当日申込制がよい、と考えている方にぜひ意見を聞きたい事例があります。

今年度の令和最強戦、全国大会なのに当日申込制だったようです。

以下は実際に参加した方の文章です。

令和最強戦は別途、設営の人手を外部手配することとしたということで万全の準備がされたものかと思っていました。しかし実際は「例年70人前後だから」と80名分の盤駒を用意していたところ、当日集まったのは81名。急遽、前年優勝者をシード扱いにして盤駒不足を回避するという綱渡りが発生してしまったようです。

当日申込制はこういうことが充分に発生しえます。

  • 質問1。何十年もの歴史があり、全国から人が集まる将棋大会で、こういう事態が発生することをあなたは許容できますか?
  • 質問2。仮にあなたが許容できるとしても、全ての参加者 (および参加を検討した人) がこういう事態を許容すると思いますか? 運営を非難する人は全国で1人も出てこないと言えますか?
  • 質問3。私の推測になりますが、運営側が何も考えずに当日申込制を採用したのではなく、将棋関係者の中に「当日申込制がいい」という人がいて、そういう声を受けて当日申込制になっているのではないかと思います。仮にそうだとして、運営側の責任が 100% ですか? 「当日申込制がいい」と主張する人は何も責任を負わなくてもいいものですか?

会場にとても余裕があったり、盤・駒の数にとても余裕があったり、運営陣がとても強力だったりすることで、当日申込制が実施可能な地域が存在する可能性もあるでしょう。ですから私は「すべての地域で事前申込制を採用すべき」とは主張しません。ただ、おそらく多くの地域では当日申込制だと運営の後継者が見つけにくいのではないかと思います。

私の支部が利用している公民館は団体間の部屋確保競争が激しく、思い通りに部屋を確保できないことも多いです。定員20人程度の部屋を半日使うだけならだいたい確保できますが、定員40人程度の部屋を午前・午後で確保することはそううまくはいきません。支部の将棋教室は完全事前申込制ですが、締め切り前に定員が埋まってしまう月もかなり多いです。(今はその方は異動したのですが) 態度が大変悪い公民館職員に定員超過が見つかると面倒な事態になることが予想されます。また書くまでもありませんが、部屋は (室内にいる) 保護者も含めた人数が定員を超過しているかどうかが問題になります。

今までに何度か出しましたとある県大会の事例も、直接的には運営側の責任ではありますが、最大の遠因は飛び込み参加しようとする人だと思います。飛び込み参加が将棋大会を台無しにしてしまう、と言ってもよいと思います。

そして、将棋大会を当日申込制にするということは、全ての参加者を飛び込み参加にすることと同義です。そのような状況でも将棋大会を公正に運営することはものすごい負荷でして、そのような運営を続けていては運営の後継者がとても見つけにくくなると思われます。


もう少し質問します。

  • 質問4: 私の県で私が見た範囲では、当日申込制の将棋大会 (小学生対象、県代表選出) で、会場定員の約1.4倍の参加希望者が会場に来たことがあります。(実際の数値は異なりますが) 80人分の盤・駒しか用意していないのに110人の当日申込者が来た、というような感じの状況です。もしあなたが運営員だったら、この事態をどうやって解決しますか?

私が子どもと接するときに何を考えて何に留意しているのか、を言語化するのは難しくて、多分一生かかってもうまく言語化できないのですが、書けることだけ書いてしまおうと思います。


そのうちの1つは「興味容量」という概念です。(これは現時点の私の概念を言語化したものなので、数年後には私の考えも変わっているかも知れませんが、現時点の言語化ということでご容赦ください。)

1人1人の子どもは将棋に対する興味を持っていて、その興味の大きさに応じて、許容できる負荷の量が定まる、という概念です。許容できる負荷の量のことをここでは「興味容量」と呼んでいます。

私の主観ですが、およそ以下のような量です。

  • 将棋教室へ親に連れられてきた子: 20
  • 自ら「将棋って面白そう」と感じて親に頼んで将棋教室に連れてきてもらった子: 100
  • 級友との間で将棋が流行り、勝つために「強くなりたい」と感じている子: 300
  • 「将棋は負けても楽しい」と実感し、強くなるためには苦労を厭わない子: 1000

