【米国市況】テク主導で株続伸、テスラ高い-ドル売られ146円台半ば
Rita Nazareth-
日中当局が通貨防衛姿勢を強める中でドル高にブレーキ
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米CPI統計・アップル新製品発表会・自動車業界の労使交渉に注目
11日の米国株式市場は続伸。米利上げサイクルの終了時期を見極めようと、13日発表の米消費者物価指数(CPI)統計に注目が集まっている。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 4487.46 | 29.97 | 0.67% |
| ダウ工業株30種平均 | 34663.72 | 87.13 | 0.25% |
| ナスダック総合指数 | 13917.89 | 156.36 | 1.14% |
S&P500種株価指数は4500に近づき、ナスダック100指数は1.2%値上がりした。
テスラが10%急伸。同社の自動運転システム訓練用スーパーコンピューター「Dojo」が企業価値を最大5000億ドル(約73兆円)押し上げる可能性があるとして、モルガン・スタンレーが投資判断を引き上げたことが好感された。アップルがモデムチップの調達契約を3年延長したクアルコムも高い。12日に開催されるアップルの新製品発表会にも注目が集まっている。
テスラ投資判断引き上げ、自動運転巡る「AI魅力」で-モルガンS
アップル、クアルコムとのモデムチップ契約を3年間延長 (1)
ケーブルテレビ(CATV)運営のチャーター・コミュニケーションズも上昇。番組放映契約を巡り対立していたウォルト・ディズニーと合意したことが買い材料。一方、スポンジケーキ菓子「トウィンキー」のメーカー、米ホステス・ブランズを約56億ドルで買収することで合意した食品メーカーのJMスマッカーは売られた。
米チャーターとディズニーが対立解消、ESPNなど放映再開で合意
米食品のJMスマッカー、ホステス・ブランズを買収へ-約56億ドル
全米自動車労組(UAW)と米3大自動車メーカー(ビッグスリー)による労使交渉の行方にも関心が高まっている。ストライキ回避に向け、バイデン政権も高官を派遣して合意を促す構えだ。UAWのフェイン委員長は発表文で「われわれはデトロイトで毎日24時間体制で交渉する用意がある」と表明した。
UAW委員長、ビッグ3と昼夜問わず交渉する用意-期限の14日迫る
ニューヨーク連銀の調査によると、消費者のインフレ期待は8月におおむね安定したが、家計に対する懸念や雇用情勢への悲観的な見方が強まっていることが分かった。
米消費者のインフレ見通し安定、信用巡る悲観は強まる-NY連銀調査
モルガン・スタンレー傘下Eトレード・ファイナンシャルのマネジングディレクター、クリス・ラーキン氏は「良いニュースは良い、悪いニュースは悪い」が今週のテーマになりそうだと指摘。「相場が目先、回復できるかどうかは13日発表の米消費者物価指数(CPI)など、インフレ統計が左右するだろう。予想から上振れれば、米金融当局が一段とタカ派に傾斜し、追加利上げに踏み切るとの懸念が強まる恐れがある」と述べた。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米州最高投資責任者(CIO)、ソリタ・マルチェリ氏は、米経済は緩やかな成長局面に向かっており、今後1年におけるリセッション(景気後退)入りを回避し、株式市場を支援するとの見方を示す。一方で「不確実性により株式市場全般で不安定な値動きが続き、レンジ取引になる可能性がある」と述べた。
ビットコインは6月以来の安値に沈んだ。50日移動平均が200日移動平均を上から下に突き抜けるテクニカル分析上の弱気シグナル「デッドクロス」の形成に近づいている。

為替
ニューヨーク外国為替市場で、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は5営業日ぶりに反落。日本と中国が自国通貨の防衛を強化する姿勢を示したことが背景にある。ドルは主要10通貨に対して全面安。とりわけ円と資源国通貨に対する下げがきつかった。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1250.34 | -8.13 | -0.65% |
| ドル/円 | ¥146.60 | -¥1.23 | -0.83% |
| ユーロ/ドル | $1.0749 | $0.0049 | 0.46% |
| 米東部時間 | 16時52分 |
日本銀行の植田和男総裁は9日付の読売新聞とのインタビューで、賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階になれば、マイナス金利政策の解除を含めていろいろなオプションがあると発言。また日本の長期金利は9年8カ月ぶりとなる0.705%に上昇した。
円はドルに対して一時、147円付近に下げる場面もあったが、その後は主に146円台半ば近辺で推移した。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のシニア通貨アナリスト、リー・ハードマン氏は植田総裁の発言について「円に対して短期的に一段の支援を提供する意図があるのは明らか」と指摘。「このまま円安が続けば、日銀には金利引き上げを含め金融引き締めを前倒しするよう政府からの圧力が増す可能性がある」と述べた。

