私は、「〇〇ファースト」という主張が全て問題だ、と言いたいのではなく、正しく「〇〇ファースト」が妥当である状況もあると考えています。

ちょうど「イラン情勢について関係閣僚が協議 政府は在留邦人退避の支援を検討」という記事が出てきました。

高市総理大臣は、緊迫するイラン情勢を受け、現地に滞在する日本人の安全確保に万全を期すよう関係省庁に指示しました。
 〔中略〕
イランにはおよそ200人の日本人が滞在していて、政府は希望者を募り、イラン国外への退避を支援する方針です。
 すでに現地の大使館がバスを手配していて、早ければ現地時間の今月1日にも退避を開始することを検討しています。

在外公館 (大使館や領事館) の任務の1つに自国民の保護があります。余裕があったら他国民を助けることもあるかも知れませんが、「自国民ファースト」が原則です。

はるかな未来では国籍の壁がなくなっているかも知れませんが、今の世界ではお互いにこの原則で動いています。


そういえば4年半前、「<閲覧注意>命懸けで離陸する米軍機に取り付き、落下したアフガンの男たち」という記事がありました。

米軍の輸送機がアフガニスタンのカブール国際空港を離陸したとき、国外へ脱出しようと必死で機体に取り付いた若い男性が、上空から落下したと、現地報道が伝えた。その恐ろしい動画の視聴回数は100万回を超えた。

衝撃的な動画だったので視聴した方も多いのではないかと思います。

この航空機だけで空港に集まった全ての人を国外退去させることはできません。米国が用意した航空機ですから「自国民ファースト」の原則に従って運用されています。


「〇〇ファースト」という主張が全て問題だ、というわけではありません。妥当なこともあります。

将棋界の marketing について。

最近、『スナックバス江』という漫画が1冊100円で売られていて、作者が北海道出身なので、応援の気持ちも込めて全巻買いました。

その第1巻にこんな話が出てきます。

これを読んで「将棋界も似たような状況に陥っていないかなあ」と感じました。このままだと将棋人口がどんどん減っていく、普及が大切だ、ということは多くの人が認識していると思うのですが、その方法が適切じゃないように思うのです。


「スナック」に行ったことがない(*1)私がこの話をしていいかどうかわかりませんが、「スナック」の売り上げを上げるには (1) 来店客数増進 (2) 客単価増進 のどちらかしか方法がなく、恐らく有効なのは (1) だと思われます。

しかし、この機械は (2) にしか役に立たず、しかも「スナック」ではなく「スーパーマーケット」向きです。

(*1) 子どもの頃、親の知り合いの店へ1度だけ連れて行かれたことがありますが、これは回数に計上せずにおかせてください。


将棋界への関わり方って、およそ以下の段階に分けられるように思っています。

  1. 将棋の存在を知らない段階
  2. 将棋の存在を知っている段階
  3. 将棋に興味を持っている段階
  4. 将棋の場に行ってみる段階
  5. 将棋の場に通ってみる段階
  6. 「負け込んでも、悔しくても、強くなりたい」と思う段階
  7. 生涯の趣味になっている段階

で、将棋界の人の多くは 6. を前提にしているように見えます。

「ウチの子、小学校で将棋に興味を持ったみたいで、1度体験に行ってもいいですか?」みたいな問い合わせがあったら「どうぞどうぞ、ここの支部はアットホームな雰囲気ですよ」とか言っておきながら、実際にやってきた小学1年生くらいの子相手に6枚落ちとかでボコボコにして、「将棋は勝負事ですから、こういうものです」とか言ってしまう。

6. の段階にいる子が相手ならそれでいいと思います。でも 4. や 5. の段階の子に対しては逆効果です。

冒頭の漫画も、こんな風にツッコまれています。


少子化が進む現代日本で、将棋の競争相手は多種多様な遊戯です。将棋人口の維持・増進は marketing の世界です。上記の段階のうちどの段階の人にどういう対応をするのがよいのか、将棋界は正しく認識すべきだと思います。

(ちゃんとわかっていらっしゃる方もいるのですが、多数派ではないように感じます。)