で、大人はこの残り容量を使い切らないように子どもに接する必要があります。


おそらく最も大切なことは対局結果です。平手の対局で1局負けると興味容量 (の残り) を40くらい消費する、くらいで考えてくれるといいかと思います。

逆に、平手の対局で1局勝つと興味容量 (の残り) が10増えるくらいかな、と考えています。将棋の入門者が許容できる勝率は8割くらいまでで、勝率が8割を下回ると「将棋は自分に向かない」と感じるのではないかと思います。(元々の興味容量が大きい子も少々いて、そういう子は勝率が低くても将棋界に残ります。)

因みに、駒落ち対局の下手として負けると、40どころかもっと消費します。19枚落ちの下手で負けたりしたら1000くらい消費するんじゃないですかね。ちなみにこの動画、入門者の子ども (小学4年生) にとって自分の何が悪かったのかのとっかかりすら考えるてがかりを見つけさせてもらえない、反面教師として大変素晴らしい動画なので、将棋普及に携わる人全員に見てほしい動画です。


あと、自分の指し手を他人から指示されることも、興味容量 (の残り) をかなり消費します。

将棋って、自分の読みの深さと相手の読みの深さを争う遊戯だと思っています。なので、自分の指し手を他人から指示されると、将棋の面白さを喪ってしまうと考えます。例えるなら、長距離走で級友に勝ちたいのに、途中で家族が自家用車で近付いてきて強制的に自分が自家用車に乗せられるようなものです。それで勝ったところで嬉しくないでしょう。

大変残念なことですが、せっかく将棋に興味を持ってくれた子に指し手を指示してしまい、途中でその子が将棋への興味を失った表情になっている、という場面を複数回見たことがあります。


興味容量 (の残り) をなるべく消費しない方法の1つに、言語外に情報を押し込んでしまうという方法があります。

将棋が好きな人なら AI の評価値を見て局面を楽しむことができますし、将棋の指導の場面ででは「その手は良い手だ」「その手は悪い手だ」と言語で評価することもあります。こういう情報を、発話の抑揚とか間投詞とか表情とか姿勢とか、言語外に押し込んでしまうのです。

他にも、王手飛車取りをくらう準備とか、相手の駒台に金銀を送り込むとか、自玉の逃げ道に自分で壁を作っておくとか、いくつか手法があるのですが、長くなるので省略します。

この例が妥当かどうかは微妙なのですが…仮に支部役員の中に

  • 全員が利用できる方法しか採用してはいけない
  • オレは電話も e-mail address も持っていない

の両方を満たす人がいると、それ以外の人の連絡もすべて郵便か電報にしなければならなくなる、という話です。

私は「使える人は使えばよい」という立場です。


大会運営にしても、効率的な system (大会参加事前申込 system など) を使える人がいたら使えばいいし、そういう人がいなくなったら fall back して以前の方式を採用すればいい、というだけの話だと思います。

申込者側に「情報機器が苦手」という人もいるかと思いますが、その反対側には「効率的な system が採用されないとそもそも大会運営に携わる余裕がない」という人もいます (たとえば私がそうです)。そこは双方がどこまで歩み寄るかという話です。(ちなみに、「選手ファースト」という思想は無条件でその負担を運営側に押し付ける思想です。「選手ファースト」と「選手になるべく配慮する」とは異なる思想です。)

私の支部が主管する大会 (子ども大会を除く) では、情報機器が苦手な方のために、毎年 (原則として) 県内全ての支部の例会に顔を出して参加申し込み操作の手伝いをしています。今後、私に余裕がなくなれば実現できなくなることもあるかも知れませんが、運営側として「今後数年間はこれくらいの歩み寄りをするのが妥当だろう」と考えて実施しています。

だから、「情報機器が苦手」という方もその数年間の間に慣れていただくという歩み寄りをしてほしいと考えています。


娯楽が多様化し、将棋界は今後ますます人的 resource (運営を担える人数) が減ることが予想されます。だからこそ、参加者側も運営側も歩み寄って将棋界を持続できる方法を探す必要がある、と考えています。参加者側が歩み寄らなければ、運営人員は急激に減っていくことでしょう。

