(11は神秘数)
9月・10月は来年1年のひな形ですが、氣的には1年の始まりは11月です。1日の始まりも、本来は夜11時=子の刻です。
ちなみに、氣功をやるのに向いた時間帯も、早朝と夜11~12時です。
数は数霊(かずたま)と言う特別なエネルギーを持つ存在です。数学者には数に神を感じる人もいると言います。中でも神秘数と言う特別な数があります。11も神秘数のひとつです。
だから断食や神社参拝を11日に行うのも良いです。
皇室も毎年11月に新嘗祭(にいなめさい)を行ないます。水と木のエレメントの祭事です。
仏教でも、十一面観音菩薩と言う、特別な観音様がいらっしゃいます。11も顔があるから、観ること自在・聴くこと自在なのです。私たちも身体を整え、瞑想を重ねることで、わずかずつでもこの境地に近づいて行けるようです。
(七五三)
11月の行事のひとつに七五三があります。昔は乳幼児の死亡率が高かったので、「七つまでは神の内」と言ったほどです。
子供は生理的に未熟なだけでなく、魂もあの世とこの世の間で揺れている不安定な存在です。だから七歳までは大人が守ってあげないと生きて行けません。七歳まで生きられれば、あとは天寿を全う出来るとされていました。
三つ、五つ、七つと言う節目の時期に、我が子が今日まで無事生きて来れたことを神社に感謝に行く行事が七五三だったのです。昔の日本人は節目を大切にしていました。
会社も七・五・三の年に倒産の危機を迎えることが多いです。そこを乗り越えて10年続いた会社は、そう簡単に潰れません。
人間同士の関係にも、破局しやすい時期があります。昭和の御代に「三年目の浮氣」「七年目の破局」と言う流行歌がありました(笑)。
習い事も、十年続けて初めて本当の入門です。一時のテンションではなく、静かでも息の長い学びを目指しましょう。ウサギとカメです。
(突然死の季節)
11月は突然死が増える月です。夏場のエアコンや冷たい飲み物の摂り過ぎで体内に入った冷えが、秋口から渦巻いて血栓に育っていきます。
氣温が本格的に下がり始める11月になると、寒さで血管も縮みやすくなります。そこに血栓が詰まると脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。
身体が歪んだ人ほど、その歪みの場所で詰まりやすいです。どこで詰まるかで症状・病名が決まります。
予防には背中での握手が有効です。右手下だと脳梗塞、
左手下だと心筋梗塞の予防になります。
固い人はタオルを使いましょう。
夕食に納豆と生卵、ネギを右回りに36回かき混ぜて(陽の氣が入る)食べると、ナットウキナーゼと言う成分が睡眠中に血栓を消してくれます。
他にはレバニラも肝臓の解毒作用を高め、かつ血を濃くしてくれます。春菊も浄血作用抜群です。
一番いいのは16時間酵素断食を習慣にすることですが。そして半身浴で冷えを抜いて行きましょう。
(静けさこそ力)
古久澤先生は、毎年2月に断食し、11月に瞑想を多くされています。何時間も続けて瞑想されることもあるそうです。
私たちも、15分間は目を閉じて『何もしない』で居られるようになりましょう。
それが大人としての最低限の落ち着きです。最終的には40分を目指しましょう。
静かになるほど、身体の内側と外側が明確になり、呼吸の行先もハッキリ感じられます。
日常生活の意識はノイズだらけなので、息もアチコチに散らかっています。
その息の乱れにさえ氣づけないほど興奮しています。
興奮して能力が出ることはありません。静けさこそが基本です。
人間関係が険悪になった時に、『怒ったら負けだよ』となだめる人が居ますが、半分しか正しくありません。
人は怒った時に大抵興奮しています。交渉事も勝負事も、興奮している方が墓穴を掘って自滅します。
だから『興奮したら負けだよ』が正解です。
怒りと言う感情も、必要だから人間に与えられています。だから怒るべき時は、怒りを表現した方が良いのです。
ただし怒り方にも色々あって、頭から湯氣を出すような興奮型の怒り方ばかりとは限りません。
冷たく突き放すような怒り方や、寸鉄釘を刺すように相手の弱点を突く怒り方もあります。
笑顔で怒られると、とても怖いです。
仕事や人間関係で悩んだ時、立場を変えることや、能力を伸ばすことはなかなか出来ませんが、冷静になることはすぐに出来ます。冷静さこそがあなたを守ってくれます。
そのためにも、15分間の瞑想はいつでも出来るようになりましょう。