うわ、今回の記事、とても上から目線ですね。偉そうな書き方をしてしまい、すみません。

多分、marketing の専門家から見れば、私の認識もまだまだ甘い (正しく認識できていない) ところがあるでしょう。

日本全体で「登録 No.」の一元的な管理が無理だとすると、都道府県連などで発行した「登録 No.」について発行者を超えて名寄せする必要が出てきます。これができないと、A 県で実績が大きい人が B 県の大会に行ったら棋力詐称できてしまいます。

ただ、この名寄せはどうやっても完璧にできないように感じています。悪意を持って棋力詐称をする人を完全に見抜くことはできなそうです。


そういう状況であっても、できる範囲で名寄せは実現したいところです。

思いつく方法は、各大会参加時に「他の場所で発行された『登録 No.』を全て書きだし、『これら以外に登録 No. は存在しない』と宣言 (署名) してください」という感じの手続きを含める方法です。この手続きをかいくぐった場合、明確な悪意があることになります。すごく大雑把な言い方になりますが、名寄せの責任を運営側から参加者側に移す手続きであると言えます。


運営側でもできる範囲で名寄せしたいところです。

で、そういう場合に参加者の氏名などの data が電子化されていないと、作業が膨大になります。だから当然、参加者の氏名などは電子化しておかなければなりません。

ここで、大会・例会の当日申込制と事前申込制の差異が出てきます。

事前申込制の場合、葉書や FAX などで申し込む特殊な事例を除けば、氏名などを電子的に入力する作業は参加者が担当し、その責任も参加者が負います。

当日申込制の場合、参加者にその場で電子端末を操作させるととても時間がかかるので、参加申し込み用紙などを用意して参加者に書かせる方式が多いでしょう。その場合、間違わずに電子化する作業 (及び責任) は誰が背負いますか? 恐らく、運営側になるでしょう。

これが、当日申込制を採用したら将棋界の未来が暗くなる大きな要因の1つです。この違いの大きさが分からない人が将棋界の多数派のままだと、将棋が今の普及度を保持することはとても困難だと思います。

15年後とか50年後とかに2026年時点の将棋界を振り返って、「あの時にああしておけばよかった」と嘆いても遅いです。…というか、上記の違いの大きさが理解できない人は、最後まで理解できないと思います。


すみません、少し詭弁を使っています。

今回の話の主眼は情報の電子化とその責任の所在であり、事前申込制と当日申込制の話とは別の話です。ただ現状では、殆どの事前申込制では電子化の責任が参加者にあり、殆どの当日申込制では電子化の責任が運営側にあるので、このような記述とさせてもらいました。

理論的には、当日申込制でありながら電子化の責任を参加者が持つ形式も可能です。

誰が data 保管主体となるか、の話の次は、どの data を保管するかです。

これも、数年間色々考えてきました。

例えば、大会の実施日と階級と優勝者とかはぜひ記録しておきたい情報でしょう。

その大会で誰と誰が対局してどちらが勝ったのか、もぜひ記録しておきたいでしょう。

しかし、全対局の全棋譜を残したいかとなると、それは結構大変です。理論上は、会場の全将棋盤に記録係を配置すればできます。または会場の全将棋盤を録画して後から棋譜起こしをすればできます。まあしかし、それは大変です。

他にも、「当初は不要だと思っていた data が後から欲しくなる」なんていうことも発生します。

例えば、今の私は大会中の全ての対局の開始時刻と終了時刻という data がかなりほしいです。これがあると、大会参加者の属性から対局の所要時間の予想が立てやすくなります。

でも、この問題を考え始めた時はそういう data が欲しいとは思っていなかったのです。


ここ2年間くらいの知見ですが…

  • きっちりした fields は relational database の schema として設定してよさそうです。
  • そこまでじゃない情報は、PostgreSQL の JSON 型のように納めておく方法もアリかと思います。そのうち重要な部分はあとから RDB の schema まで昇格してもよいし、JSON 型のままでも一応検索はできます。
  • 整理すらできていない情報は自然言語で記録しておいてもよいです。AI に食わせれば検索したり後から整理したりできます。OpenAI API を使って分かりましたが、文字情報だけなら本当に激安で AI を利用できます。