一切の歩み寄りを拒否する「選手ファースト」という考え方は嫌いなのですが、可能な範囲で参加者にもなるべく配慮する大会運営ができれば理想的です。

最初は PTA の話ですが、途中から将棋の話になります。

PTA 活動の効率化に関する1つ目の呟き。

PTA旦那がやるというのでやったんだけど、会議を全てteamsにする。集まるときは最低限にすべく色々調べたらみんなでお金を銀行に振り込みにいくとか、みんなで同じことをするみたいな無駄なことをしていたらしく。。。旦那ともう一人の男性で仕組みを全部かえてオンラインで済むようにしたとのこと

これに対する反論と思われる呟き。

その方が降りた年度から以前の方法に戻る、よくあることです。私はそれを見てPTAからは距離を置きました。
継続運用するためにはどの保護者が役員なっても出来る方法でないと終わる。
自分の能力レベルのスキームが全家庭に通用しないのが公立学校。

この話を整理します。

  • M: 新しい手法を導入しようとする役員
  • A: M が役員になる前の手法
  • B: M が導入した手法
  • C(A→B): A から B に移行する際の学習 cost
  • Y(M): M が役員をやる年数
  • U(B-A): A ではなく B を採用している直接的効用 (1年間あたり)

で、 Y(M) × U(B-A) > C(A→B) なら B という手法を採用する価値があるし、 Y(M) × U(B-A) < C(A→B) なら (学習 cost の方が大きいなら) B を採用する価値がない、という話にしてしまってよいと思います。本当は、手法 A を採用し続けることで PTA が社会的に終焉に向かっていくという要素も入れる方がよいですが、今回は割愛します。

PTA 役員の場合、 Y(M) = 1 であることが多いので大きな変革は向きません。


上の例は、手法 B を維持できる人が M しかいないという前提で考えています。

しかし実際には複数人いることが多いです。それらの人を M1,M2,M3,M4,… と表すことにします。

そうすると、Y(Mx): 手法 B を維持できる誰かが役員に入っていることが期待できる年数、という項目が入ってきます。一般に Y(Mx) は Y(M) よりはるかに大きいので、

Y(Mx) × U(B-A) > C(A→B)

はかなり成立しやすくなります。


後者の呟きにおける「どの保護者が役員なっても出来る方法」とは、Y(Mx) を無限大にする方法です。

でも実際には、全ての保護者ができる方法でなくても充分に Y(Mx) を大きくすることができるだろう、と考えています。(可用性は本当は確率値なのですが、ここでは期間の期待値に変換して話をしています。)


将棋の場においては、通常、Y(M) はかなり長いです。支部役員が1年ごとにごっそり入れ替わる、という支部はほとんどないのではないかと思います。

私の支部だと、現役員の推定健康余命の平均値は30年かそこらでしょう。世代交代の有無で Y(M) は増減しますが、かなり大きな値が入っていると考えてよいと思います。

そうすると、「どの支部会員が役員になっても出来る方法」なんてものを採用しなくても、役員の中の誰かがその手法を維持できればよいわけです。より具体的に言えば、役員の中でその手法を維持できる人が2人いれば、その手法はかなり長期間採用できます。


なので私は「どの支部会員が役員になっても出来る方法」なんてものを支持しません。そんな主張をする人は信頼していません。

さらにこれに「オレは情報機器苦手だから」が加わると、最悪の足引っ張り人が完成します。なにしろ、「オレが駄目と言っているのだから駄目」という主張をたった1人で出すことによりどんな手法であっても潰すことができるからです。


すみません、充分にわかりやすく書く余裕がないので、このまま blog 記事として公開します。

本当は、 SaaS 導入によって C(A→B) は充分に小さくできる可能性があるよ、ということも書きたいのですが、今は余裕がありません。

将棋活動も PTA 活動も町内会活動も、量と確率分布を把握することでやるべきことが見えてくるように思います。

将棋と無関係で、しかも詳細が書けない話です。

数か月前、土曜出勤して半日作業をしたのにどうやっても作業内容が吹っ飛ぶことがありました。

昨日、その原因が分かりました。その原因があまりにもアレだったので…つい blog に書きたくなりました。

ある程度の詳細は「アメンバー限定」で書きます。

「あー、私も自分の出身地の感覚を引きずっているなあ」と感じた呟きがこれ。

私立高校、無償化で本来行くべきではない層が入ってきてしまっていると聞いた

(元記事 (?) はどうも兵庫県の話らしいのですが、Yahoo! の表示が期限切れとなり、これが本当に元記事かどうかわかりません。)