中国当局は11日、人民元の基準値を予想以上に元高方向に設定したのに続き、投機を強くけん制する口先介入を実施。中国経済の動向に敏感なオーストラリア・ドルやニュージーランド・ドルなど資源国通貨が買われた。
米国債
米国債相場は小動きとなる中、総じて利回りが上昇。2年債利回りはほぼ変わらずで、期間短めの債券がややアウトパフォームした。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.38% | 3.8 | 0.87% |
| 米10年債利回り | 4.29% | 2.8 | 0.65% |
| 米2年債利回り | 4.99% | 0.0 | 0.00% |
| 米東部時間 | 16時53分 |
この日実施された440億ドル規模の3年債入札は、最高落札利回りが2007年以来の高水準となった。米金融当局が来年に入っても当面高金利を維持するとの観測から、足元で国債が売られていることを反映した。最高落札利回りは4.660%で、入札前取引(WI)水準の4.650%を1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回った。
今週も投資適格級債の起債が相次ぐ。約13の案件が予定されており、約300億ドル相当で週内にプライシングが行われる見通しだ。
原油
ニューヨーク原油先物相場は小幅安。金融市場全般ではリスクオンの地合いが広がったが、原油市場に関してはこれまでの上昇が行き過ぎだった可能性がテクニカル指標で示唆され、相場の下押し圧力となった。原油はここ最近の数週間に約10%上昇している。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は1バレル=87ドル付近で終了。先週は週間で2.3%上昇していた。サウジアラビアとロシアによる供給削減を受け、原油相場は6月半ば以降にバレル当たり20ドル近く上昇してきた。両国は供給削減を年末まで継続する方針。ここ最近の先物相場上昇を受け、相対力指数(RSI)などのテクニカル指標は先物が引き続き買われ過ぎの領域付近にあることを示しており、トレーダーらは下落の可能性に身構えている。
サウジが予想外に自主減産3カ月延長、ロシアも続く-ブレント原油上昇
原油市場にはこれまで強気の見方が浸透してきたようだ。マネーマネジャーによるWTIのネットロングポジションは15カ月ぶりの高水準。また先週は北海ブレントでもロングが増加した。サウジとロシアによる供給削減の延長表明が背景にある。
バークレイズのアナリスト、アマルプリート・シン氏はリポートで「エネルギー価格を巡る綱引きが続く中、産油国は供給抑制を維持している」と指摘。「サウジアラビアが想定より積極的に自主減産に動いているほか、需要は強さが続いていることから、われわれとしては最近の上昇の勢いが衰えることはないとの見方だ」と記した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前週末比22セント(0.3%)安の1バレル=87.29ドルで終了。北海ブレント11月限は1セント下げて90.64ドル。
金
ニューヨーク金相場は上昇。日本と中国の中央銀行による動きを受けて、連騰していたドルが値下がりしたことが手掛かり。
ドル指数は先週まで週間ベースで8週続伸となっていたが、11日の市場では下落した。中国人民銀行は人民元を巡り、投機を強くけん制する口先介入などを実施。また日本銀行の植田和男総裁の発言を受けて、金融政策の早期正常化観測の高まりから円が上昇した。金はドル建てで取引されるため、ドルの上昇は金に逆風となることが多い。

金スポット相場はニューヨーク時間午後2時43分現在、前週末比0.1%高の1オンス=1921.73ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は4.50ドル(0.2%)上昇し1947.20ドルで引けた。
原題:Tech Giants Power Stock Gains as Tesla Jumps 10%: Markets Wrap(抜粋)
Dollar’s Winning Streak Derailed as Yen, Yuan Rally: Inside G-10(抜粋)、Dollar’s Winning Streak Derailed as Yen, Yuan Rally: Inside G-10(抜粋)
Treasuries End Mixed, Steeper Despite Soft 3-Year Note Auction(抜粋)
Oil Holds at Yearly Highs as Technical Levels Give Traders Pause(抜粋)
Gold Climbs as Dollar Tumbles After Asian Central Bank Moves(抜粋)
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