というわけで、きちりした schema を考えてから system 構築、という方針ではなく、とりあえず自然言語でよいから記録しておき、検索や整理が必要なら後から AI 活用、という方針でよさそうです。

「登録 No.」を一元的に管理できないと、ある人が本当は四段の力があるのに別の地域の将棋大会で級位者の階級に出場する、のような過少申告を完全に防ぐことはできません。

ただ、この件について私は何年間も考えてきたのですが、今の将棋界の規模・日本将棋連盟の底力だと、「登録 No.」を一元的に管理することは多分実現できないと思われます。


次善の策で、県連や支部といった単位 (将棋大会を主催・主管する単位) で「登録 No.」を管理し、その情報を相互に参照することができる仕組みを考えています。

「いつでも必ず参照できる」のではなく、参照の可用性は best effort になりますが、それでもそこそこの仕組みが構築できるのではないかと思います。

問題は、それをどのように実装するかです。

県連や支部ごとに server を立てなければならない、という仕組みだと負担が重すぎます。そこまで負担したくない県連や支部のためには SaaS が必要でしょう。一方で、お仕着せの SaaS だと発展性が期待できない (不便な点が露わになってもほぼ手が打てない) 状況になります。

現実的な解は、最低限、YAML 形式や JSON 形式の静的な data をどこかに置いておき、それを各県連や各支部が見に行く、といったあたりかと思います。もちろん server を立てられる県連・支部なら立てればよいですし、それが難しければ静的 data で対応する、というわけです。

大きめな題目をつけてみました。

全部語れるかどうかわかりませんが、できる範囲で記します。


まずはこちらの書き込みから引用。(恐らく孫引用なのですが、原典が分からないのでご容赦ください。)

例えば、システムがオンライン化したら。


・道場参加者は、全国共通のカードか登録Noを窓口に渡すだけで受付完了
・道場管理者は、登録Noを打ち込むだけで、氏名・住所・棋力・過去の対局履歴を引き出せる
・対戦カードは棋力や過去の対戦履歴を考慮し、コンピュータによる自動パイロットが可能
・コンピュータ処理なので、待ち時間削減。ディスプレイに対局状況をリアルタイムで更新。
・対局が終わるとデータをセンターへ送信し即座にスコア集計。今日の増減がわかる
・帰る前に結果レポートをもらう。
・結果レポートには、今日の結果、最近の点数増減の情報(グラフ)、全国ランキング、
 対局者の家の近くの道場案内、次の大会アナウンスなどをもらえる。

元書き込みは2004年のようです。

当時、INTERNET を活用した道場管理 system の理想形を考えて記したものだと思われます。


最初の数行を読んだだけで、ピンとくる人にはくるでしょう。「全国共通のカード」の基となる「登録 No.」を誰が管理するのか。

例えば、Splatoon のように競技の platform を管理しやすいものであれば、全管理は多分楽です。

しかし将棋はそうではありません。特定の server (platform) への接続どころか、INTERNET への接続すらしなくても将棋盤と駒だけで対局ができてしまいます。

そんな状況で「登録 No.」を管理できる者はいるのか? その立ち位置に最も近いのは日本将棋連盟ですが、恐らくその力量はありません。これは日本将棋連盟を貶しているのではなく、将棋界の規模からいって日本将棋連盟のような統括団体でも実現は難しいという指摘です。

今回も将棋とはほぼ無関係の話です。


昨日、東京の AI 業者と online meeting がありまして、その中で私の上司が大陸法と英米法の話を出してきたのです。大陸法と英米法の話って、大学の法学の書籍に出てくる話なので、工学出身の上司にとっては普通なら知らないはずの話です。

「普段から色々と学んでいる方なんだなあ」と感心しました。

因みに、AI 業者さんの側 (の一番上の人) も、米国育ちで日本に帰国して会社を興すほどの人だからなのか、普通に通じていました。


その後、今後の AI 活用方法の抽象的な話になり、個人的にはかなり参考になりました。以下、昨日の meeting の話そのものではなく、meeting の話を元に私が考えた内容です。