私が高校受験生の頃の私の出身地では、公立高校 (普通科) に行けるのは「オール 3」よりちょっと下までで、それより成績が悪い受験生は公立高校 (普通科) に行けませんでした。一方、「オール 3」以上で私立高校に行く受験生はまれでした。公立高校と私立高校の両方に合格したのに私立高校に行った同級生は (私の記憶では) 1人しかいません。

なので、私立高校について「本来行くべきではない層」という表現を見た時、公立高校どころか私立高校さえ行けない層を思い浮かべてしまいました。


地域差ではなく専門性の差の話になりますが、このつぶやきを見て私も同じことを思いました。

プロがステン素材を使ってるのって耐久性以外にも理由があるんですね。一つ勉強になった。

私も知らなかったです。


将棋の普及に関して都市圏規模で言えば、上は関西都市圏から下は人口5桁市町村 (都市圏に含まれない市町村) まで見たことがあります。でも、人口4桁以下の市町村 (都市圏に含まれない市町村) の将棋普及の現場って見たことがありません。なので、そういう地域の将棋普及については、私も推測でしか話すことができません。

前回記事の続き。

大会の web site に大会の写真も報告も出てこない…どころではありませんでした。

1点目はささいなところから。大会の web site 自身が未だに「令和8年8月開催予定」と表示しています。

2点目。大会の Instagram を見つけましたが、やはり大会の写真は1枚も掲載されていません。なのに「10人お誘いキャンペーン」というチラシがあるので、よほど人が集まらない予想が立っていたのだろうなあ、なんて邪推してしまいます。

3点目。大会の主管である奈良県 PTA 協議会が大会後に発行した広報誌、17頁もあるのに大会に関する話題は

全国⼤会へのご参加、誠に
 ありがとうございました!
 ボランティアの皆様、参加者の皆
様、たくさんの方々にご協力をいた
だき、無事に開催することができま
した。この貴重な経験を、今後の
奈良県PTA協議会活動に
活かしてまいります。

と掲載されているだけで、それ以外の文章もなければ写真の1枚もありません。

4点目。主催である日本 PTA 全国協議会の web site になら情報が載っているかな…と期待して見に行ったら、何と今年の大会 (第74回) どころか去年の大会 (第73回) への link すらない有様。

奈良県側の実行委員会がいくら頑張っても本家 (全国) からの導線がない状態だ、ということです。

5点目。内閣府から勧告が出ています (近年の一覧、日本 PTA 全国協議会宛の勧告)。

その内容がすごいです。一部引用します。

報告書によれば、この背景について、令和3年度末で事務局に在籍していた職員・派遣職員が全員退職し、事務局体制が再び不安定な状況に陥った最中に、本件改修工事が始まったとされ、追加工事については、事務局内の監視機能が働かない中、職務権限規程に基づかずに元役員主導の不適切な契約による工事が繰り返し行われていたとされている。
報告書によれば、令和6年11月11日時点における事務局体制は、採用されて3か月程度の臨時雇用職員2名が在籍しているのみであり、当該法人の事務局規程第2条により置かれることとなっている事務局長、事務局次長、主幹及び事務員(以下「職員」という。)は不在である。

また、当該法人の定款第59条第2項の規定により、事務局を統括する役割にある専務理事も不在である。

報告書では、「令和2年6月末で事務局の職員が誰もいなくなった」、「令和3年度末で事務局に在籍していた職員・派遣職員が全員退職した」などの説明があり、その都度、短期的に職員をあてがうなどの対応が繰り返されているが、再び、職員が不在になる状況に陥っている。
報告書においても、「理事に対する、適切な研修の機会が不足し、公益法人運営についての知見や経験が乏しく、法人運営を行うという認識や多岐にわたる内部規程の理解が不十分な状況にあった」、「会長はじめ業務執行理事については、法人の財産を守るべく善管注意義務に欠けていた」とされ、また、理事の意見の中には、全国のPTA会員の中から選出され理事が短期間で交代する運用が公益法人の運営を難しくしているとするものもある。