人は興奮した時、氣が上がっています。その時に肩も同時に上がっています。肩は興奮のバロメーターです。
肩甲骨の体操をたくさんやって、なで肩を目指しましょう。武道では地蔵肩とも呼びます。
(重さを感じることこそ稽古)
持ち上げたボールペンを手放すと、すごい勢いで落ちていきます。地球に重力で引っ張られているからです。
私たちの身体にも、常に重力がかかっています。この重力に任せて動いた時、驚異的なスピードと威力が出ます。
しかし、私たちの身体は重力に逆らっている部分が多々あるので、動きの質が悪くなります。
身体のアチコチに凝りや痛みも出ます。
稽古とは、自分の身体の重さを感じ、やがては自在に活用できるようにすることです。
腕の体操をやった後に正座で内観すると、やった側の腕の方が重く感じる筈です。
筋肉の無用な緊張が抜けた分だけ、脳が腕本来の重さを知覚したからです。
だから緩むほど動くことが楽になり、健康に向かいます。
人の体重は、足裏の一点=人差し指から縦に下した線と、内踝から横に引いた線が交わる一点に乗るのが正しいです。
ここに重心がかかった時、脛の脛骨(親指側の太い骨)が真っすぐになって、とても楽に立てます。
お風呂に入った時や、寝る前に、手の指でこの足裏の一点をタッピングしましょう。
氣功の站椿功は、左右の足裏のこの一点を探る稽古でもあります。
『探る』と言うのは、生きている人間の重心は常に微妙に揺れ続けているからです。
片足立ちになるとよく分かります。重心が動くので、常にぐらぐら揺れます。
この片足立ちと站椿功を交互にやると、重心を探りやすくなります。
歩くとは、この片足立ちを左右の足で交互に繰り返すことです。
私たちは普段無造作に歩いているので、足裏の重心が滅茶苦茶に乱れています。長年の蓄積が膝痛や腰痛につながります。
歩くときも、足裏の正しい一点に重心をかけるように心がけましょう。余り足音がしなくなります。膝痛の予防・改善も期待できます。
(ウエストの内外にベルトを)
晩秋ですが、「食欲の秋」で食べまくっていた人は、そろそろウエストのむくみが氣になる時期かも知れません。
長座から左足で右足をまたいで、足裏を床に着けます。
右肘を左膝に引っ掛けて両手は合掌。
上体を左に捻じります。
このまま右足を持ち上げて10秒キープ。足が上がらない人、上げるのがキツイ人は食べ過ぎです。
この体操でウエストに外側のベルトが出来ます。
ウエストの内側につくる氣のベルトを帯脈(たいみゃく)と言います。
帯脈をつくるには、氣功の稽古が必要ですが、素人でもお手軽に帯脈モドキをつくる方法があります。
両掌をこすって温めて、ウエストラインを横に撫でるだけです。いわゆる腹巻のラインです。
これだけでもある程度、帯脈が出来ます。
身体の内外にベルトが出来れば、多少食べ過ぎても太らない身体になれます。体温も逃げにくくなるので、冷え性の人にもおススメです。
(情けは人の為ならず)
他人に情けをかけて、親切にしてあげると、周り回って我が身に帰って来る。
だから情けは人の為ではなく、自分の為になるんだよ というのが、このコトワザの教えです。つまり陰徳(いんとく)です。
しかし、ある若者は「甘やかすとかえって本人のためにならないから、厳しく突き放した方が良い」と言う意味だと思っていました。
確かにこのコトワザが出来た時代からすれば、現代は遥かに豊かで生きることが楽になっています。
その上に甘やかすと、確かにその人をスポイルしてしまうかも知れません。
言葉の意味も時代に応じて変わって行きます。
けれども、具体的に情けをかけなかったとしても、他人が困っていたり、苦しんでいたら、共感するのは人として当たり前のことです。
無関心・無感動だったり、あまつさえ他人の不幸を喜ぶのは、人として問題です。
胸を開く体操をたくさんやって、感情の座である胸=中丹田を活性化しましょう。
ただし、共感と同情は別です。同情は完全に相手と同調して、自分の立ち位置を見失っているからです。共倒れになります。
同情とは、相手の『困った呼吸』に巻き込まれた状態です。相手より呼吸が浅いからです。
溺れる相手にしがみつかれて、自分も一緒に溺れるようなものです。
共感しても同情しないようにするには、息を吸ったときと吐いた時の胸郭差が最低9センチあることが必要です。自分と相手の境目を区別出来るようになります。
ましてセラピストや指導者的な立場の人は、毎日複数の『困った呼吸』の人たちを相手にするので、胸郭差は11センチ無いと、自分がやられてしまいます。
