♪♪

 

 

とまあ、イスカさんたちの独特の嘴を見ていただきました。調べたところイスカは世界で6種いるそうですが、皆このような交差した嘴を持っています。

 

 

ちなみに…イスカの仲間は、日本ではこのイスカともう1種、翼に白帯状の模様の入ったナキイスカの2種が記録されています。

世界ではイスパニョーラ島に住むイスパニョーラクロスビルが固有種で大変珍しく、現在絶滅危惧種に指定されているそです。

豆知識~♪爆  笑(間違ってたらごめんなさいガーン

 

ただ今回残念だったのは彼等の採餌シーンが見られなかったことです。ここに来るイスカたちは皆、水飲みに集中してご飯食べてくれないんです~笑い泣き

 

まあ、食後に喉が渇いてるんだから、食べないよね~。

こればっかは、しゃあないですね~。

 

いつか松ぼっくりをガジガジやってる姿を見るぞ~!

 

 

 

体色の違い

 

さて、さて、イスカの雄を見ていて気付いたことがあります。

 

同じ赤色でも個体差があるんですよ~。

 

向かって左の雄はやや赤が薄く、右は濃い。

 

(2023.11.2)

 

周りの紅葉した葉のような濃い赤の雄たち。

 

(2023.11.3)

 

 

雄だけでなく雌も違いがあります。

 

腰の部分は黄色いが胸や腹部に黄色味がほとんど無い個体。

(2023.10.31)

 

 

 

こちらは全体に黄色味がある個体。

 

(2023.10.28)

 

今回見られたイスカの体色の差異は、成長段階の違いや個体差と思われます。この他、今回は確認できませんでしたが、幼鳥は黄緑色で全体的に縦班が入ります。またもっと黄色が鮮やかな雌がいたり、雄でも赤色ではなく全体に黄色い個体もいるそうです。(留鳥性の雄にそのような個体がいるとのこと。)また、ここで観察された群れの中には、この写真の個体たちよりも、もっと鮮やかな赤色の雄もいたそうです。

 

いや~様々ですね~。爆  笑

 

 

 

我がフィールドでは、普段なかなか見られない鳥、イスカ。

今回多くの観察の機会に恵まれました。

 

また来シーズンも出会えるのかな?今度は食事風景を撮影したいです。口笛

 

 

と、そんなことを思いつつ…

 

では皆様~👋またでーす爆  笑