この「全国のPTA会員の中から選出され理事が短期間で交代する運用」ってのは、PTA や町内会の組織的な病理でしょうね。

おまけ。「保護者から集めた事業収益は4000万円超え 謎多き『PTA全国研究大会』で取材拒否」とか「『PTA全国大会』2億円規模の“経済効果”期待、“税金投入”も…『保護者はボランティア』矛盾抱えるイベントの実態とは?」とかの記事からも scalability についての指摘を抽出しようとしましたが、長文なので諦めました。


しかし我々も「日本 PTA 全国協議会はダメな組織だ」と評価するだけでは終わらない可能性があると考えています。

かつての会長が PTA は強制加入だという発言をしていたことから、古い体質な組織でしょうし衰退を免れない運命なのだろうとは思いますが、私が注目しているのはそこではなく、scalable でないという点です。

日本 PTA 全国協議会が存在することが社会的にいいか悪いかの話は脇に置いておいて、この組織が scalable に設計されていたらこういうことにならなかっただろうなあ、と思っています。

そして、われわれ将棋界の団体も、scalable に設計しておかないといつか一気に破綻する可能性がそこそこあるような気がするのです。


私は、娯楽界の先行事例として囲碁界を見ています。囲碁愛好家がこれだけ減少した中で囲碁界はどのような動きをしてどのような結果に繋がるのか、将棋界として大変参考になると考えています。

それと同様、組織の在り方として今の日本 PTA 全国協議会はかなり注目に値する気がします。

こんな予想をするのは失礼ですが…そう遠くない未来に公益法人でなくなったりする可能性も低くないのではないかと思います。

1年ちょっと前に「『もう遅い』という事例」という記事を書きました。その中で日本 PTA 全国研究大会のことに触れました。

2026年8月21-22日実施ですから、既に1週間以上が経過しています。この規模の大会なら、普通は「速報」などと称して1日に何十枚も写真を (Facebook や X で) 公開するはずです。ですが、いくら探しても大会中の写真が1枚も出てこないのです。何人の参加者がいたのか、すら分かりません。見つかるのは大会前の実行委員会の写真のみ。

いやあ、ある意味ではすごいことです。分科会が8つもあって、しかも会場分散型です。人員面でも結構な人手が必要だし、実施予算はおそらく8桁でしょう (いや、ギリギリ7桁かも)。なのに参加人数が発表されず、写真が1枚も公開されていない。

これ、民間の催事なら責任者の首が飛ぶ (解雇される) くらいの衝撃です。

…まあでも、こうなることは予想していました。

内容も凄くてですね。恐らく大会中の最大の集まりは全体会ってやつだと思います。で、その記念講演の講演者の profile を引用します。

静岡県浜松市出身。上場信販会社にて経営企画・支店長などを歴任後、日本の歴史と文化の本質を広く伝える活動に従事。現在は「倭塾」主宰、「むすび大学」講師として、全国各地で講演活動を展開している。
YouTube チャンネル「希望の日本再生チャンネル」では、歴史・教育・文化に関する情報を発信し、多くの視聴者から支持を得ている。
執筆活動:国史啓蒙活動家として執筆活動が中心です。ブログ「ねずさんの学ぼう日本」の毎日配信や著書を多数執筆しています。
インターネット活動:YouTube の人気チャンネル「むすび大学チャンネル」や「日本防衛ちゃんねる」を主催し、ブログ「ねずさんの学ぼう日本」も毎日配信しています。
講師活動:日本史検定講座の講師や教務も務めています。

このような方の講演がどうやって日本全国の PTA の課題を解決できるのか。殆ど結びついていないでしょう。

こういう講演をやっちゃダメというわけではないですが、これは費用対効果が悪すぎでしょう。例えば日本 PTA 全国協議会が Zoom 講演会を企画して、傘下の PTA 会員が200人とか参加して、この方に数万円程度の講演料を支払う、という程度であればまあアリだと思います。でも、対面の全国大会の全体会で講演してもらうような経歴の方ではないと思います。

多分、大会企画者は全国大会開催ありきで「じゃあ誰に講演してもらおうか」と決めているのだと思います。この考え方がダメです。全国からわざわざ会員が集まってきてでも対面の講演会を開く価値がある、という講演者がいる場合にだけ全国大会を開くべきであり、そうでなければ全国大会自体を開かない方がよいのです。

