辛島美登里さんの歌を初めて知ったのは、大学を卒業して大学院に進んだ頃。
大学時代からの友人F君と、ボウリングをしていた時。
私の投球の番で、スタンス位置に立ち、ボールを胸より少し上の位置でセットし、ピンに狙いを定めて投球に入ろうとした瞬間、場内に流れていた歌声が耳に入り、気持ちがそちらへ移ってしまった。
透明感があり、儚げな響きを帯びて、ビブラートを極力控えめに丁寧に歌いあげる声に魅了されていた。
投球は、歌が終わるまで待った。
その歌は 「サイレント・イブ」。
当時のトレンディードラマの主題歌で大ヒットしていたそうだが、トレンディードラマやヒット曲の歌番組を見ない私は知らなかった。
歌が収録されているアルバムCD 『GREEN』 を買い、いい歌がいっぱいあるなと思い、メジャーデビューからのアルバムを集めた。
以後、1997年発売のアルバム 『果実』 までの歌に、好きなのが多い。
大学院 (修士課程、博士課程) での研究は、順調な時もあればどん底の時もあった。
博士号を申請するのに必要な、学術誌に掲載された主論文と副論文複数を揃え、博士課程の3年を超えて取得できた。
学位記は両手を少し広げたくらいのサイズで、私は筒に入れたままにしていたのだが、父がピッタリの額縁を買ってきた。
父は私の知らない間に学位記の寸法を測り、額縁を買いに行ったのだろう。
1995年、アルバム 『IN YOUR EYES』 発売。
その中の曲 「恋も仕事も」 の歌詞 “今はただ・・・自分に負けたくない 頑張るの” の部分で、心にギュウーッと来た。
この曲は、女性が恋人との結婚より今は仕事での夢を選び、恋人と別れ、彼女は夢と新たな恋に向かって歩き出す内容。
そんなストーリー自体は私とは関係なかったが、“今はただ・・・自分に負けたくない 頑張るの” の部分だけで、私には思い入れの強い曲になった。
曲の歌詞の最後は “幸せになるから みててね・・・”。
こんな形の応援歌もある。
「恋も仕事も」 の収録音量を波形解析した結果が以下。
収録最大レベルの 0dB に達している箇所は4分14秒の箇所だけで、ダイナミックレンジがとても良好に保たれた素晴らしいマスタリングだ。