『イグノーベル賞受賞! オスメス逆転昆虫 トリカヘチャタテの研究』(吉澤和徳/著)

 

トリカヘチャタテのイグノーベル賞研究報告

 

約10年前、北海道大学の吉澤先生が「トリカヘチャタテ」という昆虫のオスとメスの生殖器が逆転していることを発見し、イグ・ノーベル賞を受賞した。

その受賞記念講演をまとめたもの。とても面白かった。

 

読みながら「この研究は何に応用される可能性があるのだろう」と思っていたら、同著内でばっさりと「たぶん何の役にも立たないでしょう」と書いていらっしゃる。

 

が、何がどこにつながっていくかわからない。

同著の中でも紹介されていたが、とても長いペニスを持つ昆虫の研究が、カテーテル製作のヒントにつながる可能性へと発展していったケースもあったそうだ。

 

トリカヘチャタテ研究の後継者なのか、まったく別分野の研究をしている人なのか、吉澤先生が発見した事実が誰かの発見とつながって、また世間の人々を驚かせるような事実が明らかになるかもしれない。

 

そういう積み重ねで今があるのだから、研究者って尊いなと思う。

『父の詫び状』(向田邦子/著)を読了。

 

向田邦子「父の詫び状」エッセイ集

 

お正月になると、向田邦子さんの原作小説をテレビドラマ化した番組が放送されていた。黒柳徹子さんがナレーションで、加藤治子さん、田中裕子さん、小林薫さんが出演されていて、そのドラマを観るのがお正月の楽しみだった。

 

ドラマは比較的裕福な家庭が舞台で、必ず3人の娘がいて、父親が不在がち。

平凡で、どこにでもあるような家庭の一幕を描いているが、視点の深度を少し奥へと進めると、母娘それぞれに女の顔が見える。そういう物語が多かったように感じる。

そんな、ほのかに漂ってくる生々しさがホラーのようで、独特な怖さがあった。

 

改めて、原作を読みたいと思った先、本屋さんで「父の詫び状」と出会い、手に取った。長年、テレビドラマの脚本にたずさわっていたからだろうと思うが、カッコ書きされる会話文が、まるでその人の声が聞こえてくるようだった。話し言葉の文字の連なりで、発話する人の特徴みたいなものが反映されているように感じた。

 

同著を読んで、シナリオ集にいま興味がある。

『隠れ最強 動物図鑑』(今泉忠明/監修)を読む。

 

隠れ最強動物図鑑の表紙とハト

 

弱そうに見える動物たちの必殺技を集めた図鑑。

イラストのテイストがウルトラマン怪獣図鑑のよう。

天敵の「やられたあー!」「うわああ!」という声が聞こえてきそうな表情がツボにはまる。

 

なかには、武器がなくても、強くなくても、生きていける動物もいる。

そのうちのひとつが「ハト」だ。

読むと、長い物には巻かれろ感がいなめないが。

 

どんな手段にせよ、生きてなんぼ。