【米国市況】S&P500続落し国債上昇、中東情勢を懸念-149円台半ば
Rita Nazareth-
円は対ドルで小幅高、安全逃避先資産が買われる
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金は3月以来の大幅上昇、NY原油先物は急伸
13日の米株式市場ではS&P500種株価指数が続落。米国債は上昇した。イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を準備している兆候が示される中、週末を控えて安全性を求める動きが広がった。金は3月以来の大幅高。ニューヨーク原油先物相場は急伸した。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 4327.78 | -21.83 | -0.50% |
| ダウ工業株30種平均 | 33670.29 | 39.15 | 0.12% |
| ナスダック総合指数 | 13407.23 | -166.99 | -1.23% |
大手テクノロジー銘柄が売られ、ナスダック100指数は1%を超える下落。ボーイングが安い。737MAXに影響している質の問題を調査していると明らかにした。決算が好感され、JPモルガン・チェースとウェルズ・ファーゴはいずれも上昇。
イスラム組織ハマスとイスラエルとの軍事衝突が大幅にエスカレートすれば、ハマスに武器や資金を提供しているイランがイスラエルと直接衝突するシナリオも排除できない。そのような事態となった場合、原油相場は1バレル=150ドルに急騰し、2024年の世界の国内総生産(GDP)伸び率は1.7%に落ち込む可能性があるとブルームバーグ・エコノミクス(BE)は推計する。
イスラエルとハマスの紛争、拡大なら世界経済リセッション入りも (1)
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は「イスラエルの状況はひどいものだ。これが地域紛争に拡大すれば、犠牲者は急増する。世界中の財政的コストも極めて急速に増加するだろう」と指摘。投資家は「これから年末までの間に株式相場が急落することに備えて、何らかの保険」を少なくともかけておくべきだと述べた。
シティー・インデックスのマーケットアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は原油価格の持続的な上昇は世界経済により一層の打撃をもたらすとし、既にバリュエーションが高い株式相場にとってそれが好ましいことでないのは明白だと指摘。
「この日の原油価格再上昇が持続すれば、インフレ懸念がさらに強まり、ユーロ圏や日本、中国などの原油輸入国ではスタグフレーションが一段と悪化する可能性がある」と同氏は説明。「借り入れコストは先進国全般でこれまでに急上昇している」と話した。
イスラエルがガザへの地上侵攻を準備する中、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は重大な地政学リスクを警告した。
ダイモン氏は7-9月(第3四半期)決算の発表資料で、「この数十年で世界は最も危険な時期かもしれない」と指摘した。
米ミシガン大学が発表した10月の消費者調査(速報値)で1年先のインフレ期待が予想を上回る伸びとなり、5カ月ぶり高水準となった。消費者マインド指数は昨年6月以来の大幅な落ち込みとなった。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、ディスインフレが進行中だと指摘。データが急激に変化しない限り、政策金利を現在の水準で据え置くことが望ましいとの見解を改めて示した。
米消費者1年先インフレ期待、5カ月ぶり高水準-ミシガン大調査 (1)
米国債
米国債は長期債を中心に上昇。30年債利回りは前日に急上昇した分を一部巻き戻す格好となった。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.75% | -10.1 | -2.08% |
| 米10年債利回り | 4.61% | -8.2 | -1.75% |
| 米2年債利回り | 5.05% | -1.5 | -0.29% |
| 米東部時間 | 16時54分 |
外為
ドルやスイス・フランが堅調。中東での混乱エスカレートを背景に、逃避先通貨として買われた。
円は対ドルで小幅上昇し、1ドル=149円台半ば。市場では、円が突然下落した場合は日本当局が円買い介入に踏み切るとの観測が広がっている。
鈴木財務相、「場合によっては適切な対応」が求められる-為替市場
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1274.18 | 0.92 | 0.07% |
| ドル/円 | ¥149.59 | -¥0.22 | -0.15% |
| ユーロ/ドル | $1.0507 | -$0.0021 | -0.20% |
| 米東部時間 | 16時55分 |
ユーロは対ドルで小幅に下落。ミーラ・チャンダン氏らJPモルガンのグローバル為替戦略チームは「ユーロは対ドルでパリティー(等価、1ユーロ=1ドル)を試すと当社では見込んでいる。従来目標の1ユーロ=1.05ドルから下方修正した」とリポートに記した。
原油
原油先物相場は急伸。イスラエルとハマスの紛争がさらに激化するとの懸念が強まる中、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は5%を超える上昇で1バレル=87ドルを突破した。

イランのアブドラヒアン外相は、ガザ封鎖が続けばハマスとイスラエルの紛争で新たな戦線が開かれる可能性があると述べた。イスラエルが24時間以内にパレスチナ自治区ガザ北部から退避するよう勧告したのを受け、イスラエル軍による地上侵攻は近く始まるとみられている。一方、イスラエルに対する抗議行動は中東全体に広がっている。
オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「原油相場が上昇しているのは、すでにタイトになっていた需給に地政学的な不安定要素が加わったからだ」と説明。「紛争関連の供給途絶が近い将来に起きると、エネルギー市場のトレーダーらは確信しているようだ」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前日比4.78ドル(5.8%)高の1バレル=87.69ドルで終了。北海ブレント12月限は4.89ドル上昇し90.89ドルで引けた。
金
ニューヨーク金相場は3月以来の大幅上昇。1オンス当たり1900ドルを回復した。イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争が激化する恐れがあり、金に弱気だった投資家の不意を突いた。
金はテクニカル分析上重要な水準を上抜けると上昇スピードが加速。週間ベースでも3月以来の大幅上昇だった。上昇ペースからはファンドマネジャーによるショートカバーが示唆された。
サクソバンクの商品調査責任者オレ・ハンセン氏は「ファンド勢はネットショートで先週末を迎えた。相場が今週持ち直した背景には、ファンドのショートカバーとロング転向という大きな要因があった」と説明した。
先週にはオンス1800ドル付近まで下げ、米国債利回り上昇に起因する金売りがさらに激しくなるとの懸念があおられたが、相場はそこから急速に反転。ハマスのイスラエル攻撃をきっかけに、紛争が世界のエネルギー供給を左右する中東全域に波及する恐れが懸念され、金など逃避先資産の需要が高まった。

金スポット価格と50日移動平均、100日移動平均、200日移動平均
出所:ブルームバーグ
連邦準備制度理事会(FRB)当局者からインフレ抑制のための追加利上げは不要と示唆する発言が相次いだことも、金を押し上げた。金利低下は概して金相場にはプラスに働くが、今週発表された物価統計ではインフレ圧力の根強さが浮き彫りになった。
MKS・PAMPの金属戦略責任者、ニッキー・シールズ氏は「米政策金利がより高くより長く維持されるとの見方を理由にショートに傾け過ぎるのは賢明ではないことを、金相場の急伸は思い起こさせる。物価指数と地政学的リスクが上昇しているからだ」と述べた。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、前日比58.50ドル(3.1%)高い1オンス=1941.50ドルで終了。スポット価格はニューヨーク時間午後2時14分現在、3.3%高い1930.14ドル。週間では5.2%上昇した。
原題:Wall Street Seeks Safety Amid Geopolitical Angst: Markets Wrap(抜粋)
Treasury Bid Holds as Middle-East Risk Heightened Into Weekend(抜粋)
Dollar, Swiss Franc Outperform as Havens to Turmoil: Inside G-10(抜粋)
Oil Surges to Wrap Volatile Week Spurred by Israel-Hamas War(抜粋)
Gold Surges Above $1,900 as Israel War Catches Bears Off Guard(抜粋)
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