まあ、この辺は組織の病理なのかも知れません。私が以前参加した「将棋サミット」でも、全国の市町村からの将棋普及事例の発表があったのですが、それらの発表はただ発表しただけであって、発表内容を議論して有機的にまとめて今後の将棋普及に活かすみたいなことはなされませんでした。将棋の普及活動の成分が分析されることもなければ、費用対効果が検証されることもない。ただしゃべりっぱなしの場でした。


話は変わりますが、岡山県 PTA が解散した、という記事がこちらにあります。

「県Pは毎年持ち回りで地方ブロックごとの大会を開催しているのですが、2年後の2026年度に私たち岡山県Pは中国ブロック大会を担当する予定になっていました。それを乗り切れないというのが、今回の判断材料のひとつとなりました。〔中略〕」(神田さん)
少し補足すると、PTA連合会は毎年、全国大会やブロック大会、県大会などを開催しています。どの大会も、担当するP連は毎年持ち回りで決まっていることが多いのですが、担当に当たったP連はそれなりの資金供出を求められ、メンバーは大会準備に多大な時間と労力を費やすことになります。

負担が大きすぎるのでしょう。

では、保険の収益金はどんなことに使われてきたかというと、大きかったのは事務局の家賃や人件費です。P連は、教育委員会のなかに事務局があることも多いのですが、岡山県Pは独自に事務所を借りており、また2年前までは正規の職員を雇っていたそう。
「ここ数年は特に、会員団体が減って収入(分担金)が少なくなっていたので、繰越金を食いつぶしながら、という形になっていました。人件費を抑えるため、2年前からはパートの職員さんに半日だけ勤務してもらうようにしましたが、それでもお金がまわらない。最後は、ブロック大会がまわってきたときのための積立金も一般会計に繰り入れて、これでなんとか年度末までもたせる予定です」(神田さん)

scalable な活動形態にせずに独自に事務所を借りたり人を雇っていたら、身の丈に合った活動に縮小できないのは当然です。

考え方が逆です。

県規模の組織であろうと、まずはすべての資料を電子化して場所をとらないようにしなければなりません。電子化して Google Drive などに置いておけば、15GB (いや 5GB だったかな?) までは保管できます。検索も容易です。

それでも事務所を借りたいなら、事務所を借りることで固定費 (家賃) 以上の効用 (utility) があるかどうかを検討することになります。

こう言い方はよくないかも知れませんが、恐らく無思考で事務所を借りていたのでしょう。

人件費だってそうです。そもそも労力が殆ど不要な組織形態にすべきです。理想は、本業の片手間で組織運営ができることです。


あなたの支部は、ちゃんと身の丈に合った活動ができていますか? お金の使い道は妥当ですか? 特定の人に過重な負担がかかっていませんか? 勤労世代の支部役員だけでも支部運営が回せるようになっていますか?

私の支部は不動産を賃借していません (所有もしていません)。支部会員の不動産を使ったりもしていません。子どもの将棋教室の参加費は1回〇〇〇円です。これでもちゃんと黒字です。支部役員は全員が勤労世代で、多分今の支部役員業務を過剰だと感じている役員はいないと思います。自分の可処分時間をどれだけ支部活動に提供するか、は各役員が自由に決めてよいことになっています。

宣伝も活動報告も、身の丈に合った量だと考えています。

すみません、今回は将棋と無関係、100% 町内会の話です。

私は町内会の将来についてかなり悲観的なのですが、少しだけその材料が減った気がします。いくつか示します。

どれも、私が考えている非営利団体の理想形にかなり近い感じです。

もしかしたら町内会や PTA もそれなりに存続できる未来があるのかも知れません。


将棋はどうなんでしょうね。

とある県のとても大変そうな県連の仕事 (を担当している方の blog) を見ていると、私の県がそういう形でなくてよかった、と思います。

重要な指標は勤労世代から後継者が見つかるかどうかという点です。それも、たった1人の後継者が出てくるかどうかじゃなくて、今の定年退職世代の方々が全員いなくなっても将棋の活動を続けられるかどうか、です。