【5】バレエ5番ポジションについて



右脚前5番で、右脚を前に出せば、体幹の動きは右脚前への「脚振り1」の動作なので、軸の左脚は内旋している(外旋した状態からのわずかな内旋を意味する)。

左脚を後ろに出せば、体幹は左脚後ろの「脚振り2」の動作となり、軸の右脚は外旋、左脚は内旋している。

ただし、両動作ともに、鎖骨と肩甲骨は肋骨の上を滑り、肩は左右横に真っ直ぐに並べた位置になる。



前と後ろに出した脚を戻して、5番で立つと、常に右脚は外旋、左脚は内旋した状態になり、右脚と左脚を中心軸に向って押し合う(締める、又は絞る)感覚になる。

胸部は、鎖骨と肩甲骨が肋骨からずれ動いているので、上体も絞られた感覚になる。



5番ポジションの効率性

重心を殆ど変えずに、瞬時に側屈動作で片脚バランスに移行できる。

ターンアウトが180度に近づく程、重心の移動が少なくなり、より安定した動きに近づく。

Author:コツ()トレ愛好家 F.S(愛知県 女性:ジャズダンス、バレエ愛好家)


監修:TriMind

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【4】緩めた体で楽に立つ



長い間生きていると、首が前に出て猫背になったり、首が埋まって肩が上がったり、お腹が前に出てお尻が突き出したり、腰も曲がりお尻も垂れて膝が曲がったりしてくる。

また、左右差も出て、骨盤の歪みも出てくる。

この様な体の状態を持ちながら、バレエで真っ直ぐに立とうとすると、外からの力で抑え込んで修正するので、非常に苦しくなる。

この固めた体では、バレエ本来の体の使い方は出来ず、外側の筋肉だけに頼って、ますます体は固まり、苦しい状況へ移っていく。



先に記した【1】でも述べたように、体を緩めるのに優れた方法がコツ()トレである。

股関節が緩み、骨盤の関節が緩み、肩甲骨や鎖骨まわりの動きが良くなり、頭蓋骨が頚椎の上を滑り動くようになる。体の凝りや痛みも消えていき、姿勢がよくなる。

うなじが伸び、肩が下がり、骨盤がいい位置に収まってくる。

バレエで真っ直ぐに楽に立てる状態になる。



「1番ポジションで立つ」

バレエの要素の一つがターンアウト、つまり大腿骨を外旋させて立つのだが、1番ポジションで立つ時の本来の体の自然な動きは、屈曲という動きになり、骨盤は丸め込まれ、胸部は内側に入り、背中側が丸まった状態である。

バレエは、体幹を外側から見て殆ど変えないように使うことが基本になっていて、回る、跳ぶ、キープするという動きを効率よく素早く行うために、体幹の動きを最小限にしなければならない。

したがって、1番ポジションで立った時、骨盤は中心を保ったまま後ろに回転し、胸部がわずかに内側に入り、鎖骨を後ろに回転させ、肩が後ろに引けて下がった状態を作る。

骨盤、胸部、頭部の中心で軸が作られ、それらを互いに連携しながら、出来るだけ遠くに引き離し、糸がピンと張られて繋がったような状態にする。

これが、体を引き上げて立つということであり、体幹はやや屈曲気味なので背中側で立つ感覚になる。

Author:コツ()トレ愛好家 F.S(愛知県 女性:ジャズダンス、バレエ愛好家)


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【3】顔(頭)を少し傾けるのは、美しく見せるため?



バレエの顔の向け方は、頭を少し傾けて使うことが多い。



例えば、「右斜め上を向いて右に少し倒す」「右斜め上を向いて左に少し倒す」というような動かし方をする。

バレエは、肩や腰を外から見た目では動かせないので、体を無理なく、効率よく使うために、顔(頭)を少し動かして体幹の動きを助けているのではないかと考えられる。

例えば、右脚を前にグラン・バトマンする場合、体幹を四角にしたままでは、右脚は外側の筋肉だけで上げなければならないので、重くて無理がかかる。

この時、顔を右斜め上に向けて右に少し倒すと、骨格が連携されて、体幹が使われた状態になり、インナーマッスルも使えて、無理のない自然な効率の良い動きになる。



このようにして、バレエの顔(頭)の動きは、ただ形を美しく見せるためだけでなく、体の効率の良い自然な動きを導き、また逆に、体が連携していれば、自然に顔(頭)がそのように動いてくる。



頭部(顔)と体幹を連携させるためには、後頭環軸関節が緩んでいることが必要で、ここが緩めば、頭蓋骨がある角度で頚椎の上を滑り動く。

この動く範囲がバレエの時の頭を傾ける角度となる。したがって、首に力はいらない。

頭部の中心(宙芯)がキープされたまま、頭を傾ければ、体幹が連携され、自然な美しい動きとなる。



≪補足≫

前に足を振り上げるグラン・バトマンは、体幹内操法の脚振り1の動作である。



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