胸バウンドなどで、胸郭に弾力をつけましょう。
共感しても同情しない=一体化も分離も自在な胸を創りましょう。
(胸郭上部を覚醒させる体操)
弾力ある胸椎を創るには、胸郭上部を目覚めさせることが必須です。
ブリージングのYouTubeで、胸郭上部を動かす体操が紹介されています。
胸椎を丸めるときは、胸骨を斜め下に沈めながら、胸郭上部を折り畳むように縮小させ、
胸椎を開くときは、胸椎を斜め上に引き上げながら、胸椎上部を花開くように拡張すべし と古久澤先生ご自身がお手本を見せながら解説されています。
それでも、なかなかイメージしづらい人が多いと思います。
ほとんどの人は、胸(胸骨)を上下させているつもりで、ただの胸の前後運動になってしまいます。
ただ胸を張るだけの動きになってしまいます。人は威張る時に胸を張るので、ただ威張った心を養うだけの体操になります。
もう一つ多いのが、胸を動かしているつもりで、首だけの前後運動になってしまうケースです。
モノを使うことで、胸椎と胸郭上部の動きがイメージしやすくなります。
胡坐をかいて、タオルの両端を持って万歳。
胸椎を反らせる動きと連動して、タオルを後方に下ろして行きます。目標は鳩尾の真後ろから腰の高さ。
肘は伸ばしたままです。
顔はまっすぐ前に向けたまま=首を動かさない。
胡坐をかくのは、腰の反りに頼らないためです。
肩周りが固い人は、どこかでタオルが止まってしまいます。腕で強引に行うと肩を痛めるので注意しましょう。
胸椎を斜め上に引き上げる意識、胸郭上部を花開くように拡張する意識を持つと、タオルが後ろに行きやすくなります。
つまり、上手くイメージ出来ているかの確認になります。
タオルを戻す時も、胸椎を丸め、胸骨を斜め下に引き下げ、胸椎上部を折り畳む意識で行います。
この時も顔は前方を向いたまま。
胸椎を丸める動きの連動で、タオルを前方まで持って行っても良いです。
この稽古法は、アクションスターだった千葉真一が、『肩回りを柔軟にする体操』として紹介していました。肩回りだけでなく、胸郭上部を覚醒させる体操としても活用できます。
タオル体操の前後に、胸骨や胸郭上部、鎖骨、肩甲骨、胸椎などを手で触りまくりましょう。脳が骨の位置を知覚するので、動かしやすくなります。
鎖骨(胸鎖関節)から肩を動かして、腕を前後に放り出す体操も行いましょう。
タオルが中途で止まってしまうのは、肩の細分化が出来ていないためでもあります。
昭和に流行ったリカちゃん人形やウルトラマンのソフトビニル人形は、肩回りのタンクトップラインが球形になっていて、取り外し自在でした。目指すはあのイメージです。
肩甲骨がフリーになるほど、胸郭上部を動きを妨げるブレーキが減ります。
再びタオル体操をやると、少しやりやすくなっていきます。だんだんタオルを短く持つようにしましょう。
胸郭上部を覚醒させましょう。
(リンク)
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(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。
写真は、ボクとチンパン君のツーショットです。
チンパン君はボクのリードを持っていますが、ボクたちは違う方向を向いています。
これがお互いの関係性を表しているのです(笑い)。
『易経』だと、『火沢睽(かたくけい)』の卦に当たります。
睽(けい)は『顔や目を背け合う』と言う意味です。心のベクトルもずれています。
ほとんどの人は、自分の中で『火沢睽(かたくけい)』が起きています。顕在意識と潜在意識がソッポを向き合っているからです。
顕在意識でがんばっても、潜在意識が邪魔してくると、なかなか成果が上がりません。
体操や断食を習慣にすると、だんだん両者のベクトルが合ってきます。
やがて氣がついたら、色々なことが上手く行くようになっています。
『火沢睽(かたくけい)』も、『最初は反目しあっていても、最後に和合すれば吉』だと教えています。
All's well that ends well. 終わり良ければ総て良し です。
11月は氣レベルでの1年の始まりの時期。現象ではなく潜象(せんしょう)=兆し の月です。
今月は自分の顕在意識、潜在意識、身体のベクトルを揃えることを始める月にしましょう~。
つづく
次回更新は11月19日(日)予定です。