静嘉堂文庫美術館で「江戸のエナジー 風俗画と浮世絵」を観た! | とんとん・にっき

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「風俗画と浮世絵」チラシ

 

「風俗画と浮世絵」案内板

 

静嘉堂文庫美術館で「江戸のエナジー 風俗画と浮世絵」を観てきました。観に行ったのは、年末も押し詰まった12月24日のことでした。さすがに観客は少なく、その分ゆっくりと観ることができました。

 

「静嘉堂文庫」外観

 

「静嘉堂文庫美術館」外観

 

そうそう大ニュースが!

静嘉堂文庫美術館が移転するというニュースです。

以下、ホームページより抜粋。

20200226a.pdf (seikado.or.jp)

 

静嘉堂文庫美術館の移転について
公益財団法人静嘉堂は、開館 30 周年を迎える 2022 年(令和 4)に、東京丸の内の明治生命館1 階に美術館の展示ギャラリーを移転する予定です。
公益財団法人静嘉堂が誇る多くの名品(国宝 7 点、重要文化財 84 点ほか)を、より多くの人々にご鑑賞頂ける環境を設けることにより、更なる公益財団法人としての役割を果たして参る所存です。
移転施設は美術館の展示ギャラリーのみであり、美術品の保管管理・研究閲覧業務、並びに静嘉堂文庫(書庫)、敷地・庭園の管理業務は、現在の世田谷区岡本にて継続して行って参ります。
移転先の明治生命館は、1934 年(昭和 9)竣工。ネオルネサンス古典主義様式を採り入れ、昭和の建築物では初めて国の重要文化財に指定されたもので、皇居お濠端の日本を代表する歴史的建造物の中で静嘉堂の名品をご覧頂けるようになります。

 

丸の内・明治生命館

 

過去の関連記事:

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展覧会の構成は、以下の通りです。

 

序章

第一章 近代初期風俗画にみるエナジー

第二章 錦絵の誕生と展開

第三章 東西美人較競べ

 

左:"Masterpieces seiected from the Ukiyo-e school"

全4冊のうちvol.1(明治39年6月)東京 文化財研究所蔵

右:「浮世絵派画集」全5冊のうち第1冊(明治39年6月)

49.5×4.5cm

 

序章

 

英一蝶「朝噋曳馬図」元禄元-11年(1688-98)頃

 

丸山応挙、重要美術品
「江口君図」寛政6年(1794)

 

第二章 錦絵の誕生と展開

 

重要文化財「四条河原遊楽図屏風」寛永期(1624-44)頃
 

「歌舞伎図屏風」江戸時代前期、17世紀
 

「上野隅田川図屏風」右隻、元禄-享保期(1688-1736)頃
 

「上野隅田川図屏風」左隻、元禄-享保期(1688-1736)頃

 

「菱川師宣筆「十二ヵ月風俗図巻」部分
上巻・下巻、元禄期(1688-1704)前期頃

 

二世鳥居清倍
「山下金作の難波津、
市川団十郎の佐野源左衛門、
松本幸四郎の青砥左衛門」
享保8年(1723)

 

二世鳥居清信
「三世沢村小伝次の奴与勘平」
宝暦期(1751-64)後期頃

 

鈴木晴信「花王(さくら)」
明和4-6年(1767-69)

 

勝川春好「五世市川団十郎の暫」
天明期末(1781-89)-
寛政期(1789-1801)
 

喜多川歌麿「四美人やつし車引」
寛政5年(1793)頃

 

「葛飾北斎「吉原妓楼の図」文化8年(1811)
 
第三章 東西美人競べ
 

西川祐信筆「女通玄図」
享保-元文期(1716-41)頃

 

宮川長春筆「形見の駒図」
正徳-享保期(1711-36)頃

 

 

左:葛飾北斎筆「桜下遊女と禿図」
文化4-7年(1807-10)頃
右:勝川春草筆「梅花二美人図」
寛政元-4年(1789-92)頃
 

歌川豊広筆「見立蝦蟇鉄拐図」
寛政-享和期(1789-1804)頃

 

渡辺南岳筆、亀田鵬斎題詩
「玄宗貴妃一笛双弄図」
文化9年(1812)題

 

  

鈴木其一「雪月花三美人図」文政期(1818-30)
(右幅)なかれる身に似わしき花筏 長門
(中幅)猪にたkれて萩の一夜かな たか尾
(左幅)初雪や誰か誠もひとつよき 薄雲

 

「江戸のエナジー 風俗画と浮世絵」

浮世絵の「浮世(うきよ)」は、もとは「憂世(うきよ)」と書きました。中世までは、憂(う)いことの多い世の中を悲観する概念でしたが、江戸時代に入りこうした厭世的なものではなく、経済生活を確立しつつあった町人たちによって“はかないこの世を享楽的に生きよう”という庶民のエナジーによって大きく変化し始めます。
絵画においても、日常生活は画題となり、庶民も絵を買い求め、絵師たちは多彩な活動を始めたのです。とりわけ時代を映す鏡のような風俗画や浮世絵の誕生はその最たるものといえるでしょう。
本展では、静嘉堂秘蔵の肉筆浮世絵や浮世絵版画を、多数初公開いたします。特に肉筆浮世絵は、明治末期に海外向けに出版された豪華画集に日本を代表する名品として掲載されたものを多数含みます。また、浮世絵版画も長らく公開の機会に恵まれなかった作品群です。本展では、まずは重要文化財「四条河原遊楽図屏風」や修理後初公開となる英一蝶「朝暾曳馬図」、円山応挙「江口君図」などの静嘉堂を代表する名品をご堪能ください。その上で、この度、新出の浮世絵をたっぷりとご覧ください。近世初期風俗画や浮世絵を成立・展開させた、溢れるばかりの江戸のエナジーは、江戸時代を通じて、江戸・上方を問わず、文化の根底に流れていたことを感じていただければ幸いです。

 

江戸のエナジー  風俗画と浮世絵

図録

令和2年(2020)4月11日発行

編集・発行:

静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂)

 

「静嘉堂文庫美術館」ホームページ

http://www.seikado.or.jp/

 

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