てくてく小説みち改め「オフィスパレットの日常」 -12ページ目

てくてく小説みち改め「オフィスパレットの日常」

パレットのメンバーたちと
私が書いた小説などをご紹介いたします。


 どうも主の機嫌が良いと思えば、今日はどうやら給料日らしい。

人間は金を稼がないと生きていけない面倒な生き物だ。


 金を稼ぐには仕事をする必要があるが、人によっては仕事を金を

稼ぐ手段というよりは、楽しみとして行う場合があると、以前聞いたことが

ある。


 吾輩は考えた。

生きるために働くのか、楽しむために働くのか。

主を例に挙げて考えてみると、これはどうにも答えが出ない。


 主は仕事は嫌いだと愚痴をこぼしつつ、楽しそうにいそいそと

職場へ行くのだ。こんな矛盾があるだろうか?


 今、主は新しく勝ってきたワインを眺めている。

どうやら、結構な値段がしたらしい。主の好きな酒を飲むために

金が必要であり、金を稼ぐために仕事へ行く。


 ということは、突き詰めれば、酒を飲むために仕事をしているのかと

一時は結論が出かけたのだが、それだと楽しそうに仕事へ出かける

理由にはならない。


 そこで別の角度から考えてみた。人間も猫も考えることが、日々を

充実させる唯一の方法である。


 仕事自体は嫌いだが、その場所へ行くことが楽しみである、と

こう考えてみると、つじつまは、合わなくもない。


 では、そう考えた時、楽しみな場所へ行くために、嫌いな仕事を

しているということになる。と、はたしてそれが幸せなのか、吾輩は

心配になってくるのだ。


 今日も主は酒を飲む。願わくばそれが現実を忘れるための

嫌な酒でないことを、吾輩は、祈るばかりである。




「・・・・・・なんだよノブナガ。そんなにじっと見るなよ」

「にゃあ」

「お前も飲むか?」

「にゃ!」

「あ、行っちゃうんだ・・・・・・」