日本企業のスペースワンが開発する小型衛星用ロケット、カイロス。
製造を担当するのは IHIエアロスペースで、一部の部品はキャノン製。
3号機が今日の11時に打ち上げられる予定。
3号機(スペースワンのウェブページより)
1、2号機の失敗を経て3度目の挑戦。
搭載した衛星の数は、1号機は1機、2号機は5機(うち1機は台湾国家宇宙センターより)で、今回の3号機も台湾のを含めて5機。
ずっと気がかりなのは、カイロスの打ち上げは実験機を経ることなくいきなり実用機(1号機)から始まったこと。
試験段階でエンジンをはじめ個々の部品やシステムがうまく作動したとしても、組み立てたロケット全体がうまく作動するとは限らない。
失敗した時のロケットに対する信頼性や衛星の損失の大きさを考えれば、1度は実験機での打ち上げ成功を経てから実用機に移るべきだった。
「実験機ではお金にならない」が理由なのかもしれないが、スペースワンは「契約から打ち上げまでの世界最短と打ち上げの世界最高頻度をめざす」としているので、実験機の費用はその後の世界最高頻度の打ち上げで遠からず回収できるはずで、「急がば回れ」で進めるべきだった。
ともあれ、3号機で成功すれば今後の事業に弾みはつく。
1日11時の打ち上げが延期された理由は上空約1万メートルの風が想定よりも弱過ぎたためとされ、earth でその日時における上空1万メートルの風を調べると北西 46.6 m/s だったが、今日8時の時点では西 70.9 m/s と強くなっている。
成功を祈っている。
<打ち上げのシークエンス>
2分20秒後 1段目分離
2分44秒後 フェアリング分離
4分39秒後 2段目分離
7分50秒後 3段目分離
53分35秒後 最初の衛星分離
54分01秒後 最後の衛星分離
<追記>
今日の打ち上げは中止・延期に。
スペースワンは14時から会見を開いた。
測位衛星からの信号受信が安定しなかったため、安全監視システムが作動して打ち上げ 30秒前に緊急停止したもので、ロケット自体に問題があったのではないとのこと。
測位衛星の位置が今日よりも良い明日 11時10分に打ち上げを予定。
earth の予測では、その時の上空1万メートルの風は西 78.0 m/s。
<追記2>
5日の定時に打ち上げられたが、ライブ映像で1段目分離予定時間よりもかなり早く(打ち上げから 70秒を過ぎたあたり)に小さな爆発のようなものが見えて、その後機体から次々と何かが分離する様子が見られた。
スペースワンは、打ち上げから 68.8秒後に飛行中断措置を取ったとのこと。
3度目も失敗。
1号機から3号機まですべて1段目つまりは打ち上げの初期段階で既に問題が生じており、ましてや2段目以降がまともに作動するのかについては未知の状態で、小手先の対処の繰り返しではいつまで経っても解決せず、今後も失敗を続けることになるだろう。
もう遅過ぎるくらいだが、実験機とダミー衛星によるテストをしないで進めてはいけない。
しかし、スペースワンにその余力はあるか。
3号機の打ち上げには、クラウドファンディングによる 8,000万円を超える支援金も使われた。
夢とロマンだけで語るべきではない重い責任がある。
事業の継続が相当苦しくなったのは確かだろう。
会見で豊田正和社長は「失敗ということとは私どもは考えておりません」と述べたが、トップがこれではダメだ。
成功への道は失敗を認めることから始まる。
豊田氏を調べると、東大法学部卒で省庁や内閣での任を重ねてきた人物のようだが、理系的思考能力は持ち合わせていないようだ。











