
⑴脾胃熱蒸型
①特徴
口中が甘いと同時に口渇し水分を欲する。多食で良く腹がすき、唇や舌にびらん、口内炎、固い便、黄尿、舌質紅、舌苔黄で乾燥、脈数有力など
②メカニズム
辛物、脂っこいもの、甘味類等過食し内熱が生じ口中に甘味を自覚する。また湿熱が脾胃に停滞し穀氣と結びつき上蒸した為に生じる。
③治法
瀉黄散等清熱瀉火薬を中心対策する。
また、腹満や便秘を伴う時には大黄黄連瀉心湯等を用いる。
⑵脾胃氣陰両虚型
①特徴
口が甘いと同時に口渇、水分をあまり欲しない、息切れ、無力感、食欲不振、腹満、軟便あるいは硬便等氣陰不足の症候がみられる。舌質は乾燥しやや紅、舌苔少、脈細弱。
②メカニズム
老化や慢性病等脾胃の氣陰が消耗し虚熱が生じ脾の津液が更に消耗した為に口甜が生じる。
③治法
七味白朮散+石斛+蓮子等益氣健脾和胃養陰薬を中心に対策する。
⑶鑑別
口甜は脾熱の症状で脾胃熱蒸型は実熱で、脾胃氣陰両虚型は虚熱である。
脾胃熱蒸型は口渇し水分を欲し、便が硬い、黄尿、舌質紅、舌苔黄、脈数有力等の症状を呈する。
脾胃氣陰両虚型は食欲不振、元氣がない、無力感、舌質紅、舌苔少、脈細数等の症状を呈する。
治療上は実熱には苦寒清熱を用い、虚熱には補氣滋陰し緩徐に調整する。