何というか、例えるなら…そうですね、昔の programming って、関数に分割しないでダラダラと1つの main 関数 (など) に書いてしまう傾向があったじゃないですか。昔の、というか、programming 学びたての頃、というか。

今の AI 活用って、多分まだその段階です。Chat-GPT たった1つだけを相手にして、そこに丸投げっていう感じの活用法です。

でも多分今後は、実現したい project の内容を機能 (というか責任領域) で分割して、それぞれについて AI を当てはめていくようになるのだと思います。もっと抽象化すると、AI でもできる仕事か、人間じゃないとできない仕事か、ということも意識せずにまずは機能に分割して、AI に任せられるところは任せ、人間じゃないとできないところは人間を当てはめる。そういうふうに、AI を当てはめるのか人間を当てはめるのか意識せずに project を分割して、今は人間を雇えないけど AI には荷が重いところはとりあえず mock にしておく。

これはつまり、「AI は〇〇ができる」から考え始めるのではなく「この project では〇〇がしたい」から考え始めるということです。で、かなりの部分を AI に任せることができれば人間は少人数で回せますし、逆に AI に任せられないことばかりなら全部人間を雇って実現するしかないです。

まあ、当然と言えば当然の話なのですが、私にとっては project を俯瞰する方向が変わりました。今までは「AI は何ができるか」から見ていたのですが、これからは「人間は何がほしいか」から見ることになりそうです。

標題の動画では、矢倉を学ぶ利点として以下の3点が挙げられています。

  • 数の攻め、歩の手筋、厚みの築き方など
  • 終盤力がつく
  • プロの将棋をより楽しめるようになる

私は棋力が低いのでその真偽は分かりませんが、これらが正しいのであれば、我々が将棋入門者・初心者と対局するときは速攻しない (相手が矢倉を組みたくなったら待ってあげる) のがいい気がします。


将来奨励会や研修会に入れそうな子どもが相手だったら、どういう方針で対局したらいいのか、私には分かりません。

しかし、大人になってから将棋に取り組み始めた人、奨励会や研修会に入れそうな見込みが全くない子どもが相手だったら、序盤・中盤・終盤がごっちゃになりにくい (ある程度区別して認識しやすい) 遅めの駒組みをするのがよさそうな気がしています。

某匿名掲示板でこんな書き込みを見つけまして。

コミュ障なのは間違いない。言葉が上手く出せない。
コンビニの店員さんにお弁当温めますか?って聞かれてもはいって言えなくて一分ぐらい膠着した事がある

この方、35年間引きこもっていて、最後に外出したのは26年前だそうです。

こういう方にとっても将棋の場って役に立つ可能性はあるのかなあ、などと考えてしまいます。


将棋の場って、決まりさえ守っていればどんな棋力でも OK だし、どんな仕事をしていても、そして無職であっても、そういう個人的なことを話す必要はありません。

こういう懐が広い点は将棋の場の利点だと考えています。

ただ、「はい」が言えなくて1分間くらい黙ってしまう方だと、受付や対局開始のあいさつの時点で困ってしまう気がします。

将棋の場で必要な発話を全て票にして、それを掲げてもらうことで何とかなるかも知れないし、何ともならないかも知れません。

表題記事から引用。

将棋は、負けが見えてくると、
何とも言えない悔しさがじわじわと滲みます。

相手との棋力差を感じるたびに、
自分の頭の悪さや、
考えそのものを否定されたような気持ちになりました。

小学生高学年になる頃には、
自然と将棋から離れていきました。

ということですが、大人になってから

将棋には相手が必要なものですが、
ネット将棋やアプリで指せることは知っていました。

そんなときに出会ったのが、
「ぴよ将棋」という将棋アプリでした。

人と指さなくてもいい。
勝っても負けても気を遣わなくていい。
今の自分には、それがちょうどよかったのです。

という気持ち、私にはわかります。

人と面と向かって指す将棋とは違い、
負けても悔しくても嫌にならず、
レーティングが少しずつ上がっていくことで、
自分が成長している実感を得られるのが楽しかったのです。

「50代から始めた将棋」。
無理をせず、好きだから続けられたものは、
振り返ってみると、これが初めてでした。

という点も、将棋の普及には必要な気がしています。