米国市況】株と国債下落、議事要旨が追加利上げ示唆-一時146円41銭
Isabelle Lee、Cristin Flanagan-
円は昨年の介入実施水準を超える下落、対ドルで8営業日続落
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ナスダック100指数は2日間で計2.2%下落、大手ハイテク株に売り

16日の米株式相場は続落。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で示されたタカ派的姿勢を消化しながら、終盤に下げを拡大する展開だった。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 4404.33 | -33.53 | -0.76% |
| ダウ工業株30種平均 | 34765.74 | -180.65 | -0.52% |
| ナスダック総合指数 | 13474.63 | -156.42 | -1.15% |
午後に発表されたFOMC会合(7月25、26日開催分)の議事要旨では、利上げ継続が必要になり得るとの見解が示された。ナスダック100指数は前日と合わせた下げが2.2%となった。メタ・プラットフォームズやアマゾン・ドット・コム、テスラといった大手ハイテク株が下落し、指数全体を押し下げた。
FOMC議事要旨:「著しい」インフレリスク、追加引き締め正当化も (2)
インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「米金融当局はインフレ期待が鎮まると確信するまで今の政策を続ける以外にない」と指摘。「異なる行動を取れば、収束しかけていたリスクが再燃しかねない。FOMC参加者のうち2人が7月会合での政策金利据え置きを望んだようだが、利上げ休止は転換ではないことに留意するのが重要だ」と述べた。
テクニカルな要因もこのところの相場下落の背景にある。S&P500種株価指数は過去50日間の移動平均線を2日連続で下回った。

S&P500種株価指数と50日移動平均線
出所:ブルームバーグ
BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ベン・ジェフリー氏は議事要旨について、「パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が7月の記者会見で示した中核的テーマの多くが繰り返されていた」とリポートで指摘。「9月のFOMC会合では再び利上げを見送る一方、データがそれを正当化するなら11月か12月に追加利上げを実施する可能性は十分にあるという当社の想定を覆すものは何もなかった」と述べた。
中国経済の不振が引き続き市場で注目されている。中国当局は金融システムへの短期資金注入など一連の景気刺激策を講じているが、市場に楽観ムードは戻らなかった。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のエコノミスト、ティファニー・ワイルディング氏は、中国のファンダメンタルズ悪化に伴うリスクは、市場にまだ完全に反映されてはいないとリポートで指摘。
「デフレの波及は通常、時間のずれが生じるため、世界の消費市場に影響を及ぼし始めたばかりだと思われる」とし、物価の下落傾向は「向こう数四半期に加速する公算が大きい」と述べた。
米国債
米国債相場は下落(利回り上昇)。午後に入って利回りの上昇幅が拡大し、10年債利回りは4.3%に近づいた。2年債利回りは5%の大台に接近した。FOMC議事要旨で追加利上げが示唆され、国債相場を圧迫した。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.36% | 4.0 | 0.93% |
| 米10年債利回り | 4.26% | 4.5 | 1.08% |
| 米2年債利回り | 4.97% | 1.5 | 0.30% |
| 米東部時間 | 16時51分 |
外為
外国為替市場ではブルームバーグのドル指数が5営業日続伸し、約2カ月ぶりの高値を付けた。FOMC議事要旨の公表後に上値を伸ばす展開だった。
円はドルに対する下げが拡大し、一時0.6%安の146円41銭まで下落。昨年9月に日本政府がドル売り・円買い介入を実施した際の水準を超える円安となった。対ドルの下落は8営業日連続。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1242.40 | 2.88 | 0.23% |
| ドル/円 | ¥146.34 | ¥0.77 | 0.53% |
| ユーロ/ドル | $1.0880 | -$0.0025 | -0.23% |
| 米東部時間 | 16時51分 |
スタンダードチャータードのG10FX調査グローバル責任者スティーブン・イングランダー氏は「円は人民元の下落軌道につかまった」と指摘。「米国債利回りの上昇が大きな原動力になっている」とも語った。
円が対ドルで145円90銭に下落、昨年の24年ぶり介入実施水準 (2)
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアジア為替・金利戦略共同責任者、アダーシュ・シンハ氏は、トレーダーが日本当局による外国為替市場への介入のリスクに備えるのはまだ早いとして、円安に反対する政治的圧力は弱まっていると指摘した。
同氏はインタビューで、内需が底堅く原油価格が2022年よりも下がっているため、政治的なロビー活動は「恐らく今年よりも昨年の方がずっと激しかっただろう」と発言。昨年当局が引いていた一線は1ドル=150円ではなかったかとし、その水準に達したら「もちろん、何らかの防衛策を取る必要があるだろう」と語った。
円は介入までに1ドル=150円まで下落する可能性-BofA (1)
ラボバンクのシニア外為ストラテジスト、ジェーン・フォリー氏は「日本の財務省が150円水準を待たずに行動を起こすかどうかは、上昇のペースが重要になってくるだろう」と述べた。
ポンドは他の主要10通貨を上回るパフォーマンス。英国の経済データを受け、イングランド銀行(英中央銀行)による追加利上げの可能性が強まった。
原油
ニューヨーク原油先物相場は3日続落し、3週間ぶりの安値。夏場で商いが薄く、金融市場全般の動向に左右される展開だった。
株式相場の下落に連れて原油相場も下げた。FOMC議事要旨は追加利上げの可能性を示唆する内容だったが、原油需要に対する信頼感を高めるには至らなかったもようだ。
米エネルギー情報局(EIA)の週間統計によれば、米国の原油在庫は先週、大幅に減少。相場の下支え材料ではあったが、価格押し上げにつながらなかった。
オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「米中という2つの経済大国の見通しにウォール街は神経質になっており、原油価格は上値が重い」と指摘。「米国のソフトランディング見通しはインフレ克服には良いことでないかもしれないと考えるトレーダーが増えている」と述べた。

WTI原油先物とブレント先物
出所:NYMEX、ICE
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は、前日比1.61ドル(2%)安い1バレル=79.38ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント10月限は1.44ドル(1.7%)安の83.45ドル。
金
金スポット相場は続落し、1オンス=1900ドルを割り込んだ。FOMC議事要旨で追加利上げの可能性が示され、ドルと米国債利回りが上昇したことで、金相場が下押しされた。

金スポット相場と米10年債利回り
出所:ブルームバーグ
米金融当局が引き締め策を長期化するとの見方が市場で意識され、金相場はこのところ圧迫されている。金利上昇は利息の付かない金の魅力を低下させる。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時36分現在、前日比0.3%安の1オンス=1897.12ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、FOMC議事要旨の公表前で6.90ドル(0.4%)安の1928.30ドル。
原題:Stocks, Bonds Fall as Rate Hikes Left on the Table: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Advances After Fed Minutes; Yen Down 8th Day: Inside G-10(抜粋)
Yen Slumps to 2023 Low as Japan Intervention Debate Intensifies(抜粋)
Oil Hits Three-Week Low as Equity Woes Overshadow Tight Supplies(抜粋)
Gold Dips Below $1,900 as Fed Minutes Show More Hikes Likely(抜粋)
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